第20話 ウラド先生の異世界講座
萌え要素必要かな?
必要と言われても書けないんですけどね‼
ウラドと向かい合うような形で席につく。
「うむ‼先ずはこの世界について説明しよう‼」
「はい先生‼」
元気よく返事をする。
「この世界の名はニビルアースと呼ばれている。大陸は6つにわかれており、魔大陸、天大陸、獣大陸、海大陸、獄大陸、地大陸となっておる。ワシらがおるのが人族を中心とする地大陸じゃ‼」
「それぞれの大陸に様々な種族がすんでおる。魔大陸には魔族、天大陸には天人族、獣大陸には獣人族、海大陸には海人族、獄大陸にはワシにも分からん何かがすんでおる。」
「獄大陸だけは誰も入ることを許されない。大昔から入るものを拒絶するのじゃ、今まで何人もの冒険者があの大陸に入ろうとしたがほとんどの者は帰ってこれなんだ。帰って来た者は皆笑ったり泣いたりすることもなく、空を見上げボーっとするだけの廃人になっていたらしい。」
「噂によれば獄大陸の魔王の城があるとかないとか…」
ニヤニヤしながら俺を見る
「先生‼」
「なんじゃ?質問か?」
「恐い話は苦手です‼」
その言葉に対して目を見開いて驚いたようなリアクションをする。
「ガハハハ‼‼確かに‼恐い話はワシも苦手じゃ‼だが安心せい!もう辛気くさい話はせんわい!さて続きじゃ!」
「魔大陸とはその名のとおり魔法の大陸じゃ。見た目は人族とほとんど変わらんが魔族が一番強力な魔法を使うことができる。お主も勇者なら少しくらい魔法がつかえるだろ?」
「先生‼魔法の存在を今初めて知りました‼」
「ガハハハ‼お主‼本当に勇者か?今までみた勇者でお主が一番面白いワイ‼」
恥ずかしい…俺だって好きで勇者になったわけではないのだ。あのクソ王はなんの説明もしてくれないし、異世界に来てそうそう奴隷になるし…生きることに必死で勉強の機会なんてなかったんだよ…
「まぁ簡単な魔法くらいならワシにも教えられるがな‼後日教えてやろう‼」
「よろしくお願いします‼」
マジか‼ウラド樣大好き‼
最初にホモ扱いしてゴメンな‼
「話の続きをしよう‼」
「天大陸に住む天人族は空にある島に住んでおる。なので天大陸の正確な位置を分かるものは誰もおらず地図にも書いておらん‼非常に警戒心の強い種族であるため人の前に姿を現すこともここ数百年ない‼ワシも1度だけしか見れなかったわ‼」
「それでも見れたんですね‼凄いです‼先生‼」
「天人族一人一人この世のものとは思えんほど美しく、そして強い種族であった‼‼」
それほど美しいなら男としては是非見てみたいな……イヤやましい意味とかないからね?
「あの時はワシも若かったわい…天大陸にどうにか侵入したわ良いものの気が付いた天人族に半殺しにされたの‼命からがら逃げ帰ったものよ‼ガハハハ‼‼懐かしいの~‼」
うん‼別に会わなくてもいいや‼
「さて話を戻そうか‼」
「獣大陸は獣人族が住んでおる‼こやつ等は物理など無視したとてつもない身体能力をもっておる‼しかも1つの種類ではなく何百種類も存在しており種族ごとに能力も変わってくる。実際に1つの種類を見たことがあるがそやつ等は空気を蹴って移動ができとった‼とてつもない脚力じゃたわい‼もう一度闘いたいの…。」
何かを懐かしむ目で遠くを見ている…やっぱり闘ったんすね…
「海大陸は字の通り海の中にある‼海人族は基本海の中に住んでおる。友好的な種族じゃが彼らを怒らせてはならん‼彼らを怒らせたら国が1つ滅びるとも言われておる‼これだけは言っておくぞ絶対に怒らせるな‼」
睨みをきかせて俺に忠告してくる。
「最後に地大陸じゃ‼まぁ見ての通り危険性もそこまでないそこそこ平和な大陸じゃ‼魔物もそこまで強い個体などおらんし、よほどのバカをしない限り死なんじゃろう。」
「さて質問はあるか?」
「先生‼どうして先生は僕を勇者だと見破れたのですかー?」
俺はずっと気になっていた質問をぶつける。
「ガハハハ‼そうじゃったのう!説明を忘れておったわい!まず人族にも実は種類がある。これは一部の者しか知らんことなので簡単に話すなよ‼」
仁王のような眼力でにらむ。
「yes boss‼」
「よく分からん返事をするのー?まぁよいか」
良いのかよ‼
「まずお主等のような普通の人間は人種と呼ばれる。人種は寿命も短い、生きれても60年から80年の間くらいじゃろう。だがワシらは違う。ワシらは人の血を吸って生きる吸血種じゃ。普通の人間とは違い力も強く身体も頑丈じゃ。いくつもの特殊な力を持っておる。お主がワシのステータスをみれなかったのもそれのせいじゃ。そして寿命と呼ばれるものはワシらには存在せん。だかほとんどの者は永遠の時に耐えられず自害するのでワシほど長く生きるものは珍しいがの…」
何かを思い出だしたかのように話す…
ウラドの哀愁に満ちた表情を見たのは初めてであった。
「そして何故お主を勇者と見破ることが出来たかについてじゃが…それは……」
「それは?」
勿体ぶるなよ‼早く教えてくれ‼
「教えん‼」
「教えてくれないのかよ‼‼」
クソジジィ‼
「ガハハハ‼まぁそう怒るな‼今日はこの辺でよいじゃろう?もう遅い。部屋で休むがよい‼」
「ガハハハハハハ‼‼‼」
大きな声で笑いながら書斎から出ていくウラド
「まぁこの世界について結構教えてもらったし…聞く機会なんていつでもあるだろう。」
そう思って書斎から出ようと扉に手をかける。
「よいしょ」
ん?
「ふん!」
あれ?
「オオオオオオ‼」
どれだけ力を込めようが一ミリも扉は開かない。
「でれねぇーーーー‼」
防音機能もしっかりとしており俺の悲しい叫びは誰にも届くことなく朝をむかえることになるのであった。




