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第18話 新就職先

新章突入です(*`・ω・)ゞ



 時速60キロ程の速度で馬車が走る。



 あれから半日ほどずっと俺はこの筋肉ダルマことウラド・ツェペッシュ侯爵と一緒の空間に閉じ込められている。

 気まずい…会話がない。何か話さなければ…。


「あの~」


「何だ‼‼」

 ウラド侯爵がバカデカイ声で返事をする。


……バカか!お前は‼


 こんな狭い空間でデカイ声を出すな‼

 鼓膜が破れるかと思った。


 とりあえず質問だ。


「俺って何の為に買われたんですか?」


 今俺が一番気になる質問をぶつけてみる。


「教えん‼‼」

 仁王像のような睨みをきかした顔で叫ぶ。


 断られた…何故だ。また嫌な予感がする。絶対にとてつもない事をやらされるような気がする。

 俺って一応勇者の筈なんだけどな…てか最近まで自分が勇者であることすら忘れていた。

 他の勇者達は魔王討伐とかしてるのかな?その辺の事情には完璧に置き去りにされている。


「それはついてからのお楽しみと言うやつじゃ‼‼」


 ウゼェ~このジジィ無駄にサプライズ企んでやがるのか…。


 暇すぎる………


そうだ‼ステータスを見よう!


早速心の中で<ステータスオープン>と唱える。


ウラド・ツェペッシュ 657歳 NO DATA


体力 NO DATA

魔力 NO DATA

力 NO DATA

防御 NO DATA

すばやさ NO DATA

器用 NO DATA

運 NO DATA


スキル NO DATA



どういうことーー?


年齢しか分からんて…しかも657歳とか絶対バグってるだろ


ウラド侯爵が俺の事を見ながら笑う。


「ガハハハ‼‼見えんだろ‼‼」


 バレてる。何故だ……今までステータスを覗いてばれたことなど1度もなかったのだが



「えっ!何でわかんの?」


 我慢できず敬語すら忘れて声を出してしまう。

 まずステータスに見たことのない表記が見える。こいつやはり只の人間ではないな。


「貴様‼もしやとは思っていたがやはり勇者か‼‼勇者とは200年ほど前に闘ったがあれは最高じゃったわい‼」


 表記ミスではないようだ…


「ワシはちょっと特殊な人種でな‼この世界について疎いお前には教えることが多そうだ‼屋敷に着いてからいろいろ教えてやろう‼」


 まず展開についていけない…話を勝手に進めるな‼


「はい…」


 押しに弱い自分をぶん殴りたい…。


「さぁ‼着いたぞ‼我が屋敷だ‼‼」


 ウラド屋敷が見えてくる。


 この距離からでもわかる…巨大な屋敷が…



 まるで西洋の映画に出てくる王族の城のようだ。庭も綺麗に整備されておりこの屋敷の使用人の質の良さがみられる。

 綺麗な城なのだが夜に見ると不気味な雰囲気が強く近づき難い空気を放っている。


「さぁ‼中に入るがよい‼‼」


 門がギチギチと音を立てて開く。


「先ずはお前の仕事について説明しようか‼‼」


 どんな事を言われるのか…この異世界に来て大抵のことには馴れた。今なら何を言われても驚かない自信がある。


さぁ! ばっちこーーい‼



トテトテトテ


と音をたてて身構える俺の後ろを2つの小さな影が通りぬける。


「「お爺様ー‼」」


2つの影の正体は小さな女の子たちだった。


「ガハハハ‼‼良い子にしておったか?さぁ土産品を買ってきたぞ‼」


「「うん良い子にしてた。お爺様だぁーい好き‼」」


「そうかそうか可愛いのーー‼」


 完璧にまた置いてきぼりだ…。この双子の姉妹はウラドの孫なのか…全然似てないな…。


「可愛い孫達よ‼あの小僧に自己紹介してやるがよい‼」


「「はーい」」

 1秒も狂うことなく二人の声が揃う。


「じゃあ最初は私から!こんばんはお兄さん、私の名前はラピス・ツェペッシュこれからよろしくね‼」


「次は私ね…こんばんはお兄さん、私の名前はラズリ・ツェペッシュ見ての通り双子の姉妹よ。」


 お互いの見分けがまったくつかない。違う点と言えば服ぐらいだ。無邪気な笑顔で飛び跳ねる二人。金髪のツインテールが鞭のように揺れている。


ラピスは黒のゴシック系の服を着ている。


ラズリは白のゴシック系の服を着ている。


 二人とも瞳の色はウラドのように燃える炎のような真っ赤な色をしている。この姉妹を見分ける方法は服ぐらいしかないな…。

 テンションにも若干の違いはあるがそれを考慮してもまったく

見分けがつかない。


 子供は好きな方なのだが危機関知センサーがこれ以上なきくらい警告音をならしている。


「今日から貴様はワシの孫であるラピスとラズリの世話係をしてもらう!!」



 俺の新就職先が決まりました。



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