ヴラド・ツゥエルズ・ヒリング
ソロモン72柱第5位。
別名、闇夜と黒霧に紛れし黒錠を持つ者。
ただ単に吸血王とも呼ばれる。
純粋な吸血鬼の王であり、現世へと渡ることに成功した越境者の1人。
現世ではヴラド3世と呼ばれ、串刺し公として粛清を行った偉人その人。
複数のスピーリトゥスとドミナス級能力を複合させた闇の能力を使い、この地獄の邪悪として恐れられた強大なる者。
残酷冷酷過酷な性格で、魔物も邪悪種も悪魔も等しく凄惨に殺してきた。
俺の使う闇夜黒剣と黒錠剣の製作者であり、本人は作った魔剣以上の強力な闇を行使することが出来る。
これ以上の闇を生み出せるのはダゴラスさんだけで、72柱としてヴラドが地獄で生きていた時代はマリアさんとダゴラスさんに粛清され、抑え込まれていたらしい。
当時ヴラドを押さえこめたのは、実質ソロモン72柱第1位〜4位までの4名だけだった。
ダゴラスさんとマリアさんが隠居を始めると、ヴラドは待ってましたとばかりに各領土へ侵攻を開始しようと活動を再開する。
それを防止する為、ラースの魔王である当時の前代サタンがヴラドと両者合意の下、世界を渡る運命干渉系能力で現世へと飛ばした。
現世へ渡った後は、自分の欲望のままに領土を支配して満足して死んだらしい。
その代わり、現世の歴史に影響を与える程大いに暴れまわった訳だ。
実はヴラドが地獄から去った後、ラースの魔王が地獄の吸血鬼達を害獣認定した経緯がある。
まあ、結果的に吸血王が吸血鬼の害獣認定に対して抑止力になってたってことだ。
残虐な暴君であるにもかかわらず、政治的に人民に対して命を救っているという事実は往々にして存在している。
逆に善良な聖人の行いが、後々の時代になって人々を苦しめる要素になったりもする。
良いことを行っても、それが必ずしも世の中の良いことに繋がるとは限らない。
また逆も然り、だ。
ヴラドに対しての吸血鬼達の見方というのは、そんな感じだったそうだ。




