ロノウェ・エリカナ
ソロモン72柱、第14位。
通称、塵と狼煙の王。
白き分身という固有能力を使う、強大なる悪魔の1人。
この固有能力はスピーリトゥス級まで昇華させた水の能力を、限界まで細かく分散させ霧状にし、風の能力で姿形や質量を調整、人形の形にしている。
風の能力の影響で、人形にはエネルギーが常時渦巻いており、人形単体で物資流への干渉が可能になっている。
元々悪魔には心を読める力が備わっているから、力を駆使すれば直接敵を視認せずとも人形を遠距離から操ることが出来る。
風の能力と水の能力の配分を少しでも間違えれば、この固有能力は成立しなくなる。
なのに、彼女は白き分身を維持しながら自身も戦闘を行う。
1人で軍隊を率いるその様は、王の呼び名に相応しい姿であるという。
彼女もマリアさんに恩があって、俺に味方をしてくれた。
マリアさん本人からもロノウェと口に出して言っていることから、どうやらマリアさんが死ぬまで交友関係は続いていたようだ。
ラースと深淵での戦いも、彼女がいなければあっという間に俺達側がやられていたと思う。
72柱としての実力は本物だったってことだ。
武器は鉄扇を使うが、これはラースの騎士隊長が現世の武器から着想を得て作った物を、奪った物らしい。
という訳で、ラース側とは確執があり、長年近寄れなかったそうな。
かと言って、ラースに近付かなければマリアさんに借りを返すことも出来ず、しばらくの間悩んでいたらしい。
彼女とマリアさんは直接会えはしなかったが、ロノウェの意志はしっかりとマリアさんの願いに沿って力を発揮した。




