バルバトス・オルムッド
ソロモン72柱第23位。
通称銀騎士と呼ばれる悪魔。
死の金属という水銀のような液体金属を操る固有能力を持つ。
この能力は自然干渉系派生の固有能力の中でも、かなり出来が良いらしい。
サタンも最高の能力の1つだって言ってたし。
岩の能力は通常の岩を生成する他に、マグナス級からは鉄や鉛を生成出来るようになる。
さらに自然要素集約能力で作った鉄を核に、大気中に含まれた極微量の水銀を纏わり付かせることによって、水銀を発生させている。
つっても、大気中に含まれてる水銀の量なんてたかが知れている。
だからバルバトスは、1回発生させた水銀を鎧として蓄積させ固定し、常時身に付けている。
これでいつでも戦闘に使用出来るって寸法だ。
ギチギチに鎧として圧縮させた水銀を解放して、ちょっとした津波を発生させることも出来る。
さらに切断や打撃などの攻撃、補助を瞬時に切り替えることが出来る為、万能性が非常に高い。
ちなみに、水銀は人体に対して毒だ。
下手に火の能力をぶつけると気化してヤバイことになる。
ただでさえ危険な元素なのだ。
扱いに慎重を要することから、水銀や硫黄などの毒を含む鉱石を生成する悪魔は滅多にいない。
しかも水銀は流体だから、扱いも非常に難しい。
72柱クラスでないと制御出来ず、普通の悪魔なら水銀の毒性にやられて自滅が良いところだろう。
その分デメリットさえクリア出来れば、非常に完成度の高い固有能力と言える。
バルバトスはさらにバーサクの能力も会得している。
ポポロを空中要塞で拉致したのは、バーサクの代償として露呈した本能が、同類を求めた為。
孤独は忌避すべき現象である。
だから、本能的に生物は同類を求める。
悪魔もまた、社会性を持たざるおえない。
結果的に、バーサーカーは同類を求めて行動を起こすようになる。
誰だって自分と同じ境遇の奴を求めたいと思う時はある筈だ。
中央執行所ではポポロの呼びかけに応え、俺の味方になってくれた。
いや、戦闘本能に触発されてただ暴走してただけとも言えるのだろうか?
まあとにかく、俺と一緒に共闘してくれたのは確かだ。
長い間言葉を話しておらず、相当バーサクの深度が深いと思われる。
理性を削ってまで追い求めた力で、何を掴もうとしたのかは、狂気に飲まれる前の本人にしか知りえないことだろう。
最後は深淵にて、ポポロもろとも天使の大群に飲み込まれてしまった。




