第6話 異世界は俺に厳しい
朝が来ました。
そう地獄の朝が。
鳥のサエズリの気持ちよさを感じる間もなく俺達奴隷は闘技場へと連れて行かれる。
あっ!あそこ俺が綺麗にした土だ。
なんて考えてる内にアナウンスがながれる。
《さぁ!いよいよ始まります‼月に1度の楽しみが!司会は私サラスがおおくりしまーす!》
元気いっぱいの八重歯がカワイイ猫耳少女が叫ぶ。
異世界なんでもありだな…猫耳か…俺犬派なんだけどな…カワイイ‼
ワーーー
歓声が凄い。
まるで気持ちは甲子園球児のようだ。
だが現実はそんな爽やかスポーツ系ではない。
歓声に耳をすませてみると
「殺せー!」 「早くやれよー!」 「お前に賭けたぞー!」
なんて野蛮な奴らなんだ…
こんな所にくる奴らなんざろくなやつじゃないだらうな。
あれ?よく見ると結構豪華な服をきた奴らがチラホラいるぞ?
もしかしてこれ貴族の娯楽とかにもなってんの?
「まだかのー?ワシ早く見たいのじゃが?」
ん?
どっかで聞いた事のある声が聞こえるぞ?
声の聞こえる方向を見てみるとそこには立派な髭を生やして豪華な服を着た奴がいた。
おいおい何でテメェがこんな所にいるんだよ。
あのクソ王が!
あっ!あいつ俺のことみてるぞ。
めっちゃ見てる。
「はて?どこかで見た顔じゃの…」
はて?じゃねぇよ。
お前いつか絶対ぶん殴ってやるからな。
《それでは第一回戦を始めます‼まずはこの闘技場にいる30人の中から10人になるまでのサバイバル戦でーす‼》
エエエエエ‼いきなり始まっちゃうの?
まだ心の準備が出来てないんですけどーー!?
何人か俺の事をガン見しているのは気のせいであってほしい。
さてと…「逃げる準備でもするか!」
≪始めーーーーーー!≫
カーーーン‼
死刑執行のゴングがながされる。
物凄い勢いで5人ほど俺に向かって走ってくる
イヤン。モテる男は辛いね。
俺はまだ死にたくないので全力で逃げる。たがそこはすばやさ55すぐに捕まってしまった。
ヤバイ。殺される。
その光景はなんと表現すれば良いだろうか…そう、俺はまるで浦島太郎にでてくる亀のように蹴られまくっていた。
背中の強度は正面と比べて何倍も丈夫と言われているが成人男性の蹴りを何発もくらうと言うのは想像を絶する痛さである。
中途半端な痛みのせいで気絶することが出来ないので半端なくキツイ、なんとかこの状況を打破する方法はないのか…
そうだ!こんなときこそステータス操作だろ‼
<ステータスオープン>
そしてステータス操作を亀の状態でなんとかタッチする。
とにかく今はこの低い防御を上げなければ俺の背中が壊れてしまう。
【103】
+
-
今あるだけのポイントを防御に注ぎ込もう
【3】
+100
<防御に100ポイント使用いたしますか?>
はい
いいえ
この時、俺はとても重大な間違いを起こしていたことに気付いていなかった。
何故、あの時すべてのポイントを使うはずが3余ってしまったのか…
<スキル操作>の言っていた。<よく考えて使ってください>と言われていたのにこのような愚かなことをしてまったのか…
はい←
いいえ