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第23話 仲良くなろう

ラピスとラズリは10才くらいです。

自室にもどり明日の準備をする。あの子達には愛されているということの証明が必要だ。だが親の代わりになることは出来ない。どう頑張ろうが俺はあの二人にとって他人なのだから。


あの子達の事を考えていると自分が情けなくなる。子供が自分から寂しいと言えるだろうか、あの子達が同年代の友達と遊んでいるところを見たことがあっただろうか、イタズラと言うことでしかあの子達は自分を主張することが出来ないのだ。


子供の考えを理解することは難しい、だがこちらから歩み寄らなければ永遠に理解することが出来ないだろう。様々な感情が入り交じる中、俺は結局一睡もすることが出来なかった。



チチチチッ!


鳥の鳴き声が聞こえる。


「もう朝か…」

ベットから起きあがろうとすると2つの声が聞こえる。声の主は分かりきっているのだが…。



「声を出してはダメよラズリ」


「分かっているわラピス」


音を殺すようにして部屋に入ってくる。

薄目をしながら二人の様子を確認してみると、二人で力を合わせるようにして大量の水の入った巨大な桶をもっていた。湯気が出ていると言うことは水てはなく熱湯なのだろう。

熱湯をかけられても平気だ。只いくら防御力が高くてもある一定の温度などは感じるようになっている。平気だが熱いものは熱い。

こいつら最近俺の弱点を分かってきてやがるな。


いくら考えても頭の悪い俺には限界がある。今俺に出来ることとは……



「「せーの‼」」


バシャ‼


「ゴボボボッ!ぶぁ!熱っ!」


「「キャハハハハ♪」」


「この馬鹿共‼今日こそ成敗してくれる‼」


「「にげろーー♪」」


この子達と真剣に向き合うことだ。








早速作戦を考える。


「先ずはウラドだな…」


朝の仕事を軽く終わらせたあとにウラドとの訓練がはじまる。


「ウラド先生‼お願いがあります。あの二人との時間を増やして貰っても良いでしょうか?」


いきなり予想外の事を言われたのかウラドが面を食らっている。そんなに意外か?


「ウラド先生?」


「おぉっ!まぁ少し驚いての‼お主はあの子達の事を嫌っていると思っておったから!」


気づいてたのか…まぁ嫌いと言うほどではなかったのだが、やはりこいつあなどれん‼


「まぁ少し思うところがありまして…」


「そうか…なるほどの…」


何か考えている。


「よい‼自由にするがよい‼今日の訓練は早めにあがっても良いぞ‼」


「ありがとうございます‼」


礼したあと準備の為に走り出す。


子供と仲良くなる為にはまず興味を引くことだ。この世界にないあれをつくろう。

ここにきて初めて異世界人としての知識が役に立つ。



料理長のアズモンドに話を聞こう。


「ふむふむ、なるほどラピス樣ラズリ樣の好きな食べ物ですか…やはりアッパルですかな…」


ここにきてまさかの伏線がアッパルかよ‼


まぁ良いだろう。情報は得た。


これから材料集めだ。

ノエル先輩に頼み、一緒に町へと買い物に出かける。材料はミルク、卵、アッパル、バター、小麦粉、砂糖、生クリームこの七つだ。


しかしここで問題が発生する。この異世界においてバターと生クリームをつくる技術が存在していなかったと言うことだ。


まさかこんなことでつまずくとは…。落ち着け…まだ終わりじゃない。無ければ作ればいいんだ。



俺は屋敷に戻ると足りない材料を作り始める。


先ずは生クリームだ。生クリームを一から作る方法を知っている人は意外と少ない。


生クリームは、遠心分離機で牛乳の乳脂肪分を分離させて作りだす。

さらに、水分を調節したりさまざまな工程と、大量の牛乳が必要になる。


そこで水魔法を応用する。


俺はウラド先生の訓練のおかげで水、火、風、の三種類の魔法を新たに習得していた。それまでの道のりは最悪であった。

ウラド先生が狩ってきた魔物の心臓を食べされられたり。ぶっ倒れるまで魔法を使わされ、回復したらまたぶっ倒れるまで魔法をつかい続ける。そして最後はウラド先生と実戦魔法の訓練だ。

防御力だけでは防ぐことのできない俺の弱点をつくウラドの魔法は非常に勉強になった。


威力は強くないのだがウラド先生いわく「お主は魔法の才能はないが器用じゃのう…」と感心される程であった。


まずミルクを水魔法で操る。高速回転をくわえミルクの中にある乳脂肪成分を取り出すことに成功する。何回も失敗し大量のミルクを消費してしまった。


生クリームを作ることが出来ればバターを作ることは簡単だ。生クリームと塩を少々混ぜ合わせひたすら容器の中に入れてふり続ける。


材料が完成する頃にはもうお昼時になっていた。

「やっと入り口に立つことができた…もう一息だ!」


必死の形相で作業に取りかかる。


すると「「何をしているのかしら?」」後ろもら天使のような笑顔をした悪魔二人が近づいてくる。

ヤバイ…ここで奴等にバレては全てが水の泡だ。


こうなることを予想していなかった自分の計画性の無さに呆れていると。


「ラピス様、ラズリ様。ウラド様がお呼びです。」


とノエル先輩が助け舟を出してくれた。


ナイス‼ノエル先輩‼愛してる~!

やっぱり出来る女は違うね‼


ノエル先輩が俺の方をみて少し笑う。

あぁ…この気持ちもしかして…恋‼??


さてバカなことばかり考えていないで作業に戻ろう。


小麦粉と卵を混ぜ合わせ卵白で作っておいたメレンゲをまぜる。

生地が完成すると四角に刻んだアッパルを入れ専用の容器に移したあと釜戸で焼き上げる。火魔法での温度調整に気を抜かず慎重に作業する。

ふっくらと焼き上がったスポンジ生地に生クリームで作りだしたホイップクリームを満遍なく塗り、仕上げにアッパルのコンポートを綺麗に敷き詰めれば完成だ。



「できた…」

やっと完成したよ。何て長い道のりだ。見ろよこれなんて芸術的なんだろう。

つかれた…もう夕方か…


さてあいつ等のいる所へいこう。



食堂へ向かうが何か慌ただしい。皆の慌てようが普通じゃない。一瞬あいつ等の顔が思い浮かぶが考えないようにする。この異世界に来てから俺の嫌な予感はハズレた事がない。


「何があった?」


使用人の一人に聞いてみる。


「大変だ‼ラピス様とラズリ様が何者かに拐われた‼」





ほら当たっただろ?


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