インフェクション
グラトニー領の魔王、サタンの所有する神聖種。
最凶最悪の生物毒を使い、屋内戦で数多くの魔物や邪悪種を殺してきた殺戮者。
こいつの所持する能力は回復能力だけだが、ドミナス級にも匹敵する。
回復力と生命力は例えヴァネールが全力の炎を出しても、容易には殺せない程だ。
それに加え、コイツはスプリットタイプの魔物でもあり、無数に自身の体を分裂させることが出来る。
物理的な攻撃でコイツを仕留めるのは絶望的ってことだ。
攻撃方法は単純で、微生物程の大きさとなった自身の分裂体を対象の体内に口から入り込み、そして肉体を内側から攻撃して殺す。
いくら魔物や邪悪種と言ったって、内臓器官を直接破壊されれば、どんな強者だろうと死に至る。
さらに毒に耐性があっても、コイツの毒は厳密には微細な物理攻撃だから意味がない。
相手が物理に対して耐性を得ているスプリットタイプであろうとも関係ない。
攻撃範囲も絶大で、広大な結界で密室状態を作れば1つの領土全体に毒を撒き散らすことも可能だ。
こう説明しただけで、この神聖種が如何に凶悪かが理解出来るだろう。
ただし、屋内でしかコイツは分裂体を出したがらず、性格も気難しいらしい。
神聖種は光に触れ、記憶に触れる。
光が運ぶのは物質だけじゃない。
魂はもちろん、夢、記憶も連れて行く。
魔物や悪魔は闇の器の影響が強い為に記憶を受け付けないが、神聖種は違う。
穢れを落とした存在だからだ。
一方俺も光に触れて、どこかの誰かの記憶に触れたことがある。
混沌は闇の性質と光の性質を併せ持つ。
だからこそ、俺は光に優しさを感じたのだろう。
この混沌の性質は、人間の世界で魔法文明を発展させる要因にもなった。
多様性。
混じるということ。
それは穢れを生むが、それ以上に・・・




