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444番号室
俺は日向 柊、
高校生だ。
ちょっと家庭の事情で
引越しをするハメになって、
この物語の舞台である
颯天町にやって来た。
そして今は宿泊させて貰う
アパートの前に来ていた。
「此処…で間違いないよな?」
地図と目の前のアパートを
交互に見ながら頬を搔く。
そこへ肩に掛かる位の髪の長さの
女性が現れ俺を見て近付いて来た。
「君もしかして入居希望の子?」
じっと俺を見つめながら
尋ねる。
俺は少し戸惑いながら
はいと返事をした。
すると女性はにっこりと笑って
ようこそと口にした。
「管理人の琴河 颯星です
よろしくね、柊くん」
よくアニメ等で見るいい加減な
管理人だろうと予想していた俺。
しかしそれとは
縁遠そうな管理人さんで安心した。
「はい、こちらこそ
よろしくお願いします」
琴河さんは少し説明をしたいと
言って着いて来るように言われ、
彼女が歩く後に続いた。