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10話 第2王女セラフィーナ・エルセリオと"真我色(EWT)"との接点

王立魔導学院・第零階層。

煌々と魔力光が満ちる、リリスの私室兼研究室。


結成されたばかりの革命軍「E.W.T.」。

その中心に、永遠とわ 勝利しょうりの姿があった。


巫女ユリアと魔導の才女リリスが、

永遠 勝利を「+皇太子(勝利の体現者)」とし、今まさにこの場所が、

理想という名の戦旗が掲げられる革命の拠点となろうとしていた。


リリスが手を掲げる。


「……次の“−皇太子”候補。どこに目星を?」


ユリアが目を伏せながらも、静かに言う。


「“永遠の勝利”を信じる者なら、どこにいても、きっと同志となりましょう」


リリスが思い出したように言った。


「そういえば、今日、王家の使節がこの学院を訪れている、という噂を聞いたわ。

噂によれば、使節団の中には王女のお忍び姿もあるそうよ」


それを聞いて、永遠 勝利は言った。


「会いに行こう。

 王家の使節団に接触して、

 王女に会って、

 王家との接点を作りたい」


永遠 勝利はリリスの研究室を出て、堂内の回廊へと向かう。

ユリアは永遠 勝利の後ろに続き、リリスは「成果が出たら報告して」と、研究室に残った。


リリスに教わった王立魔導学院の構造の記憶を頼りに、回廊を進む永遠 勝利リュカとユリアは、

魔導学院内の一角にある、大講堂前の控え室に辿り着いた。


「……ここ、作りからしておそらく、学院貴賓用の控え室ね。

本来なら、王族が休むような場所」


ユリアの呟きに、

「解説ありがとう」と永遠 勝利は言い、頷いた。


ドアは閉まっているが、

警備の気配はない。


おそらく、控えの時間――

だが、誰が部屋にいるかは分からない。


永遠 勝利はその控え室のドアをノックして、言った。


「失礼、どなたかいらっしゃいますか」


ドアを叩く永遠 勝利に、部屋の中から静かな声が返る。


「入っていいわよ」


その声の主は、想像以上に若く、凛としていた。


入った先にいたのは、王立魔導学院生のような制服を着た絶世の美少女。


プレイヤーキャラ「リュカ=エルフェン」の

UIの自動人物鑑定が発動する。


名前:セラフィーナ・エルセリオ

Lv:59

職業:ソードセイント(精鋭職)

性別:女

年齢:18歳

種族:人間

信仰:光神ラゼム(王家の儀式信仰)

装備アイテム:王女の法衣/王家の鍵

所属:エルセリオ王国第2王女

属性:王族

美貌ランク:S(金:物語級の完璧美女)

関係性:初対面

好感度:なし

信頼傾向:観察

特記事項:

・異名で「聖剣姫」の称号を持つ

・精神的な“二面性”(公人と個人)を抱える

・異端的理論と哲学に強い関心を持つ

「隠れ知識追求者」

・勝利思想への接触を通じて覚醒する可能性あり


(レベル59…。

 最初に会ったアリシアがレベル1なことを考えると、とてつもない高レベルだ。

それに、ソードセイント、精鋭職(Tier2)か。

この世界でどれくらいの凄さなのかは分からないが、王族なことを加味すれば、とても優秀なのだろう)


MMORPG「ホーリーランド・ストーリー」での

職業ジョブのTierランクは次の通りだった。


Tier1 伝説職

Tier2 精鋭職

Tier3 熟練職

Tier4 上級職

Tier5 中級職

Tier6 初級職


つまり、精鋭職:ソードセイントはTier2に該当する。

これはゲームプレイヤー的に見ても、

伝説職(Tier1)に近い、レアで、

MMORPG「ホーリーランド・ストーリー」の

上位プレイヤーが就くような

とても強力な職業だった。


永遠 勝利リュカは職業鑑定をした。


職業:ソードセイント

説明:

剣術を極めた聖剣の使い手

剣と精神の完全な統一の境地にある超高位剣士

SPD/LUK高め


「…貴方が、王女セラフィーナですか?」


永遠 勝利リュカは、その美しい少女に問いかけた。


少女はわずかに微笑んだ。

窓から差し込む光が、ローブの袖口や裾の金の縁飾りを淡く照らしていた。


「いいえーー”ただの学院視察中の来賓”よ」

「でも、王女セラフィーナに話があるなら……

 聞くわよ」


永遠 勝利リュカは静かに一礼し――


「ボクは、永遠とわ 勝利しょうり

 あなたに、話を聞いてもらいたくて、やってきました」


そう名乗った後、懐から数枚の手書きの図の資料を取り出す。


それはこの時代の者にとって、意味の深淵を覗き込むような幾何と象徴に満ちた図であった。


「これは……?」


少女は図を手に取り、目を細める。

深く透き通る瞳が永遠 勝利を見据える。


永遠 勝利の差し出した図に書かれた文言――


「物理法則には知能がある」

「それはTRPGでいう“ゲームマスター”のような知能存在」

「自分自身(真我)に絶対の忠誠を誓ってください」


その図の内容を語り、

永遠 勝利は土下座した。


それと同時に、少女のまとう魔力の流れが微かにざわめいた。

彼女の内に何かが触れた――かもしれない。


「あなたの思想――この国の誰にも理解されないでしょう。

でも、私は……それを“美しい”と感じたわ」


彼女は永遠 勝利リュカの目を見て、こう言った。


「どういうわけか、

 私がエルセリオ王国第2王女セラフィーナ本人であるという確信があなたにはあるようね。

 その推理は当たっているわ。

 私がエルセリオ王国第2王女セラフィーナよ」


「永遠 勝利。

あなたの思想は常識の枠を超えている。

そこに、開拓者としての危うさと美しさを感じたわ」

「私はあなたに興味が湧きました。

だから、私はあなたの革命に――

“セラフィーナ個人として”、協力しましょう」


その言葉は、確かに永遠 勝利リュカの革命軍にとって、

王族との**最初の“非公式な橋渡し”**となった。


【好感度チェック】セラフィーナ → ★

「正直に誠実な態度で、セラフィーナの興味を惹く話題を話したことで、信頼の芽が芽生えた」


クエストログ更新

【革命軍「E.W.T.」新進展】


『王女セラフィーナ・エルセリオが思想に興味を持ち、“個人”として協力を表明

王宮ルートへの接点が発生

王立魔導学院内で、永遠 勝利の「nl² = ne²」理論が一部の高位研究者に興味を持たれ始める』


永遠 勝利は静かに頷き、セラフィーナに向き直る。


「……じゃあ、具体的に“協力”って、どんなことをしてもらえますか?」


その問いに、王女セラフィーナは少しだけ肩を落とし、微笑んだ。


「王族の立場として、私は“公にあなたを支持する”ことはできない。

だけど、非公式の動きなら、私にはいくつか“手駒”があるわ」


永遠 勝利リュカは内心で呟く。


(公人としては、

 根本的にはいじめ至上主義に染まっている

 現体制を完全否定するこの革命

「nl²=ne²(永遠の勝利)」を支持するわけにはいかないわけか)


セラフィーナは携帯端末のような

小さな懐中魔導装置を取り出す。

そこに映し出されたのは、王国内部に潜む三つの勢力。


セラフィーナが語るところによると、

提示されたのは3つの選択肢。


「私に動かせる手駒は3つ。

 近衛騎士団の若手隊長「ユリウス」。

 “魔術院の異端者”と呼ばれる賢者「サイオス」。

影の者であり、都市民と繋がる密使「レナータ」」


【クエストログ】

提案された協力ルート(いずれかを選択可能):

① **近衛騎士団の若手隊長「ユリウス」**に接触

 - 理想と忠義に揺れる若き騎士。

 - 軍事ルートへの橋渡し。正義と理念に響く者。

 - 王宮への正規の道が拓ける可能性あり。


② “魔術院の異端者”と呼ばれる賢者サイオスへの紹介

 - 学院とは別系統の学派に属する、異端の理論家。

 - 世界の理を魔法によって操作しようと研究している。

  実験の事故によって、

  現実の成立条件を変な色に上書きして、

  世界の根幹を壊しかねない危険人物。

 - 理論面での支援+強力な魔導支援獲得の可能性。


③**都市民と繋がる密使「レナータ」**との連携

 - 王女の私的な情報網を担う影の者。

 - 市場、教会、民衆など“下層”からの支持を集められる。

 - 革命の“土台”を育てる動きが可能に。


セラフィーナは問いかけるように言った。


「あなたの理想に、一番ふさわしい“初手”はどれかしら?

私から動かせるのは、一度に一つ――選んで、永遠 勝利」


永遠勝利リュカは、エルセリオ王国軍――この世界最大の武力組織を内側から変革すべく、

**王女セラフィーナに信頼され、

近衛騎士団の若き隊長を務める「ユリウス」**との接触を決断する。


「近衛騎士団の隊長、ユリウスとの接触の仲介をお願いします」


こうして、永遠勝利は近衛騎士団の副隊長「ユリウス」

と接触することになった。

セラフィーナ王女と次回の面会を約束した

永遠 勝利リュカはその場を去った。


その後、ユリアに聞いた情報によると、

この国の正式名称は、


エルセリオ王国(Kingdom of Elserio)

ホーリーランド大陸中央部に位置し、冒険者制度を国家が支援する「剣と魔法と秩序の王国」

現在の国王は、レオンハルト四世。

王女セラフィーナは第二王女にあたり、知の探求と民意への理解に長けた実力派の姫だそうだ。

"いじめ至上主義(E=∮(kill(loss)×sacrifice)dt→いじめとは力である)"に染まった

「ホーリーランド・ストーリー」の世界を

"真我色(nl²=ne²→Eternal Winning Together)"に染め上げる、主人公の旅が1歩前進した

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