バティ・メルゼム
ソロモン72柱第18位。
境界を渡る者と呼ばれる。
召喚王ネルとルフェシヲラの師匠で、転移の能力をスピーリトゥス級にまで発展させた唯一の天才悪魔。
スピーリトゥス級にまで発展させた転移の能力は瞬間移動を行える。
光を直接扱うことで、エネルギーコストもなく、無制限にどんな場所でもテレポート出来るのだ。
これはもはや魔法の領域である。
光の器である天使達も、同じ方法で天国内を移動しているらしい。
これがあるとすげぇ便利だろうなと思う。
羨ましい。
弟子に恵まれない境遇で、愛弟子2人は好き勝手に彼の元を離れてしまった。
特に中途半端に修養して出て行ったルフェシヲラを気にしていたのだとか。
ヴァネールがいるラース街に行く訳にもいかず、長い間彼女に会えないでいたのだ。
プラムとオセ、ベルゼブブの提案に乗っかって、ラースへ侵攻することを選択する。
最終的にルフェシヲラとは死体の状態で再会を果たす。
さぞ無念だったろう。
だが、もう1人の弟子である召喚王を止める為、俺と他の72柱と共に深淵へと向かう。
その稀有な瞬間移動を使い、仲間全員をサポートしてくれた。
俺は見れなかったが、実は召喚王との戦闘を担当していた。
召喚王の召喚する神聖種や魔物の軍団を1人で押さえ込み、戦況を後押ししてくれた。
彼がいなかったら、俺は星門まで辿り着けなかっただろうな。
最後は、深淵に存在する星扉から出現した天使達に飲み込まれる。
弟子に恵まれず、それが故に弟子を追い続けたバティもやはり、孤独だったのだと思う。
力の強い者は孤独を好み、また孤独からも愛されるものだが、それでも寂しい気持ちを持ってしまう悪魔もいるのだろう。
だって彼も元は人間だったのだから。




