6.ケンジ、素晴らしき女の園へ…!?
その日、イーゴリの誘いは唐突であった。
訓練を終えるとニコニコと「ちょっと行きたいところがあるんだ。お前ら付き合え!」と、まるで食事へ連れて行くような軽快な誘い文句。
オレグと共に王都の一角へ赴いたケンジは、その意図に気づいた時には既に手遅れだった。
イーゴリはケンジの腕を掴み、軽々と娼館へ引きずる。
「さあ、火照った身体を鎮めるぞ!」
ケンジは顔を真っ赤にして必死に抵抗する。
悲鳴を上げ、必死に建物の壁に抱きついてた。
「ま、待ってください!そ、そんな……初めてなんです!」
「ん?初体験か?筆下ろし希望か?」
「やめてください!!!!」
イーゴリは楽しそうに笑いながらケンジを振り回す。
かるがると抱きかかえられて、子供みたいにスイングした。
「はっはっはっ、焦ってるなぁ、いいぞいいぞ、その反応が可愛いんだ!」
その横でヴェーラは待合室にて冷静にお茶をすすり、無言で二人を観察していた。
ケンジは必死に言い訳する。
「ち、違うんです!誤解です!俺、まったく……!」
イーゴリは首をかしげてにこりと笑う。
「まぁまぁ、金は俺が出すから安心しろ。ほら、リラックス!」
実際には、イーゴリは相当の額をへそくりとして持っていて、金銭的には余裕。
この騒動はすべて、ヴェーラとの遊びの延長線上のギャグ。 ケンジの初々しい焦りを楽しむ、イーゴリの特別な悪ふざけだ。
ケンジは汗をかき、口をパクパクさせながら「ま、まずい……!」と心の中で叫ぶ。
ヴェーラは冷静な目で見つめるだけで、イーゴリの騒動を完全無視だ。
その無言の圧力に、ケンジはさらに慄く。
「ほら、俺とみんなで風呂に入るぞ!洗ってもらえ!」
イーゴリはケンジの肩を軽く叩き、楽しげに告げる。 ケンジは全身を硬直させ、頭の中で必死に逃げ道を探す。
「こ、これは……本当に、ついていけるのか……?」




