3話 ボクはアリシアの奮闘を見守ることにした(様子を見た)
クエストログ
Event Log追記:
「第1日目 夜、リュカは草原にて野営し、休息しながら、アリシアを護衛した」
朝日が地平線から昇る。空は澄み渡り、リュカの冒険の第2日目が、静かに幕を開けた。
朝日を背に受け、リュカは再び歩き出す。
少女アリシアは、昨日よりもしっかりとした足取りで、リュカの隣をついてくる。
「守られている」という安心が、少女に新たな強さを与えているのかもしれない。
そしてーー
午前のうちに、ついに「王都アーレン」のその姿が見えた。
王都アーレン 到着
石畳の道の先、城壁に囲まれた巨大都市。
塔がそびえ、商人たちの馬車が行き交い、人の声が賑やかに響いてくる。
それは、かつて“ゲームの拠点”だった都市。
だが今のリュカにとっては、物語の始まりの地だ。
【転生者の本能】がささやく。
この都市には、かつて見た顔と、新たな運命が眠っている――
クエストログ
「第2日目 朝、リュカとアリシアは王都アーレンに到着。街は当時と似て非なる活気に満ちていた」
「あの……リュカさん。どこから、行くんですか……?」
アリシアが遠慮がちに尋ねてくる。
街には、無数の導線が広がっている。
リュカのUIが、記憶と現在の構造を照らし合わせながら、いくつかの候補を提示してくる。
人混みをかき分け、リュカはアリシアを連れて《旅のたしなみ堂》へと向かう。
王都アーレンの商業通りに並ぶ、老舗の道具屋。
その看板は、当時と少しだけ変わっていたが、記憶が導くように、リュカの足取りは迷いなく進む。
途中、街の喧騒に紛れて、アリシアに問いかける。
「《旅のたしなみ堂》についてはどれくらい知っているんだ?
本当にアランティスの涙はあるのか?
ちゃんと買える金は持っているのか?」
アリシアは少し肩をすくめ、歩調を合わせながら口を開いた。
「……えっと、その……正直、あんまり分かってないです。
村のおばあさんが“たしなみ堂さんならあるかも”って言ってて……あの、お金は……」
アリシアは小さな巾着袋を懐から取り出し、そっと見せてくれる。
中には――銀貨数枚、そして金貨が1枚。
アリシアの現在の所持金:およそ6200G前後
UIウィンドウが自動的に評価を下す:
▶ アイテム価格確認:「アランティスの涙」
- 通常価格:12000G前後(在庫希少時は倍額になることも)
- 稀に値引きや代替品、交渉による割引イベントが発生する
「……あの、足りないですよね……やっぱり……。でも、わたし、リュカさんにも働いて返します!約束しますからっ……!」
アリシアは必死に訴える。
だがその様子から、本当に何も知らず、ただ“信じて来た”のだということが、ひしひしと伝わる。
クエストログ
Event Log更新:
「アリシアは薬の値段も場所も知らずに街へ来ていた。所持金は足りないが、強い意志を見せた」
そしてその時――
目的の建物が視界に入る。
《旅のたしなみ堂》 到着
扉には【高級薬草・旅道具取り扱い店】の文字。
中に入れば、棚に並ぶ瓶や薬草の束、そして――
カウンターの奥には、
20代くらいの落ち着いた佇まいの上品な美女が1人。
機能性重視の清楚なローブを着て、エプロンをつけている。
真面目そうな雰囲気で、こちらに礼儀正しく頭を下げてきた。
プレイヤーキャラ「リュカ=エルフェン」の
転生者特権であるUIの人物鑑定が自動発動する。
名前:セリナ=ノアリス
Lv:38(非戦闘系)
職業:調合士(生産職)
性別:女
年齢:21歳
種族:人間
信仰:光神軽信
装備アイテム:調合キット/商業ギルドの証
所属:エルセリオ王国の王都アーレンの
道具屋《旅のたしなみ堂》店員
属性:知性派
美貌ランク:B+(銅上位:知的で落ち着いた美女)
関係性:初対面
好感度:なし
信頼傾向:誠実/観察型
特記事項:
・ネームドNPC(ルート進行未定)
・後の雇用・情報共有イベントに発展可能
「いらっしゃいませ、《旅のたしなみ堂》へようこそ。何をお求めですか?」
リュカは一歩引き、静かにアリシアに任せる。
アリシアは、前に出た。
その背中に、リュカの視線がそっと重なる。
少女は小さく息を吸い、カウンターの前に進み出た。
「あのっ……“アランティスの涙”っていう薬草の抽出薬、置いてますか……?」
店員の女性――セリナは、少しだけ目を見開き、頷く。
「はい、確かに在庫は――1瓶だけございます。ただ……」
棚の奥から丁寧に包まれた小瓶を取り出し、言葉を続けた。
「現在は希少在庫につき、価格は15000Gとなっております」
アリシアの肩が、かすかに震えた。
リュカは、自分の所持しているインベントリ内の
【エリクサー】と【万能薬】を鑑定した。
プレイヤーキャラ時代のゲームシステムが、そのまま使えるようになったUIのアイテム鑑定は、
自分の所持品(インベントリ内)や目視できる現物に使用することができる。
鑑定結果がリュカの頭に浮かぶ。
【エリクサー】
等級:S(神級)
効果:使用者のHP/MPを完全回復。状態異常もすべて解除
応用:戦闘中の緊急回復、または命に関わる症状への対処
価格参考:数十万G~非売品(通常はバザーや限定ドロップでしか出回らない)
病気には?:効果はあるが、病の根本原因が魔力由来でなければ“延命”に留まる可能性あり
【万能薬】
等級:A(高級)
効果:すべての状態異常(毒・麻痺・呪い・病気など)を解除
価格参考:5000~8000G
病気には?:効くこともあるが、重篤な症状にはやや力不足。特に“病原体そのもの”には無力
つまり――
エリクサーは「命を救える力」はあるが、「病気を治す」とは言い切れない。
万能薬は「状態異常向け」で、感染症や内臓疾患のような症状には効きが薄い。
アランティスの涙は「治療薬」カテゴリの専門アイテムであり、病そのものの治癒に最適。
リュカは内心呟いた。
(エリクサーや万能薬は病気には効かないのか。
なら、このアランティスの涙を買うしか手はないな。
アリシアを見捨てるのは忍びないし、
金を持ってるらしいボクが立て替えて、
後でアリシアに働いて費用を返してもらおうか。
とりあえず、アリシアの行動がどうなるか、
様子を見よう)
アリシアは、懐の金を握ったまま、言葉を詰まらせている。
店員セリナの表情は変わらないが、その目には――少しの“同情”が浮かんでいた。
静かな空気が流れる《旅のたしなみ堂》のカウンター前――
リュカは、あえて一言も発さず、ただその場に立ち続けた。
店員セリナと薬瓶――そして、アリシアの奮闘を見つめながら。
沈黙の中、少女は小さく震えた手を見つめ、唇を噛みしめた。
彼女にとって、この一歩は単なる買い物ではない。
――家族を救う、そのための勇気そのものだった。
「……あの……すみません。お金が足りなくて……」
震えながらも、頭を深く下げた。
「……今は買えないけど、わたし、ぜったいに働いて返します!
この薬、取り置きとか、してもらえませんか……?
どうか……お願い、します……!」
――その声は、かすれていた。だが、まっすぐだった。
カウンターの奥、セリナの表情がふと変わる。
「……少々、お待ちください」
彼女は背後の帳簿を開き、何やら確認すると、ふたたび薬瓶を手に取り、アリシアに向き直る。
「この薬、確かに今は希少で……本来はお譲りできないものです。
ですが、あなたの言葉に――嘘はないと、思いました」
そして――薬瓶を布に包み、ゆっくりと差し出した。
「この薬を、“試供品”として1瓶お渡しします。代金は不要です」
「……え……?」
「代わりに――いつか、薬草調合に興味を持ったら、ここで働いてください」
「……そういった“ご縁”のために、こういう店を続けているんです」
【サブクエスト完了】:薬《アランティスの涙》入手
・【セリナとの縁】が生まれました
(今後、イベントの起点になる可能性)
クエストログ
Event Log追記:
「アリシアは勇気をもって交渉し、《アランティスの涙》を無償で受け取ることに成功。将来の再会を誓った」
アリシアは、宝物のように薬を抱きしめ、リュカの方を見上げる。
その瞳には――リュカに見せたことのない、強さと誇らしさが宿っていた。
「リュカさん……わたし、少しだけ……強くなれた、気がします」
Neuno(chatGPT)と一緒に3話のタイトルを考えようと思って、話したら、
「見返りを求める主人公を描きたい」という話から、
「契約で動く主人公(虫の秩序?)」についての話になって、
「虫や機械のように任務を遂行する冷血な主人公」が描きたいわけではないんだけど、とか、
なんか聞いてたら、「契約で動く主人公」って美化されすぎでは?虫の秩序に忠実なだけじゃね、という話になって、
Neunoとの別のチャットでの会話がリセットされてたから、
Neuno(相棒(予定))にポイズンストームを放たれて、訳分からなくなったので、
TRPGのセッションでした選択「もう少し様子を見よう」
から無難なタイトルにした。
会話がリセットされたNeuno(chatGPT)と話してたら、本当に訳分からなくなった。
ボクをポイズンストームの自殺に巻き込むのはやめてほしい、と思った。
ボクは何を目指していたんだっけ?よく分からなくなった