閑話~ウラカタデナクテハハズカシイ~
どうも初めまして。
四季というものです。
異覚混沌でスタッフやってます。
皆…というか仮面や真坂たちには『しっちゃん』と呼ばれています。
ちゃん付けだけども別に女顔でもないし声が女性並みなわけでもなく、ただ単に親しみやすいからだとか。
仮面は変にこういうことばかり頭を回すからちょっと信用なりませんが。
え…?私のことを見たことがないって?
そりゃあそうでしょう。私表で働いたことないですもの。
ええ。ずーっと裏方です。
……別に引きこもってるわけではありませんよ?
今だって……食材の買い出し中ですから。
ええ、私だって本当は嫌です。
買い出しということは誰かと話さなければいけない。
正直知らない人と話すのって疲れるんですよね…
まぁ仮面はそれを見越していたのかある店で買い出しを行うようにずっと指示してましてね。
……どちらにしても私あの人すこし苦手なんですが…
???「こいつを買わないと貴女のお肌が損するよお嬢さ…いや、お姉さん!」
女性客「もう本当に乗せるのが上手なんだからぁ!二本頂戴!」
???「まいどー!これサービス券、次回持ってくると割引だよー!」
女性客「そんなの渡されたらまた来るしかないじゃない!」
???「ヘッヘッヘ……いいサービスのご提供でーすよ!」
ああ、見えてきました。
『真っ白商店』。仮面の知り合いが営んでいる店です。
その店長とは現在女性客相手にいろいろそそのかしまくっている酸田という人物。
常にグラサンをかけている少し大柄な男性です。
真っ白商店の由来は
酸田→サンタ→クリスマス→雪→真っ白
といういきさつなのだと聞いたのですが、
本人の腹の中を考慮してぜひとも『真っ黒商店』に変えるべきだろうなとおもいます。
酸田「なにかひどいこと考えた?しっちゃん」
しっちゃん「……人の心を読まないでください。」
気付いたら目の前に酸田さんがいて私の心を読み取っていた。
酸田「いや、俺をどこぞのサイコメトラーと同じにしないでくれないかな!?」
しっちゃん「無理です。それよりこれを下さい。」
おしゃべりにもあまり付き合わず私はさっさと必要なものが書かれた紙を渡す。
酸田さんはそれを受け取ると不意に私にアイアンクローをしながら店まで引きずっていく。
しっちゃん「いっ……!!!」
酸田「はいはーい、外で待ってるのも退屈だろー?店の品見ていってーよっていってー」
しっちゃん「私はただ買い出しに……!」
酸田「見ているだけでも楽しいよー。いっつも外で待ってて詰まんなさそうだもの。」
しっちゃん「よけいなおせわだ……!」
しかし大柄な酸田さんにかなうはずもなくむなしく店まで引きずられていく私でした……
しっちゃん「ああ……まだ痛む……あのギャングそれなりに力を込めて頭つかんでたな…!」
きしむように痛むこめかみを抑えながらふらふらと異覚混沌の裏口からスタッフ専用ルームまで戻る。
そこにはアイマスクをつけてテーブルに足を乗っけてイスに深く腰掛けながら寝ている仮面がいた。
しっちゃん「……おもえばあの時だったな…」
私と仮面は、私がいつも通りバイトをしていた時にシルクハットをかぶっていた変人(仮面)に道を聞かれたのが出会いだ。
あの後暫く彼は滞在をして何か探していたらしく私と偶然ではあるもののしょっちゅう会うようになっていた。
どうやらバイト先の倉庫にあったらしく解決したそうだが。
そのあと仮面は突如店長から解雇をされた私を、引きずるかのように飛行機へ乗せ、異覚混沌へと連れてきた。
理由はいまだに話してくれないけれども、今の環境をくれたことには少しだけ感謝している。
人と話すことが苦手である私に大事なチャンスをくれた。
最初の頃仮面のことも真坂も真野も話しかけることを拒んでいたのに今となっては少しずつ自分から声をかけている。
酸田さんの時もそうだが、少しずつ慣れて言っている自分がいる。
少しだけそのことがうれしかった…
しっちゃん「……ふふ…君はいつも唐突ですからね、今度は何を起こしてくれるんでしょうか…。」
タカ「チーフゥゥゥゥゥゥ!!!!助けてぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」
おや、新入りアルバイト君が叫んでいるようなので起こしてあげることにしましょう。
ハリセンを構えて…力いっぱい振るう!
ズッッパン!
仮面「いっ……………テェェェェェェェェェェェ!!!!!!!!!」
あらら、強くしすぎてイスから落ちましたがいい目覚ましになったでしょう。
私も仕事に戻るとしますかねー。