はじまりの村??
「おかしい!どういうことですか!」
僕は公衆電話の受話器に向かって怒鳴っていた。
この西洋風RPGに似つかわしくない公衆電話であるが、運営への連絡の手段として用いられている。
そう、ここは最新のVRMMO「ブレイブクエスト」の世界なのだ。
せっかく少ないお金でゲームへの参加権を買い、この世界に来たのに、この仕打ちは何か。ブレイブファンタジーはクソゲーだったのか?
「お客様、大変申し訳ないのですが……」と受付の人の声が聞こえる。オペレーターの女の人の声のようだ。
「担当の者に確認をしたところ、どうやらゲームスタートする村がワカバ村ではなく、ゴウセツ村になってしまったそうで……ゴウセツ村というのは、魔王城の前の、最後に立ち寄る村ということでして……すみません、もう一度キャラメイクをしていただくほか……」
僕は受話器をガチャンと置いた。
僕には取るべき手段が二通りある。もう一回キャラメイクをやりなおすか、このままこの村で頑張るかだ
僕は後者を選ぶことにした。なぜなら、前者だおブレイブクエストの参加権を再度購入することになるからだ。日本初のVRMMOとだけあり、参加権は軽く中古の車は買える値段はする。
参加権を必死に買った僕が再度変える代物ではない。
運営にクレームを言い続ければなんとかなるかもしれないが、難しいであろう。
さっきの電話だって、回線が混んでいて、対応してもらえたのは最初にかけてから3時間後だったのだ
もう二度と電話はかけたくない。
僕はこの状況を楽しむことにした。
上手くどこかのパーティに入り込めば、一気にレベルが上がるのだ。
どこかの冒険者からお下がりをもらえば、装備は充実するのだ。
なんとかなるだろう……
この時の僕はそんな甘い考えを持っていたのだ。