第8話 一回戦終了
皆の評価がオラの力になる!
浦島太郎を待てども来てはくれない。あれからどれだけ時間がたっただろうか…。
闘技場の奴隷もほとんどがダウンしている。
≪さぁーて!いよいよ残り人数も少なくなってきました。倒れた奴隷達はあとで係員が回収しまーす‼≫
猫耳少女サラスのアナウンスがきこえる。
恥ずかしい…あれだけ自信満々に俺のターン!とか言っちゃたよ。
会場のやつらが皆笑いながら俺の醜態を見ている。
だか1人でけ神妙な顔つきで俺のことを見ている人がいる。
この闘技場の主エルザードだ。
何て真剣な眼差しだ。食い入るように俺が殴られる様子を見ている。
ん?
なんだか息が荒いぞ。頬もまるで夕暮れのように赤色だ。
あー…。なるほど、俺がボコボコにされてる様子を見て興奮してるだけか。
『私が虐めたい。』
エルザードからとても聞きたくない言葉が聞こえたような気がした。
俺は何も聞いていない‼
隙をみて、亀の状態から前転をするように抜け出す。
さぁこれからどうする。
≪残り人数11人でーす≫
サラスのアナウンスがながれる。
あと少しだ。
目の前に風がふく。ここは屋内のはずだ風がふくはずがないのだが…
パンっとなにかがはじけたような音がする
いつの間にか俺を蹴っていた5人組が床に転がっている。
何がおこった?
目の前に浅黒い肌の男が立っている。
こいつがやったのか?
これはラッキーだ。複数人は難しいがこれならいけるかもしれん。タイマンにさえ持ち込めれば俺にもチャンスはあるぞ!
パンっと音がする同時に体が後ろへととばされる。
あまりの出来事に脳が追いつかない。
「へ?」
マヌケな声が出る。
俺は何をされたんだ?
浅黒い男が少し驚いた顔をする。
「やるじゃん。俺の一撃にたえれるやつなんざぁそうそういねぇぜ。」
男が嬉しそうにこちらを見ている。
「お前は残しといてやるよ」
浅黒い男は近くにいた男にむかってこの距離から見ても確認することの出来ない一撃を放つ。
カンカンカン
≪それまでーーーー!≫
終わりのゴングがなる。
終わった。ほんの数十分の出来事だが体感時間はとてつもなくなく長く感じた。
「テルーーーー格好かったよーー」
エルザードが嬉しそうに叫ぶ。
嘘つけ‼
これには回りも苦笑いだ。
何はともあれ生き残ることができた。
こんなのが毎月あるのかよ…命がいくつあってもたりやしない。
歓声が聞こえる中、一直線に部屋にもどる。
いろんな事で頭がパンクしそうだ。
まず俺のステータスについてだ。
一体どういうことだ?
何故、あんなバカみたいに防御があがった?
とりあえずステータスを開いてみる。
ナカオ テル 20歳 日本国
LEVEL 3
体力 110
魔力 55
力 105
防御 1000000000000
すばやさ 55
器用 330
運 250
スキル 鑑定3級 ステータス操作【3】
やはりバクっている。
これはもうあいつに聞いてみるしかない。
ステータス操作にタッチする。
『おいタス子‼どういうことだ?』
<おはようございますマスター。なんですかその不愉快な名前は。>
機械音が頭に響く。
『お前なんてタス子で充分だ。それよりこのバカみたいなステータスみてみろよ!どういうことだ?』
<だからあれほど慎重にお選び下さいと申したでしょう。私って結構とんでもスキルなんですよ?>
そういう事じゃねぇんだよ。
『俺が言いたいのは何で100ポイントしか使ってないのに防御がこんなバカみたい上がってんのって話し‼』
<あー…セツメイワスレテタ……>
小声でなんか聞き流せないことを言った気がする。
<このスキルポイントは1ポイントで100億ポイントはいるのです‼>
そんなぶっ壊れスキルなんだったらなんでもっと早く教えてくれなかったのさーー‼
<ちなみに3ポイント動かせなかったのは100ポイント単位でしか動かせないからですよ。>
時間を戻したい…
このスキルを上手く使えば異世界最強俺ツエー出来たのに…
悲しい…
<それではもうあまりくだらないことで起こさないで下さいね>
タス子が反論させる暇もなく眠りにつく。
最強のスキルを使ってただの頑丈な一般人が完成しました。