第19話 学びましょう
眠すぎて意識もうろうの中書いていると誤字脱字が多いな…
予想していた言葉とは180度違う言葉が飛び込んでくる。
「今日から貴様にはワシの孫であるラピスとラズリの世話係をしてもらう‼」
もっとキツイことをやらされるのかと思っていたので拍子抜けだな…。俺は二人に近づき自己紹介する。
「俺の名前は 中尾 耀 よろしくな」
にかっと笑い双子の頭を撫でようとすると…
「まぁ聞いた?ラズリ、テルですって」「聞いた?ラピス、テルですって」
二人は声を合わせて言う
「「変な名前ね~」」
俺は大抵のことなら寛大な心で許すことが出来るのだが名前を馬鹿にされることだけは許す訳にはいかないのだ。
「なんだとこの糞ガキ‼」
「「きゃーー♪」」
逃げる二人を追いかける。
「ガハハハ‼‼早速仲良くなりおったな‼‼やはりお前を選らんで正解じゃわい‼‼」
広い屋敷の玄関ホールを走りまわる。そしてついに双子の一人であるラズリを捕まえると。
「しゃー!捕まえたぞ‼大人をからかうとどうなるか目にものを見せてやる‼」
まわりの使用人が慌ただしい。
「なんてことを!」「悪いことは言わない放した方がいい」「放しなさい‼」 「ダメだ‼逃げろ」「やめた方がいい‼」
ウラドの孫だからといって気を使いすぎだろ…そんなんだからこんな失礼なガキになるんだ。
「…なさい」
「ん?」
「放しなさい‼‼」
ラピスからビンタがとんでくる。
シューーー!
手から風をきるようなとんでもない音がしている。
ラピスのビンタが当たった瞬間、まるで格闘マンガのような動きをして床を平行移動しながら数メートル先に飛んでいく。
壁にめり込みまるで現代アートのようになった俺を見てまわりの使用人達はため息を吐きながら近づいてくる。
「これで何人目だ…」「今までの最速記録じゃないか…」「あぁ可哀想に」「生きてさえいれば治してあげれるのだがこれではもう…」
哀れみの声が聞こえる。どうやら俺はもう死んだと思われているらしい。壁に上半身がめり込んでいるせいで身動きがまったくとれない。
するとウラドが近づいてきて俺の足をつかむ。
「安心せい‼今回は特別製じゃわい‼」
そして綱引きのように俺の身体を引き抜く。
引き抜かれ逆さまになった状態で叫ぶ。
「なにが世話係だ‼生け贄の間違いじゃないのか!?俺じゃなきゃ絶体に死んでたぞ?この糞じじぃ何が世話係だ‼訴えてやる!誰か弁護士を呼べ!」
「ガハハハ‼‼まあそう怒るな‼生きているではなきか‼その様子だと安心してこの子達を任せれそうだ‼」
使用人達があまりの出来事に目を丸くして俺を見ている。
ラピスとラズリも驚きの表情を隠せない。
「「スゴーイ‼」」
「ねぇねぇテルテル‼なんでなんで?絶対動けないと思ったのに‼」
「凄いわ‼お爺様‼素敵なプレゼントをありがとう♪」
「ガハハハ‼‼やはりお前を選らんで正解じゃったわい‼‼」
くしゃくしゃの笑顔で喜ぶウラド。完全に孫達に骨抜きにされている。
この孫馬鹿が‼
「さぁて今からお前には奴隷ではなくこの屋敷の使用人になってもらう‼おもにこの子達の世話が中心じゃが他にも仕事があるから安心せい‼」
うぇ……マジでコイツらの世話を?子供は好きだがあんな漫画世界のような経験は2度と御免だ…。
「そんなに嬉しそうな顔をするな‼‼照れるであろう‼」
バシィン‼
背中を叩かれる‼
馬鹿野郎‼嬉しいんじゃねぇよ‼
嫌そうな顔してんだよ‼俺は‼‼
流石に使用人達も苦笑いしている。やはり俺の異世界生活は間違いだらけだ…。
これなら奴隷のほうがまだましだったかもしれない。
「さて‼‼今日は疲れたであろう‼‼皆休むがいい‼‼」
それぞれの使用人がお辞儀をしてその場を立ち去る。
俺も使用人のあとについていこうとすると…
「貴様には話しがある‼ワシの書斎にくるように‼‼」
ふぇーん!もう疲れたよ~
僕休みたいよ~
「はーい…」
書斎へと向かうためウラドの後ろについていく。
五メートルはあろう重厚な扉の前に立つとウラドはまるで力を入れる様子もなく扉をあける。
一体なんキロあるんだこの扉?
その扉の先にはまるで国立図書館のようなスペース本がビッチリと敷き詰められていた。本の他にも美術的な像や高そうな壺などがそこらじゅうに置いてある。
スゲー‼
あまりの景色に圧巻されていると、その様子を見てウラド嬉そうに俺に話しかける。
「ガハハハ‼凄いであろう?ワシが長年の時をかけて集めた至高の品ばかりだ。」
なんだ自慢したかっただけか?確かに凄いとおもってしまったが何だか悔しいな。
「それで俺は何でこんな所に連れて来られたんですか?」
「ああ~そうじゃった‼目的を忘れるとこじゃったわい‼」
忘れるなよ!自由なやつだな…
「この世界について右も左も分からぬ貴様にワシが勉強する機会をやろうと思ってな‼感謝するがよい‼‼」
これは好都合だ。この世界について俺は知らないことが多すぎる。この機会を逃すわけにはいかないだろう。
「お願いいたします先生‼」
「うむ‼よい心がけじゃ‼心して聞くがよい‼‼」
こうして俺ははじめて異世界について学ぶのであった。




