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(62)カレーの日

美味しい夜ご飯のお話です。


ここから『~新婚さん』新作になります。

比較的早く帰れた平日、簡単にシャワーを浴びて着替えた所で食卓に振る舞われたのはカレーだった。黛はカレー好きだ。近頃台頭してきているスープカレーよりルーカレー派。そしてレトルトでも、特に手の込んでいない市販ルーの簡単カレーでもルーカレーであれば満足してしまう。

今日も無言でカプカプ掻き込んでいたが、ふと味の違いに気が付いて顔を上げた。


「七海のカレーって旨いよな。この間のも美味しかったけど、今日のはまた違う味だな」

「ふふふ……」


不敵に笑う七海を問いかけるように見つめると、彼女は得意げに胸を張った。


「実はそれ、なんと『海軍カレー』なんです!」

「海軍……カレー?」

「唯のお父さんに教えて貰ったの!」

「鹿島の父さん?そう言えば自衛官だったんだっけ?でも料理担当じゃないだろう?」


黛も唯の父親が海上自衛官だった事は知っていた。詳しい事は分からないが(おそらく守秘義務もあるだろう)何か設備関係の担当をしているような話を聞いた事があった。黛の雑学知識では確か食事担当は専門職だったように思う。


「そうなんだけど、定年してから料理に嵌ってるんだって。それで今は海軍カレーを片っ端から作ってるの。私も教えて貰ったんだ」

「『海軍カレー』って一種類じゃないのか?」

「船や基地によって色々レシピがあるみたい……こうやってレシピを公開してるんだって」


七海がタブレットで海上自衛隊のカレーレシピのページを開いて見せた。


「ちなみに今日は東京音楽隊の『チキンカレー』です。この間は潜水艦あらしおの『野菜カレーライス』でした」

「へー」

「次はこれ、那覇航空隊のカレーにしようかな?面白いでしょ?桃缶を使うんだって、甘いのかな?」

「ほー」


タブレットを覗き込んだ黛はニヤリと笑った。


「『愛情たっぷりカレー』ね」

「え?……あっ……!」


カレーレシピの名前に特に注目していなかった七海は、揶揄からかうような口調に恥ずかしくなる。


「もう!揶揄うなら違うのにするから……!」

「ええ!」

「あ、これにしよっ。『れんこんカレー』美味しそう」

「『愛情たっぷりカレー』は?!」

「ふーんだ、当分なし!」

「ええー!そんなっ」


―――余計なちょっかいを掛けて、お預けを食らった黛でした。



しかし『れんこんカレー』も大層美味しかったので、今回珍しく黛にとってノーダメージ!と相成りました(笑)ちなみに『れんこんカレー』は岩国航空基地隊の海軍カレーだそうです。


お読みいただき、有難うございました。

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