(1)婚約しました(☆)
これまでの経緯のまとめ、プロローグです。
『平凡地味子ですが『魔性の女』と呼ばれています』及び『太っちょのポンちゃん まとめ』等シリーズのネタバレがありますので、事前にそちらをお読みいただく事をお勧めします。
よろしくお願いします。
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江島七海は二十五歳のごく平凡な普通のOLだ。取り立てて目立つ美貌でも無く、さりとて不細工でも無い。仕事もバリバリ出来るという言う訳でも無いが、さりとて愚鈍と言う訳でも無い。中の上の大学を卒業し、業界で十五~二十番手付近をウロウロしているお菓子メーカーの総務人事に採用され三年。浮いた話も無く生まれてこのかた四半世紀、モテたと言う記憶も無い。
しかしつい先日、高校一年生の時二週間だけ付き合って別れた友人、黛龍之介から告白され付き合う事になった。
黛は医大を卒業後、研修医として大学病院で修業中。多忙な日々を送っている。七海の好みドストライクの容姿を持つ黛は、マイペースで五月蠅くて自分勝手で、勘で生きているくせに妙な所で理屈っぽい面倒な男。七海に振られた後、告白して来た様々なタイプの女性と付き合ったが、どれも長続きしなかった。
七海はそれを、黛が彼の幼馴染で彼女の友人である癒し系の女の子、唯の事を忘れられない所為だと思っていたが―――実は彼が好きなのは七海だったのだと訴えられ、やっと真実を理解する事となる。
最近黛を好きだと自覚したばかりの恋愛初心者の七海は、初恋拗らせ系マイペース男、黛と付き合った直後その勢いに押し切られる形で結婚する事を了承させられ、そのまま両親との顔合わせを済ませてしまう。
これはそんな付き合いたての二人の、結婚までのお話と結婚してからの日々のアレコレ、特に波瀾もドラマも無い日常のお話。