サフィー・レイジア・ウルファンス
ソロモン72柱第11位。
通称氷の女王と呼ばれる、強大な悪魔の1人。
氷の能力を扱う者の中で、最強の悪魔。
長年に渡り、魔具……千年雪を使ってレンド山脈を支配し続けた。
彼女の出すドミナス級の氷は、同級チャント以外の能力を全て凍てつかせる。
絶対零度近いその氷は、広範囲の土壌すら一瞬で凍土へ変えるのだ。
彼女は典型的な72柱入りの経緯があり、幼少から強い自我を獲得し、悪魔達から追放された。
彼女の強い自我が生み出した願望は、自分だけの家族と場所を作ること。
彼女はまず、家族を作った。
トレースの能力を使い、自身の遺伝子をどこかから攫ってきた悪魔の赤子に入れて。
それらは4人産まれ、その内の1人は遺伝子の負荷に耐え切れず死んでしまった。
残された娘達を守りながら、彼女は世界……現世への通行を願った。
ただ、彼女は自分の安心できる場所を作りたかっただけだ。
それだけだったのだ。
でも、それすら彼女の強大な力をもってしても叶わなかった。
娘達は死に、俺だけが生き残った。
彼女の願望がなければ、俺は生きてはいなかっただろう。
でも、俺に生き残ってほしかった訳じゃないはずだ。
こうやって世界は紡がれていく。
無慈悲にも。
彼女はその礎になってしまったのだ。




