表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
26/53

第25話 ラピスとラズリの誘拐事件簿! 犯人はお前だ その2

あれから数十キロほど進んだ。あの男達は俺のことなど覚えておらず只の使用人だと思い口封じの為さらったらしい。


「こんな奴拐ってきやがって‼」


「まぁ~…またコロシアムにでもながせば金になるだろ?」


「チッ!またかよ…」


あっ!デジャブだ‼



あれだけのことをして覚えていないとか…!

この野郎‼


飛びかかってやろうとしたが抵抗する暇もなく俺は手足をロープで縛られる。固く縛りすぎて動かすことが出来ない。


くそ‼ラズリはどうなっている?


ラズリの方を見ると。


「離しなさい!この無礼者‼」


メチャクチャ暴れていた。あぁ~…元気でなによりですね‼

大男はラズリの腕を押さえつけるように上から被さる。


「大人しくしやがれこの‼ウゴォ!」


暴れていたラズリの足が直撃する。メチャクチャに暴れていただけなので威力はないのだがラズリの一撃はやはりかなりきいたようだ。


ざまぁみろ‼





「イテェな‼」


ガッ‼


「きゃ!」


ラズリの顔めがけて容赦なく蹴りを放つ。それも一撃だけではない。何発も殴る蹴るを繰り返す。

「このやろ‼貴族の‼娘だからって‼お高くとまりやがって‼この‼この‼」


まじかよ‼


「おい‼相手は子供だぞ!?やめろ‼」


ラズリの抵抗する様子がなくなっていく。

まずい!このままではラズリが死んでまう‼

なんとかして奴の注意をそらさなければ…


「てめぇ‼それでも男かよ‼抵抗できねぇ子供しか殴ることができねぇのか‼この玉なしが!」



「なんだとぉ‼この糞ガキ‼」


標的が俺にかわり今度は俺を殴り始める。


安い挑発に引っかってくれた。


『こいつが馬鹿で助かった。それよりラズリは大丈夫か?』


ラズリの方を見るとそれは酷い有り様であった。白く綺麗な顔が腫れていて鼻と口から血が出ていた。


「コヒュー コヒュー ゲホッゲホッ!」


これはまずい‼


医者ではないがこれがヤバイ状態であることくらいは俺にも分かる。

早く治療しなければ‼


「おとなしくしてろよ‼ 次に騒がしくしたら殺すぞ?」


男が奥の運転席に跳び移る。



‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

「何かデケェ音がしたけど殺してねぇだろうな?」


「安心しろぉ、ちょっと大人しくしてもらう為に殴っただけだ」


「馬鹿かてめぇ‼商品の価値がさがったらどうすんだ‼」


‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

男達の会話が聞こえる。


早く治療を‼


俺は芋虫のようにラズリに近づく。


「コヒュー ヒュー ユー ……」


ラズリの呼吸が弱くなる。そして今止まった



光の精霊よ…(ボソボソ


彼の者の傷を癒やしたまえ(ボソボソ


俺に出来る精一杯の回復魔法をかける。この魔法に俺の全魔力を注ぐ。


「ラズリ…お願いだ息をしろ…!」


光のサークルがラズリをつつむ。


顔色は良くなるが呼吸がもどらない


火魔法で手の縄を焼ききる。

「熱ゥ‼ ラズリ…!息をしろ…」


光の精霊よ‼


回復魔法をこれでもかとかけなおす。


ラズリの胸に耳をあてる。

良かった‼ 心臓はまだ動いている‼

まだ助かる‼


学校で昔習った緊急時の治療を行う。


「人工呼吸か…ゴメンなラズリ…あとで謝るよ」



額に手をあてる。もう片方の手で顎を引き上げ、気道を確保する。鼻を押さえて口をつつむようにして息を吹き込む。これを数回繰り返す。


「ラズリ…戻ってこい‼ お前が死んだらラピスはどうなる‼」


人工呼吸を繰り返す。


「ゲホッゲホッ‼ はぁはぁ!」


肺にたまっていたであろう血を吐き出す。よかった…

最後にもう一度回復魔法を全力でかける。


「女の子の顔に傷がのこっちゃダメだもんな…」


意識が朦朧としてくる。きっと魔力を使い過ぎたんだ…


「ラズリ…」


俺の意識はここから闇に落ちる。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ