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第27話 ラピスとラズリの誘拐事件簿‼ 犯人はお前だ‼ その4

ちゃんと考えて書かなきゃ……



書いてから展開を考えるのは難しいです。

「うおぉぉぉぉぉぉ‼」


二人組の元へ走り大男にタックルをする。重心を低くして両足のズボンの裾を掴み体重を加えるようにして前に倒す。この技は諸刃刈りといって路上最強と言われる柔道でも禁止技とされている危険な技だ。


ゴォンッ!


頭部が地面にぶつかる鈍い音がする。だがこれだけでは終わらない。倒れた勢いで相手の上半身まで身体を移動させる。あお向けになった相手の腰を両足で抱え込むようにして馬乗りになる。


マウントポジションだ。


とにかくそこからは力の限り殴り続けた。まるでラズリの受けた痛みを少しでも返すかのように。


殴るときは相手の戦意をなるべく削ぐように眼底にあて指を目に捩じ込む。


この状態になればいくら体格さがあろうと中々脱出することは出来ないだろう。ただし……それは相手が1人の場合である。


「この野郎‼」


ガッ


「グッ!」


二人目の男から背中に蹴りをくらいおもわず声がでる。大男の身体から引き剥がされ地面に転がる。



クソ‼正直まだ殴り足りないのだがラズリの痛みの1割くらいは返せただろう。


立ち上がろうと顔をあげると目の前に息をきらし、右目をおさえる大男が立っていた。


「この、 はぁ 男は、 はぁ 、 俺が殺す‼ はぁ はぁ手足切り落として、 はぁ はぁ 拷問したあと はぁ 生まれてきたことを後悔させてやるよぉ‼ 手ぇだぁすなぁぁぁ‼‼」


ガン


大男が俺の顎を蹴りあげる。俺は後転するようにして起き上がる。


「がぁぁぁ‼」


叫びながら飛びかかる。大男の拳に怯むことなくお互いに殴りあう。俺にダメージはない。このまま持久戦に持ち込めば勝てない勝負ではない。 いや!こいつには負けたくない‼


蹴られても、殴り倒されてもまるでゾンビのように起き上がる目の前の男にもはや恐怖すら覚え始める。


「何だぁ? あいつ? 相棒にあれだけ殴られて無事だとかありえない…」


無呼吸で殴り続ける。リーチさがあるせいで俺の攻撃より大男の攻撃がよく当たる。大きく腕を振りかぶり視力を失った右目側を殴る。大男の顎に拳が当たりよろめく、チャンスだ。


実戦では1度も使ったことはない。あまりにも危険で仲間がいる場所では使えない。



「ウォォォォォ‼」


叫ぶ。


大男にむかって今自分が打てる一番の攻撃を放つために。


両手を合わせあるものを精製する。大男の鳩尾に両手の手ひらをあてる。その瞬間 バァン‼ と空気が破裂した。その瞬間、お互い壁に叩きつけられる。あまりの衝撃に小屋の中はめちゃめちゃにあれていた。もう1人の男も爆発に巻き込まれ気絶している。


勝った…… この技はウラド先生の為に使う予定であったとっておきの技だ。 簡単に説明すると風魔法と火魔法を組み合わせ爆発を起こした。


両手をあわせその中に火をつける空気を漏らさぬようきをつけその中に可燃性の一酸化炭素を溜める。鳩尾に手をあてた瞬間、熱された一酸化炭素に風魔法で大量の酸素を取り込む。それが化学反応をおこし爆発を巻きおこす。



至近距離から爆発をおこすのだ。打つものも、くらうものもただじゃすまない。俺の防御力がないと実現できないまさに諸刃の剣なのだ。

このような密閉空間で行うのはラズリも巻き込まれてしまうので1人でないと使えない技なのだ。


俺は異世界にきて初めて勝負に勝った。


「アアアアア!」


勝利の雄叫びを叫ぶ。


あとはラビスの元にむかうだけだ。回復していたとは言っても少ない魔力では1日1発が限界だ。



「待ってろラズリ!今行くぞ」


歩きだす。あの子のもとへと。




ガッ!



「うっ」



だが俺は1つのあやまちをおかしていた。俺は決めつけていたんだ。この男達は二人しかいないと、仲間などいるはずもないと。


「おいおい…どうなってんだ?」


「こいつ等は何で床に転がってる?」



仲間があと二人もいやがった…



細長いボサボサ頭の男の脇には気絶してぐったりしているラズリがいた。


「ラズリィィィ‼ くそ! くそ‼ はなしやがれぇぇ‼」


ちくしょう…力が入らねぇ…


「チッ! 取引まで時間がねぇぞ? こいつ等に構ってる暇ァねぇ行くぞ。」


ラズリが連れて行かれる。俺は這いずりながら男達を追いかける。


「ちくしょう いかせるかよ…立てよ‼ ここで立てなきゃ! 俺は! ここで‼ やらないでいつやるんだよ‼」


最後の力を振り絞り立ち上がる。


もうラズリは馬車に乗せられており出発の瞬間になっていた。


走る 。 全力で踏み込み、馬車へと走る。そんな俺を嘲笑うかのように馬車は走り出す。「間に合え…」馬車に飛びつき馬車の後方にある取手につかまる。引きずられながも絶対に離すことはない。



だが…



「おいおい! てめぇ何勝手掴まってんだよ? この馬車はな‼ もう重量オーバーなんだよ‼」



俺の手を蹴り落とす。


ガッ!




「グッ!」




「クソォォォォォォォォ‼‼」


馬車が遠ざかっていく。



ドォォォォン‼


地割れがおこる。


何か巨大な物が地面に落ちたのだ。


目を開くと俺が異世界で出会った中でも一番強く、誇り高い男がいた。



「安心せい‼」



聞き覚えのある声が聞こえる。…あぁ良かった…


あいつはちゃんと屋敷に戻れたのか…ありがとう…ラピス。



「ワシがきた‼」


俺の目の前には……


「貴様ら‼ 五体満足で帰れると思うなよ‼‼ 」






最強の孫バカが立っていた………

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