第4話 頑張ります‼
拝啓 母様 お元気ですか?
僕は元気です。
異世界に着た瞬間、いきなり100人の勇者と宣言されたり。路地裏で大男にボコボコにされ、 挙げ句の果てにはコロシアムに売り飛ばされ奴隷をやっておりますが、何とか元気にやっております。
「おい!新入り、サボってんじゃねぇぞ‼」
後ろから先輩奴隷の蹴りがとんでくる。
「痛ぇ!」
あれから1週間がたった。
訳の分からないまま異世界に来て、気が付くとコロシアムで奴隷をやらされている。
どうやらこのコロシアムでは月に1度、奴隷同士を闘わせる大会を開くそうだ。
現在、俺はその準備をやらされている。
て言うかピンチです。
あと2日ほどでその大会が開かれるらしく、俺は現在、死刑台を上らされる受刑者のような気持ちなのだ。
絶対無理だ…殺される。
そんなことを考えながら俺は奴隷達が闘う闘技場の土をトンボのような物で綺麗にならすのであった。
コツンコツン
ハイヒールの音が後ろから聞こえてくる。
音の正体はおそらくあの女だろう。
このコロシアムの主であり、最強の女。
エルザード
顔は10人に聞けば10人が美女と答えるほどの絶賛美女である。
スタイルもボン、キュ、ボンと完璧なプロポーションであり女馴れしていない俺にとっては目のやりばに非常にこまる。
だかこんな荒くれ者ばかりの中とびきりの美人がいて大丈夫なのだろうか?……そんなことを考えていた時期が僕にもありました。
1度だけ彼女のステータスを覗いてみたことがある。
エルザード 27才 ガスパニア王国
LEVEL40
体力 500
魔力 500
力 500
防御 300
すばやさ 500
器用 50
運 100
最初は凄いのかよくわからなかったのだがこの1週間、様々な人のステータスを見てみたが、彼女よりステータスの高いやつは誰1人見ることはなかった。昔、冒険者だった先輩奴隷の話しによればステータスの平均値は体力、魔力、力、防御、すばやさ、この5つの項目の平均値は大体100ほどらしい。
魔物などを倒してLEVELを上げたり、トレーニングなどでも上げることは出来るらしいのだか、300以上からは人の領域を外れた存在らしい。
化け物だこれ…
性格はドS
昔、バカな奴隷の1人がエルザードの胸を触ろうとしたことがあるらしく、怒ったエルザードにゴールデンボールをクラッシュされたと言う噂がある。
このコロシアムで彼女にさからえる者などいないだろう。
そこで1つ問題がある。
「おーい!サボらずにやてるかーい?」
あっ!エルザードと目が合ってしまった。
「テーーールーーー!」
エルザードが俺の名前を叫びながら飛びついてくる。
何故か彼女は俺のことがお気に入りらしく俺を見るたびにまるで愛玩動物をみた女子のように俺を撫で回してくる。
「いい子にしてたかぁい?他の奴隷にイジメられてない?私の可愛い耀を傷つける奴がいたら金⚪潰してやるからね!」
どうやらあの話しは実話らしい…
俺は同年代の女からはモテることはないのだか何故かいつも年上から異常に可愛がられる。
そして現在、俺はエルザードに正面から腕でホールドされ胸に顔を押さえつけられる形になっているのだが…息ができん!
メロンが…2つのメロンが俺の顔に…
「おぉ!土も綺麗にならしてあるじゃないか~よしよしいい子だね~」
とエルザードは俺の頭を撫でてくる。
勘弁してほしい。俺もう20才なんだけど…
「ウッス。がんばるッス。」
俺の器用のステータスが高いお陰でこのような作業は非常に得意なのだがこれが原因でエルザードに目をつけられた。
回りの奴隷達の目が痛い。
『コロス』 『チョウシニノンナヨ』 『モミテェ!』
ほらほら回りも物騒なことを言い始めてるし。そろそろ開放してくれよ。
「あと2日後にやる闘技大会もきちんと生き残るのよ!本当は怪我なんてさせたくないんだけどルールだから…じゃあ仕事が残ってるからいくね。」
そう言ってエルザードはコロシアムのグランドから立ち去る
「あんたら!手ぇ休めるんじゃぁないよ!サボってたらただじゃおかないからねぇ」
<イエス‼ボス‼>
と奴隷達、全員が返事をする。
凄ぇ~まるで軍隊だな。
あと2日かぁ…