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公式企画に参加してみた ④ 2023年 なろうラジオ大賞5 

僕は断固転生を拒否する。パスワードもトラップも回避してみせます!

作者: モモル24号

  僕は……生命を狙われている。信号が青になったのを確認して、渡り始めた時、止まる気配のない猛スピードの車────僕は今日も強制転移を防いだ。


 僕の名前は、久世乃 英雄。名前を見て、フラグが立っているのが察していただけるだろう。


 そう、知っているんだよ僕は。転生したからって、何もかも上手く行くような甘い世界に行けるとは思っていない。


 だから転移転生は断固避けたい。細心の注意を払っていてさえ、こうして僕は狙われる。


 引き籠もっていられるならそれは良い。だけど、僕はまだ高校生だ。学校をサボるわけにはいかない。


 つぎに厄介なのが暗証番号の入力、パスワードを打ち込む事だ。


 僕の従兄弟はパスワードを入力して消えた。だから僕はスマホのロックだってしない。


 転移チャンスをとことん潰すのだ。

アルバイトの給料だって、(ママン)に頼み引き出して来てもらう。


 僕の母である以上、彼女も転移リスクを追うわけだが、あくまで僕がこの世界へしがみついている限りは大丈夫だろう。


 ────そんな僕を、好きだと言う娘が出来た。


 ……まずい、フラグが立ってしまった。


 彼女はあれだ、転移先の王女か何かで、強制転移を断固拒否する勇者な僕を、無理矢理連れて来るように(パパン)王から頼まれたんだ。


 ────だって、凄くあざと可愛いから。


 罠だ。どう見ても罠だ。彼女は何かしら、パスワードの必要なサイトに登録させようとする。


 なんて適応力だ。さすがは王族、侮れない。


 だが僕にも意地がある。登録はパスワードから何から全て彼女に任せた。情報はフルオープンだ!


 呆れて離れてくれるかと思ったのに、なぜか信頼され距離が近くなる。


 やめろぉォォ〜、手を繋いで歩くなぁぁ〜!!


 リア充フラグを知らないのか。バカップルが強制転移するんだぞ。


 あぁ、それが狙いだったのか!


 ────そう、僕は今、敵の思惑に乗り心を奪われかけている。


 ……ハーレム勇者め、だらしないと思ってバカにしてすまない。


 これはなかなか堪えがたい。僕でなければ理性などすっ飛んでもおかしくない。


 ────だが舐めるなよ、王女め。僕は久世乃英雄。『救世の英雄』なんだ。


 心のざわつきなどで転移されてたまるか。


 絡みつく腕を振り払う。僕は堕ちんぞ、決して。


「英雄君ってクールで真面目だよね。今度パパが会いたいって」


 マジか。王様からは逃げられない。王女の至福の笑みは反則(チート)だ。


 ────僕は久世乃 英雄。救世のヒーローなどではなく、ただの、クセのひでー男だ。

 お読みいただき、ありがとうございました。この物語は、なろうラジオ大賞5の投稿作品となります。 


 転移転生させられる側にとっては、王様も魔王も同じなのではないかと思います。


 実際はただの主人公の妄想かもしれません。


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