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第46話 アジトへ…その2

初のR18展開か!?


さて皆さん作戦実行の瞬間が近づいてまいりました。今、俺は宿屋の一室のクローゼット内に待機しております。



あとはアレックスとキールが上手くやってくれるはず。……はずだよね?






まず俺がアレックスとキールに頼んだことはたった一つ《盗賊団のメンバーと2人になれる状況をつくってほしい》ということだ。





上手くいけばこの宿屋の一室に盗賊が来てくれるはずだ。




それにしても……暑い………クローゼット内ってこんなに暑いんだ……マジでやばいわ……。




元々代謝が良いせいか大量の汗をかいてしまう。多分だが八割は緊張のせいなのだが……





とりあえず上着が汗でヤバイことにならない内に脱いでおくか……




上着を脱いでいる途中に宿屋の床がきしむ音が聞こえる。






ギシッギシッ……








来たーーーー!





落ちつけ落ちつけ!冷静に!




「ハァッ……ハァッ……」





緊張で息が荒くなる。こんな簡単なことで冷や汗をかき息が荒くなるのは俺が小心者であることの現れであろう。







ポケットに入った小さな水晶をとる。そして…







「オネイロイ」




奴の名を唱える。






すると頭の中に明るくネチっこい声が響き渡る。






『呼ばれて飛びでてオネイロイ~やっと呼んでくれたね~』






「よかった。本当に出てくるか若干不安だったんだよ…」






『もーーーそんなこと行っちゃうんだったら僕帰っちゃうぞーープンプン!』








「ごめんなさいごめんなさい!それだけは勘弁して!僕クローゼットから一生でれないよ!」







『冗談だよーー僕は高貴な存在だからね約束は守るよーー。それで何すればいいのーー?』






なんだったんだ今の茶番は……本題に入る前にめちゃくちゃ疲れたわ……。









「願は一つ今からこの部屋に入ってくる奴を眠らせてほしいんだ。」







『そんな簡単なことで良いんだーーーお安いご用だねーー』






ギシッギシッ





近づいて来た足音が今扉の前で止まった。







扉があけられ一人の男が入ってくる。






その瞬間、背中に寒気を感じる。





「あー………」




消え去りそうな小さな声をだし男が倒れる。







「え?」






何が起きたかわからなかった。本当に一瞬の出来事であった。





『はーいお仕事完了!こんなことで良かったの?』






「今のお前がやったのか?」






『そうだよーーー』




オネイロイ……こいつから出されるプレッシャーに今、純粋に恐怖を覚える。






『それじゃーー願も叶えたし久しぶりに散歩でもしてこようかなーーー』







姿は見えないが部屋に漂うプレッシャーが一気に消え去る。





「ハアッハアッハアッ!」




プレッシャーから開放されてもなお先程の恐怖が抜けきらない。





オネイロイが去ってから数分が立ったが冷や汗が止まらない……とりあえず気持ちを切り替えて今は盗賊団のことに集中しよう。







「よし!……まずはこいつの紋章を探そう……」







鑑定は見えなきゃ使えない……先ずは背中から……




上着を脱がせ背中を確認する。だが……紋章がない……。





あれ?






上半身をくまなく探すが紋章が見当たらない……落ちつけ俺……まだ慌てる時じゃない…






次は下半身だ……あれだよ俺の世界でも太股とかにタトゥーを入れる奴とかいたし……そんな感じだよ。





ズボンに手をかける……今この光景を見られてしまったら多分勘違いされるだろうな…。






「1、2の3で!」




一気にズボンを下ろす。勢いあまってパンツまで脱がせてしまった…




初のR18展開がまさかこんな形で成し遂げられよとは…





「オエッ!」




殴られた時とはまた違う衝撃が襲う。野郎の股間を間近で見てしまった……。




そして太股に紋章があることを確認する。




「うー……気持ち悪い……鑑定!」






太股の紋章に鑑定をかける。






【盗賊団ニーズヘッグの牙】



特に情報は表示されずその名前だけが現れる。





「ニーズヘッグ?」





また訳の分からない単語がでてきた…





とりあえずは鑑定は成功した。あとはアラーム機能を設定して完了だ!






アラーム機能を設定しているといきなり扉が開けられる。





「おい!まだかよ!これ以上時間は……」




部屋にアレックスが突撃してきた。






「…………」





「…………」




静寂が続く。




アレックスが見た光景は眠らされている盗賊団のメンバーを全裸にした状態で上半身裸の耀が汗をかきまくっている姿であった。







バタンっと何も言うことなく扉をしめる。扉の奥から声が聞こえる。





「おい!アレックス何やってんだ!爺ちゃん達がカンカンになって俺等を探してるぞ!急ぐようあいつに言ったのかよ!…おい……どうしたんだ?アレックス……」




「あ……ああ……何でもないよ大丈夫……もう終わるってさ……うん邪魔しちゃ悪いし行こうぜ……」





「アレックス?おいおい!なんだよ押すなって!痛ぇ!」





ドタドタと音を立てて2つの足音が離れていく。







俺は今 何か大切な物を失ってしまった気がした。



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