ユニコーン
ラース領の魔王、サタンの所有する神聖種。
幽玄の風という、風の能力と自然要素集約能力、そして結界の能力を複合させた固有能力を持つ。
この能力は簡単に言えば、真空を作り出す効果を持つ。
風の能力で周囲の不安定な風を安定させ、自然要素集約能力で空気を含めた全ての存在要素を除外し、目に見えない程の薄い結界に真空を閉じ込める。
そうして出来た真空は、薄い結界を破壊すると爆発的な威力を持って近くにいる対象にダメージを与える。
まあつまり、真空を詰めた目に見えない爆弾を、周囲に設置して爆発させる能力なのだ。
可視化出来ない為、傍目からは風の能力と同じ切断攻撃を、しかも遠距離から行っているように見えるという訳だ。
風の能力は滞留するエネルギーによって切断を可能とするが、こちらはしっかりとした真空の現象によって切断を可能とする。
威力としては段違いだし、設置型爆弾兼浮遊する地雷みたいなものだから、応用性も高い。
自身は風の能力を操れる為、馬でありながら空も飛べる。
本来ユニコーンではなくペガサスと呼ぶべきなんだろうが、メスしか懐かない点が現世の伝説と酷似しているあたり、この名前が妥当だろう。
1代前の魔王はこれを使いこなせなかったが、現魔王は女性である為、使役に問題はない。
光の願望は浄化であり、その為に自身が神になることである。
高みを目指す者は傲慢だ。
傲慢であるが故に、高みを目指す。
純粋な穢れを持たない神聖種ではあるが、穢れを生み出す根源のようなモノはしっかりと持っている。
天使もまた同じだ。
それは何故か?
神は探究心を持っていた。
外への好奇心と可能性。
神ですらも傲慢だったのだ。
俺が求めた道はやはり、可能性の道である。
きっと俺も天使も悪魔もそんなに変わらない。
だって、同じ神様から分かたれた存在なんだから。




