番外編 謎の数字
この話は温泉街編の後すぐくらいのイメージです笑
くだらないギャグ編です
ある日のケンジ。
突然、人の頭の上に謎の数字が見えるようになる。
数字は人それぞれ違ううえに、特に法則性もない。若い子供でも10を超えていたり、0も街でちらほら見かける。
が、見ているうちに見目麗しい者のほうが数字が高い気がしてきた。
出勤し、執務室のドアを開けると、イーゴリが今月の騎士団の予算を確認しイライラしながらペンを噛んでいた。
57
「……団長」
「あ?なんだ」
「頭の上に数字が見えるんですが」
「はぁ?数字?」
「はい。団長は、57です」
「ほう…?」
満足げに口の端を上げるイーゴリに、ケンジは若干引いた。
「お前は?」
「……聞かないでください」
「0か」
図星をつかれ、思わず「何を証拠に!!??」と叫ぶ。
「哀れだな」とニヤニヤするイーゴリに、ケンジは奥歯を噛んだ。
「で、その数字はなんだ?」
「それが分からなくて…。見目麗しい方が高い気がするので……経験人数、とか…?」
「なるほどな。女抱いてるか抱いてねぇかが分かるのか。楽しそうだなぁ?」
高笑いするイーゴリに、ケンジが「笑わないでください」と唸ったその時。
バンッ
「経費精算書類できました。修正終わりました」
ドアをぶち開けてオレグが入ってきた。
間違いだらけの書類を直し終えた顔で、悪びれもなく立っている。
(え!?)
思わずオレグの数字を見て、ケンジは目をひん剥いた。
2
「なんだ?100くらいか?」
「3桁!?ち、違います! 2ですよ、2! オレグくん!!」
「………ん?」
「お前2って何だ」とイーゴリも眉をひそめる。
「経験人数だろ、この数字」
「………2です」
「なんで2なんだ」
「………知りません」
娼館に通っている少年騎士の数字が2という現実に、イーゴリとケンジは揃って黙り込んだ。
「………人殺した数じゃね?」
「リアル!!」
「………なんですか?さっきから?2って何ですか?」
オレグが書類を持ったまま置いてけぼりになっているところへ、ドアが静かに開いた。
「ごめんなさい。お茶っ葉切らしてて買いに行ってました………って、何?ケンジ」
ヴェーラが急須を手に入ってくる。
35
「ヴェーラさん…35って…」
「何かしら」
「あの…(経験人数、という)仮説が…」
「ヴェーラ35?アホか。こいつの幼児体型でなんで経験人数が35なんだ?」
「いきなり普通に経験人数とか言わないでください!!! 仮説です!!仮説!! ああーーっヴェーラさん怒らないで!!」
「幼児体型って何!?」
「事実だろ」
「イーゴリ!!」
ケンジが板挟みになりながら必死にヴェーラをなだめていると、オレグが書類を持ったまま静かに言った。
「………お茶、冷めますよ」
※
その後も謎は深まるばかりだった。
視察に来たアレクサンドルの頭上には124。
「………(イーゴリ)団長より多すぎる…」
「何の話だ」
レオニードは35。
ナターリヤは2。
「レオニードさんが35でナターリヤさんが2って…」
「関係ない」
「絶対関係あるでしょ!!」
ルカは17。イワンは30。
数字の法則性は、最後まで分からなかった。
気がつけば夕暮れ時。
一人になったケンジは、窓の外を眺めながらため息をついた。
鏡の前に立ち、自分の頭上を確認する。
0。
「………そうですよね」
誰もいない部屋で、ケンジは静かに呟いた。
なんの数字なのかはご想像にお任せします
なんの数字か分かったらコメントください笑




