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第36話 悲しい悲鳴

新キャラ‼

仲間が必要だ。俺1人ではやはり限界がある。……そうだよ!何も1人で戦うことなんてない!


取り合えず町に行こう!荷物から地大陸の地図出して草の上に広げる。


うーん………まず1つ問題がある………町を探す以前に…俺はどこにいるのだろうか………地図みても地名なんてわかんないよ‼こんな単純なことに気づけないなんて…俺はなんて馬鹿なんだろう……今思えば買い物なんかもほとんどノエル先輩の運転する馬車だったし…近くの町すらわかんねぇ…



あぁぁ腹が減った……先ほど拾い集めたブラッケスト ウルフの肉でも食べるか…


まずは火魔法で焚き火をおこし、適当に落ちていた枝を拾って肉を突き刺し塩をかけたらマンガ肉の完成だ。早速食べてみよう‼


うん……肉だね……どれだけ噛んでもただの肉の味しかしないな…しかも硬くてマズイ…日本でこんな肉だしたら客に殴られるぞ…ちゃんと料理がしたい……



魔力切れで空腹になった腹に不味い肉を詰めこむ。最近気付いたのだが魔力が減ると腹も減る。どんな関係性があるのかは分からないがいつか誰かに聞いてみよう。



がさがさ


草むらから音がする。



ヤバイ!匂いにつられて魔物がよってきたか‼今は魔力切れで爆発魔法なんてもう撃てないぞ!




その瞬間、耀の目の前に銀色の何かが現れた。速すぎて何がいるのかわからない。そのまま目にも止まらぬスピードで手に持っていた肉を奪われる。とっさの出来事に尻餅をついてしまった。



「うぁ!」




ヤバイぞ…ここに来て強敵かよ!空腹の魔物を起こしてしまうとかどんだけ運が悪いんだ…




急いで体をおこし戦闘体勢をとる。耀の目の前に現れた魔物の正体が見える。




「うっ‥‥うっ‥もう駄目かと思ったよ…」






 堅くて臭い肉を怯む様子もなく頬張る者の正体は魔物ではなく…人間であった。その髪の色は銀色と黒色がまざった不思議な色をしていた。


 だが只の人間ではないその頭には猫のような耳が生えていた。身なりはお世辞にも綺麗とは言えないボロボロで服もあちこち穴があいたボロ布のような物であった。



 見た感じ女であることが分かるのだが肉に顔をうづくめる勢いで食べているので顔がよく見えない。




 だが1つ分かることがある。この服装に見覚えがある。見間違えるはずはない。何ヵ月か前には俺も同じだった。この子は…




 奴隷だ




「あのさ…」



「ひぃ‼食べ物のことは謝ります。どうか許してください…ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさい!もう叩かないで!」



 声をかけただけでこのビビリよう、精神的におかしくなり始めているな。普通の奴隷市場はどんな扱いをうけているのかは分からないが…この様子だと相当酷い目にあったんだらうな。




「大丈夫だから…俺はお前に酷いことしないから安心しろ…」




 近づき抱き寄せる。女の子は花の匂いがすると言われるがこの子からは汗と泥、そして少しの血の匂いがした。身体を見ると足首に枷がついており無理やり鎖を引きちぎったせいで、肉が抉れ血が出ていた。


余りの傷口の酷さに顔をしかめる…






「やめて‼もうぶたないで‼やぁぁぁぁぁ‼」



 ジタバタと暴れはじめる。それをあやすように抱きしめ動きをとめる。泣いている子供によく使う手だがこれくらいの年頃の少女に効果はあるのだろうか…


「ガァァァァ‼アグゥゥゥゥ‼‼」


いきなり野生に目覚めたかのやうに俺の肩に噛みついてくる。普通の人間であれば肩の肉を抉られているほどの力だ。



 効果はありませんでした。悪化するので皆も気を付けよう‼


 肩に噛みつきながら必死に抵抗している少女の頭に手をおく。



「落ち着け…大丈夫だから…大丈夫だここにはお前を殴るような人間はいないよ…安心しろ…ゆっくり休め…」




 撫でながら優しく声をかける。この子は今、他人を信用できなくなっているんだ。俺が敵ではないことを教えなければ…





「ガルゥゥゥ‼ルゥゥゥ…ゥゥ…ゥ‥‥‥」



落ちついたようで眠ってしまったようだ。



「どうなってんだか…この子ボロボロだな…はぁ また厄介事か…こんな場所だと落ち着かんな…ちゃんとした場所に寝かせるか…」


 テントをはり少女を中に寝かす。さてどうしたらものか…先ずは足の傷を見ようかな。


「うぇ…これは酷ぇ傷口から膿が出始めてるな…早く治療しないと腐っちまうぞこれ…」


 すでに黒く変色し始めているその足はあと数日放っておけば使い物にならなくなっているだろう。


「回復したばかりなんだけどな…」



 回復魔法を唱える。光のサークルを足に集中させると…みるみるうちに肉が修復され元に戻りはじめる。


「回復魔法だけは一級品なんだよな…」




 先ほどまでは青白かった顔も生気を取り戻してきている。汚さのせいであまり目立たないが整った顔をしているな髪も銀と黒が混ざったセミロングでとても美しい泥で汚れているなが勿体ない…綺麗にしてみるか!




 早速、水と火の混合魔法でお湯を作り出し容器にいれる。タオルを容器に漬け込み軽く顔を湿らせたあと肌を傷つけぬよう綺麗に拭き取る。髪もお湯ですすぎマッサージするように綺麗に洗い流す。すると……


「めちゃくちゃ可愛いじゃん‼まつ毛長!唇綺麗!芸能人でもこんな可愛い子見たことねぇよ!」




「うぅ…うん?キャア‼」


少女が目を覚ました。



キョロキョロとしばらく回りを見渡したあと自分の状況を理解したようで俺にお礼を言ってきた。


「このたびは誠にありがとうございました。あのような無礼な態度をとった見ず知らずの私を助けてくださるなんて…なんとお礼をしたら良いのか…」


「別にお礼なんていらないよ。そんなつもりで助けたわけじゃないし。綺麗な顔をみれただけでも充分さ…」


こんなセリフを日本で言えば「キモっ!」とか言われそうだな…ヤバイこの発言、取り消したくなってきた。


「そ…そんな!…綺麗だなんて!」



皆さん朗報ですよ‼異世界ではキザなセリフも効果は抜群みたいですよ‼是非ためしてみてね!



「あれ?足が痛くない……治ってる!?」



今気がついたのか…案外抜けてるなこの子……天然いいね‼


「それなら傷口が化膿して酷かったから治しておいたよ。」


「食事だけではなく治療まで!?これはもう何でお礼をしたら良いのか……」


「いやいや!お礼なんて本当にいらないから!」


「………このような汚い身なりで申し訳ないのですが………でも安心してください!わたし経験ないですから!あっ!…あの出来れば優しくしてくださいね?」


「君俺の話聞いてる?大丈夫だからね!?落ちつこうか‼今は冷静さを失っているだけなんだ!いいね?早まるんじゃないぞ?」


やばいぞ!この子からは色んな意味で危険なにおいがする…



「何でですか!遠慮しなくていいですよ!私上手くやってみせますから‼」


「いやいや!初めてはもっと大切にしないとね? ね?」


「あれですか!?こんな汚い奴隷女は抱けないって言うんですか!?ねえ‼ねえ‼」


「めんどくせぇぇぇ‼ヤバイよとんでもない奴助けちまったよぉぉぉぉぉ‼」



少女が物凄いスピードで馬乗りになってくる。



「安心してください‼絶対に良くしてあげますから‼天井のシミを数えてる間に終わりますから‼」




「おいおいおい‼人の話を聞けぇぇ‼てか力強‼どこにこんな力が‼さっきまで瀕死だったやつとは思えねぇぇ!」


ヤバイ‼こんか形で童貞を失うのは嫌だ‼


「いやぁぁぁぁだぁぁぁぁ」


夕暮れ時に1つのテントから悲しい悲鳴があげられた

チョロイン?

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