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女神の護符  作者: のはな
第九章 かわりゆく第二騎士団編
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ラドミル

イーゴリの父親の事を知りたい方は

地獄のレストランご参照で。


豪華なご飯を食べながら、イーゴリが父親にうんざりしています。




息子を捨てた。

端から見たら、そう思われただろう。

だが、見捨てたわけではない。


自分の努力不足を反省し、努力を惜しまず騎士として精進して欲しいという親心だとイーゴリの父は思っていた。


首都から離れた南部の三下騎士団で、イーゴリが親戚のボリスの世話になっているという連絡は受けていたし、定期的に妻が手紙を送っていたのも知っていた。


父のラドミルも第一騎士団に入ったばかりの頃は、周りの騎士達に叱咤激励されて厳しい環境に揉まれたのだ。

自分よりも腕の立つ騎士もいたが、気持ちでは負けなかった。


(イーゴリを甘やかせすぎたのかもしれん。そうだ。俺のように努力すれば・・・)


努力したが・・・

ラドミルは結局、第一騎士団の団長になることはかなわなかった。


出世コースから外された時の空虚な心の隙間が、自宅で本ばかり読む学者志望の息子を見たときに、いらだちにすげ変わった。


自分の夢を息子に無理矢理背負わせたとは思わない。


しかし、止まらなかった。

嫌がる腕を無理矢理押さえつけ、飛び級で入学しようとしてい大学の願書を引きちぎってバラバラにした。


そこまでして、半ば強引に騎士としての道を無理矢理歩かせたのだ。


イーゴリが7年ぶりに第二騎士団の団長に任命されて目の前に現れた時、身体から例えようがない程の歓喜で震えた。


イーゴリは見た目から豹変していた。

細い折れそうだった身体が自分と同じように鍛え上げられた筋肉の鎧で固められ、顔立ちは若い頃のラドミルに生き写しだった。


息子は、自分だ。


堂々たる口調。

知性に満ちた会話の端々にみなぎる人を操る自信。

瞳に宿した冷たい人を観察する眼光。

仕草に宿る色気や、人を謀る冷笑も。



何もかもが、若い頃の自分を再現して完璧だった。


だから、間違っていない。


イーゴリを騎士にして支配したことは、決して間違ってなどいないのだ。



だからこそ…

ラドミルの瞳は、冷たく細められる。


ただ一つだけ。

許せないものがある。


罪人の娘

あの少女だけは──



息子の人生を狂わせる。




ここまで書いて

作者としてはこんな親は嫌だと思いながらも、本人に悪人の自覚がないのがヤバいなと。



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