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カイドウ
銀叉の種族。
銀の月の村で邪悪種を飼っていた老猫。
カイドウ自体に戦闘能力はないけど、代々継承されてきた邪悪種を操れるおかげで、村の守護神みたいな扱いを受けていた。
ただ、周りの猫達は触らぬ神に祟りなしと言わんばかりに、カイドウと接触することを避けていたらしい。
ずっと動くことも話すことも出来ず、寝たきりの父親を気にしていることが理由で、死が伴う継承の儀を延期していた。
だが父親の言葉を、俺を介して聞くことに成功する。
最後は邪悪種の次代継承の為、彼自身も納得して死んだ。
結果的に俺がカイドウを救ったとプラムは言っていたが、どうなのだろうか?
あの時からしばらくの間、俺がカイドウを殺したのではという疑問が渦巻いていた。
決まっていた死を、俺が後押ししたような気がして。
まあ、後からこれは俺の心の問題だったってことに気付くんだけど。
どうか、安らかに旅立っていてほしい。




