信長に殺される? 今川義元になってしまった! ( 影竜物語 壱 )
二十一世紀 現実世界編
妹たちとの出会い
二千七年十一月一日の信州は松本、少し寒い。
北アルプス、そして四方に山が見える美しい風景! 素晴らしい!
心の声「僕は上杉景竜、埼玉出身、大学一年です」
「女の子の手も握ったことがない、
漫画、アニメ、テレビゲームが好きなオタクです」
「でも、スラッとした感じの百八十四センチ」
「顔だってけっして悪くないと思うんだけど……」
「今、近所の本屋から文学部のある松本キャンパスに
徒歩で向かっています」
「僕が通う江戸大学の学部は、
ほとんど東京にあるけど文学部は数年前に移転しました」
同じ時間、少し離れた場所。
雛人形のように整った顔立ちの美少女五人が、
お揃いの赤いショルダーバッグを肩にかけて歩いている。
バッグの中身は勉強道具等。
全員さらさらした黒髪のボブカット、
背格好もみんな一緒なので五つ子に見えますが実は他人です。
体はちょっと弱いけど、しっかり者の美鈴伊織、九月十二日生まれ。
読書が好きで論理的な石川野々花、九月十四日生まれ。
おどおどしていて控えめな桂美紅、九月十六日生まれ。
運動神経がよくて、いつも元気な岬桃香、九月十八日生まれ。
世話好きで気が利く直江心、九月二十日生まれ。
身長百四十センチ、体重三十四キロ、血液型O型、星座は乙女座、小学六年生。
誕生日はそれぞれ違うけど、あとは全部一緒です。
伊織「学校の先生も塾の先生も、あの学校は無理だって言うけど、
みんな頑張ろうね!」すかさず「頑張ろぉー!」と四人が応える。
そんな、やり取りしていると道の曲がり角で怖そうな三人組の少年と、
ばったり出会してしまった。
少年A「おい、このちっちゃい女の子たちって、
テレビに出ていた奴らじゃないか?」
少年B「そう確か、全国的な合唱コンクールで優勝したとか言っていたなあ〜」
少年C「そう、それで顔も可愛いから毎日引っ切り無しに、
たくさんの芸能事務所がスカウトしているって話だ」
「そりゃあ、ちょっと歌ってほしいものだ」と三人が囃し立てる。
いかにも不良って感じの中学生? 高校生?
怖くて五人とも声も出せないほど、ビビってしまった。
そこへ上杉景竜、登場!
「あっ、小さい女の子たちが悪そうな連中に絡まれている」
「あれはファイブ キュート シスターズ!」
これはテレビで、もてはやされている。彼女たちに付けられた愛称です。
本当は姉妹じゃないですけど……
「僕より確実に年下だけど、メッチャ怖えぇー!」
「でも勇気を振り絞って助けなくちゃ!」
震える足で間に入って
「おーい、きみたちぃ女の子たちが怖がっちゃているからダメだよぉ〜」
すると意外にもあっさり、少年たちが「すんません」
少年A「最近、よくテレビに出演している子たちを見かけたから、
俺ら舞い上がっちゃって」
少年B「脅かしてゴメンね」
少年C「俺たち、行きますね」
三人は両手で「御免」のポーズをしながら去っていった。
景竜の心の声「ふぅーっ、怖かったぁ!」
「でも見た目より悪い人たちじゃなくてよかったぁ」
「ごねた場合の第二の策は考えていたけど……」
内心、ドキドキしながら平静を装い膝をついて声をかけた。
景竜「みんな、大丈夫?」
怖くて震えて俯いていた美少女たちが顔を上げた瞬間、
五人が一斉に「お兄ちゃん!」と言うと「ギューッ!」と抱きついてきた。
そして口々に「ありがとう〜!」「大好き!」「会いたかったぁー!」
「怖かったよぉ〜!」「カッコよかったぁーっ!」
まるで天使たちが、ささやいているように感じる。
「えっ、お兄ちゃん?」戸惑う景竜。
美少女たちに抱きつかれて嬉し恥ずかし、顔が真っ赤になってしまう。
「女の子って小さくて柔らかくてなんか?」
「全員とても甘い、いい匂いがするぅっ!」
「声もみんな、すごくカワイイ!」「幸せ!」
女性に免疫が全くないので、ボォーとなってしまう。
彼女たちの回想シーン。小学一年生の時。
ある日曜日の夕方の近所の公園。子供たちが家に帰る時間。
幼い妹「お兄ちゃん」「一緒に帰ろう」「手、つないでね」
幼い兄「よし、手をつないで帰ろう」
幼い妹「お兄ちゃん」「優しいから大好き」
幼い兄妹が仲良く、手をつないで帰っていく。
その光景を羨ましそうに見つめる五人の女の子。
心「心もお兄ちゃん」「ほしいな」と呟くと
「伊織も」「野々花も」「美紅も」「桃香も」と四人が応じる。
野々花「でも最初の子供だから『お兄ちゃんは無理だよ』
とパパとママに言われた」
他の女の子たちも一様に俯いてしまう。全員、一人っ子なのだ。
哀しげな美紅「お兄ちゃんは、ダメなのかな?」すると、なぜか?
五人の心に、眼鏡をかけた優しげな太ったおじさんが現れて
「諦めたら、そこで終了ですよ…?」と声をかけられた気がした。
桃香「そうだ、みんなでもっと考えてみようよ」伊織「桃香の言う通りね」
全員から「賛成」「賛成」と返ってきた。
その夜、テレビを見ていて野々花は気付いた。
野々花「ママ」「女の人が男の人を兄妹じゃないのに『お兄さん』
と呼ぶときがあるよね?」
野々花ママ「確かに世間一般では、そういうこともあるわよ」と答えた。
野々花「わかった!」「ママ」「ありがとう」
ものすごく喜ぶ娘に、少し驚く母親。
次の日、教室の休み時間。
野々花「昨日、テレビを見ていて気付いたの」
「兄妹じゃなくても、お兄ちゃんぽい人を
『お兄ちゃん』って呼んでもいいのよ」と話題を切り出した。
伊織「なるほど、それはあるわね」と同意する。
美紅「もしかしたら、お兄ちゃんに甘えられる?」
心「心は、お世話したいな」
桃香「桃香は、一緒に遊んでほしいな」
五人の女の子は目を輝かせた。
伊織「みんなで、お兄ちゃんを見つけましょう!」
心「それと、お兄ちゃんが喜ぶことをしてあげようよ!」
野々花「それは、とてもいい考えね」とすかさず賛成した。みんな強く頷いた。
[ODD(お兄ちゃん大好き団)]結成!
その時から料理、掃除、洗濯、裁縫の家事は、もちろん、
お茶、お花、日本舞踊、ピアノ等の習い事までして、
五人で切磋琢磨して努力してきた。
あれから五年の月日が流れ、やっと少女たちは理想のお兄ちゃんを見つけた!
抱きついて、どれくらいの時間が経ったのか?
少女たちも景竜も全く、わからなかった。
茫然としていた景竜が、やっと口を開いた。
「ごめんね」「みんな、取りあえず腕を離してくれないかな?」
「このままじゃ、話しづらいし」
少女たち「あっ、ごめんなさい」と一斉に腕を離してくれた。
景竜は正直、残念な気持ちになったけど、気を取り直して話し始めた。
「僕は、これから大学に行くつもりだったんだけど、みんな大丈夫?」
「心配だなぁ」
大学という言葉に反応して、野々花が尋ねた。
「もしかして、日本一頭のいい江戸大学ですか?」
「うん」「江戸大学だよ」と答えた。
[ODD会議]開幕!
幼い頃から一緒に過ごしてきた彼女たちは、
なんと一瞬で話し合う能力を身に付けてしまった。
伊織「とても素敵な、お兄ちゃんにやっと巡り会えました」
「みんな率直な気持ちを発言してください」
野々花「受験で困難な、この時に出会えた」「運命を感じるの」
「ここは思い切って御教授を頼んでみたら、どうでしょうか?」
美紅「でも迷惑かなぁ……?」
「もちろん、カッコイイお兄ちゃんと一緒にいたいよぉー」
桃香「お兄ちゃんに勉強教わりたい」
心「素敵な、お兄ちゃんと勉強して、お世話もしたいな」
伊織「もちろん、伊織も教えてもらいたいです」「みんなの気持ちはひとつね」
[ODD会議]閉幕!
伊織「突然、ごめんなさい」
「実は、お兄ちゃんにお願いがあります」「聞いてくれませんか?」
景竜は「なぜ?」「お兄ちゃん」と思いながら、そこは流して言った。
「僕に、できることだったら何でもしてあげるよ」「言ってごらん」
伊織「お兄ちゃんは、やっぱり優しい!」
「伊織たちに松本女学館に合格するように、勉強を教えてほしいんです」
「お願いします!」と頭を下げた。
すかさず、他の四人も同様に頭を下げて「お願いします!」
松本女学館は地元の女の子たちの憧れの中高一貫校。 名門、御嬢様学校!
景竜は女の子たちの合格率がどれくらいなのか?
今、はっきりわからないけど、これは断れないと思った。
困っている人を放っておけない性格だし、
ましてやこんな美少女たちを見捨てるなんて、男としてできない!
景竜「僕は、みんなの学力を知らない」
「このことを考慮して悪いけど、結果までは保証できない」
「でも精一杯、受験まで勉強を教える」「これでいいかな?」
女の子たちは、一律に再び頭を下げて
「お兄ちゃん」「ありがとう!」と言って、抱き合ったりして喜んでいる。
景竜は、その様子を見て「引き受けてよかった」
内心「ホッ!」としている自分がいる。
景竜「自己紹介がまだだったね」「僕は上杉景竜」
「漫画、アニメ、テレビゲームが好きな大学一年生です」
そして女の子たちも各々、自己紹介した。
「美鈴伊織、十二歳です」
「石川野々花、十二歳です」
「桂美紅、十二歳です」
「岬桃桃香、十二歳です」
「直江心、十二歳です」
最後を締めるように、伊織「伊織たち、全員身長は百四十センチ、血液型はO型、
誕生日は違うけど、星座は同じ乙女座なんです」
そして一同、深々と頭を下げて「お兄ちゃん」「お願いしまーす!」
と元気よく声を上げた。
景竜は、乙女座の言葉に反応して思わず
「神に最も近い人たちですね」と言ってしまった。
「しまった!」「漫画ネタを入れてしまった」焦ったけど、
少女たちは、漫画かアニメの話だと気付いて、
全員で「小さい女神です」と笑顔で返してくれた。
景竜は女の子たちの機転が利いて、
さりげない優しさに感動して、ますます愛おしくなった!
そして、疑問に思っていることを尋ねた。
景竜「ところでなぜ『お兄ちゃん』って呼ぶの?」すると代表して伊織が答えた。
「伊織たち全員一人っ子でみんな、お兄ちゃんに憧れていたんです」
「それで小一の時に『お兄ちゃん大好き団』省略して『ODD』を結成しました」
「それから、お兄ちゃんぽい人を見つけたら、喜んでもらいたいと思いました」
「だから料理、掃除、洗濯、裁縫の家事やお茶、お花、日本舞踊、
ピアノ等の習い事をして、みんなで励まし合って努力してきました」
「兄妹ものが好きな人には、
お薦めな『お兄ちゃんと十二人の妹』のテレビゲームあると聞けば、
全キャラを攻略して、どうしたらお兄ちゃんに喜んでもらえるか?」
「五人で話し合いました」
「そして未来」
「『鬼になった妹を救うため、鬼と戦う兄妹の物語り』にも涙するでしょう」
「そんな予感がします」
伊織「五年後、やっと理想のお兄ちゃんを見つけました」
美少女全員「『お兄ちゃん!』って呼んでいいですか?」と真剣な眼差し。
景竜「実は、僕は男だけの三人兄弟の真ん中で妹が欲しかったんだ!」
「『お兄ちゃん』って呼ばれて、内心すごく嬉しかったんだ!」
「だから、これからも『お兄ちゃん』でよろしくね」
美紅「本当にぃ?」
伊織「キャーッ、嬉しい!」
桃香「お兄ちゃん」「大好きぃー!」
心「こちらこそ、よろしくぅ!」
野々花「名前で呼んでね!」そして、涙をにじませ抱き合って喜んでいる。
景竜「そういえば最近、地元のテレビにも、よく出演しているね?」
「合唱コンクールに優勝して話題になったから?」
美紅「コンクールは、音楽の先生に強く勧められて断わりきれなくて……」
桃香「出場したら優勝してしまって、百香たちがびっくり!」
心「さらにテレビ出演の話が度々、来るようになって、
こっちは短い時間だからいいんだけど……」
野々花「受験勉強があるので、芸能事務所入りは断っています」
伊織「芸能活動していたら理想のお兄ちゃんと出逢えた時、
両立はできないと思いますし、だから、お断りしていたのです」
景竜「ふ〜ん、そうだったんだ」
「丁寧な説明をありがとうね」「僕の可愛い妹たち」
可愛い妹と言われて嬉しかったらしく全員でペコリと頭を下げて、
妹たち「どういたしまして」その様子が、とてもカワイイと思った!
景竜「そうだ、一番肝心な勉強の話」
「まず場所だけど、江戸大学の図書館の一室はどうかな?」
「実は、大学と上杉家は昔から関係があって、
僕は図書館の一室を貸してもらっているんだ」
「人通りの少ない裏門から、
すぐに部屋に入れるから有名人のみんなにちょうど、いいと思うんだ」
「あっ、入学は表から入ったから安心してね」と笑う景竜。
すると美少女たちもみんな、ニコッと笑って
「ありがとう」「お兄ちゃん」と御辞儀した。異存はないようだ。
景竜「それと授業料はいらないよ」
「可愛い妹たちと一緒にいられるのに、お金を頂いたらバチが当たっちゃう」
「あっ、でも御両親に事情を説明したら、きっと授業料が発生するね?」
「どうしょうかな?」
[ODD会議]開幕!
伊織「お兄ちゃんが困っているわ」
「お兄ちゃんの意思を尊重して、
伊織たちから話がうまくまとまるようにしましょう」
美紅「昨日、塾はママたちと先生たちが志望校で揉めて、
辞めてしまったばかりだし……」
野々花「それよ」
「昨日の今日で野々花たちも、お兄ちゃんをママたちに紹介しづらい」
「だから、お兄ちゃんのことは内緒にして……」
桃香「お金以外で桃香たちが、できることをすればいいんじゃないかな?」
心「みんなで代わり番こに、軽く食事できるものを作ってこようよ」
伊織「それは、いいアイデアね」
「伊織たちの努力の成果を、大好きなお兄ちゃんに披露しましょう」
「みんな、それでいいかな?」四人は深く頷いた。
[ODD会議]閉幕!
伊織「お兄ちゃん」「昨日、伊織たち塾を辞めてしまったの」
「ママたちは『どうしても松本女学館へ行かせたい!』」
「でも先生たちは『絶対無理!』」と言って、
ママたちと先生たちで揉めて辞めてしまったの」
「それで今日から図書館で、勉強をすることにしていたんです」
「塾を辞めて間もなくて合格は厳しいのに、
お兄ちゃんを両親に紹介しづらいから内緒にしましょう」
景竜「みんなは、それでいいのかな?」五人が一様に頷く。
景竜「よし」「善は急げだ」
「ここから歩いて八分かからない距離だし、早速大学へ行こう」
「みんな、いいかい?」
妹たち「うん」「お兄ちゃんの大学に早く行きたい」
異口同音に可愛いことを言う。
特に本好きの野々花は、気持ちが高揚した。
景竜が先頭を歩くと、トコトコとついて来る。
心配して後ろを振り向くと全員、嬉しそうにニコッと笑う。
笑顔を見るとメッチャ、幸せになる!
景竜の心の声「女の子に全く縁がない僕が小学生とはいえ、
こんな美少女たちと一緒にいられるなんて!」
人通りのない道から裏門へ。
裏門の前に、二階建ての家が建っていた。
景竜「大学合格が決まると、両親がこの家を賃借してくれたんだ」
妹たちは一様に「ウワァー、きれい!」
景竜「まあっ、そんなに古いわけじゃないからね」
裏門を抜けてすぐ近くに、大層立派な図書館が建っていた。
女の子たちは口々に「ウワァー、大きい!」と驚嘆の声を上げていた。
景竜は「この図書館は、一般の方にも開放しているんだ」と説明した。
そして、壁にあるドアから鍵を開けて部屋に入った。
十畳くらいの広さ、壁の棚には十台以上のパソコンが並び、数冊の歴史の本。
中央には五、六人が座れそうな円卓と背もたれのある椅子が八脚あった。
簡素な掃除が行き届いた綺麗な部屋だった。
妹たちと受験勉強
早速、円卓を囲んで全員が座った。
妹たち「お兄ちゃんのお部屋、綺麗」
景竜「ありがとう」「褒められて嬉しいよ」「じゃあ、勉強の話をしよう」
妹たちの話では「みんな国語と算数は合格点に達しているけど、
社会と理科が全然ダメ」という話だった。
景竜の心の声「みんな国語と算数が、できるということは頭はいい!」
「社会と理科ができないのは、単純に興味が湧かないからだと思う」
「これはイケると思った!」
夕暮れまで持参していた教材を使って勉強を見てあげた。
可愛い妹たちと大好きなお兄ちゃんとの勉強。
楽しくて、あっという間に時間が過ぎてしまった。
夕方。そして終了後、妹たち全員に鍵を渡した。
景竜「手違いで合鍵を五、六個、作ってしまったんだ」喜ぶ妹たち。
桃香「パソコンがたくさんあるのね?」
景竜「今、歴史ゲームを制作しているんだ」
「学校に合格して、よかったら、みんなで遊ぼうね」
妹たち「ワーイ、楽しみぃぃーっ!」
そして家まで送り届けた。
五人とも、高級住宅街にある大きな屋敷で御近所だった。
景竜「受験前日まで、あの部屋にいつもいるからね」
「そして心配だから必ず、送り届けるね」景竜と妹たちの約束。
松本女学館の受験日は二月一日。
一月三十一日まで、一日も欠かさず妹たちは全員やってきた!
勉強はとても楽しかった。
優しくて正解すると褒めてくれる。
大好きな、お兄ちゃんに褒められると嬉しくて、更に頑張る。
相乗効果でグングン、学力は上昇していった。
それと妹たちの雰囲気が似ているし、最初顔が同じに見えたけど、
時が経つと別人だとわかるようになった。
妹たちは必ず、代わり番こに軽い食事を作ってきた。
おにぎり、サンドイッチ、クッキー、卵焼き、今川焼きなど。
どれも、とてもおいしかった!
クリスマスは妹たちの手作りケーキ! 軽いプレゼント交換。
正月も妹たちの手作りおせち! 近所の神社に合格祈願に初詣。
五人の美少女たちの着物姿は、すごくカワイィィーッ!
妹たちと景竜は、この三ヶ月、充実した時を過ごした。
二月一日の入学試験日。
朝、松本女学館の校門まで見送り。
午後、学校に迎えに、そして妹たちを家へ送り届けた。
妹たちは、一日と二日の親の付き添いは断ったらしい。
二月二日の合格発表日。
六人で恐る恐る、校内掲示を見た。何と見事、全員合格だった!
妹たちは泣いたり、笑ったりして大喜び!
景竜を囲んで「お兄ちゃん!」「ありがとう!」「大好き!」
「これからも一緒にいてね!」「結婚して!」
美少女たちが、それぞれの可愛い声でいろいろ言って抱きついてくる。
景竜は顔が真っ赤になって、気絶しそうな気分!
「みんな」「合格」「おめでとう」そう言うのが精一杯だった。
家までの帰り道も妹たちは、はしゃいでいたけど
景竜は、ずうっと心臓のドキドキが止まらなかった!
別れ間際、妹たちが一列に並んで恥ずかしそうに言った。
「お兄ちゃん」「この子を受け取ってください」
見ると景竜の手の大きさくらいの人形だ。しかも手作りらしい。
どうやら妹たち、本人がモデルらしい。
可愛くて、とても愛しく思えた!「ありがとう」「大切にするね!」
その言葉に大喜びして一斉に尋ねた。
妹たち「お兄ちゃん」
「受験勉強は終了だけど、これからも、お部屋にお邪魔していい?」
景竜「もちろんだよ」「むしろ僕の方から、お願いしたい」
「これからもよろしくね!」
妹たち「ありがとう!」「お兄ちゃん!」「大好き!」
景竜も妹たちも幸せで胸一杯だった!
妹たちと御両親たち
次の日、二月三日の日曜日の昼頃、
図書館の部屋でゲーム制作をしていると妹たちがやってきた。
伊織「お兄ちゃん」「突然で悪いけど、来てほしい所があるの……」「いい?」
景竜「僕が、可愛い妹たちの誘いを断るわけないよ」「どこでも行くよ」
妹たちに導かれてついていく。
着いた場所は妹たちの家の近所。そして、豪華な建物。
景竜「ここは?」
伊織「パパたちの会社の施設なの」
景竜「会社?」
野々花「実は野々花たちのパパは全員、同じ会社なんです」
景竜「えっ、同じ会社?」
桃香「マサミチって、いう名前なの」
景竜「マサミチなんだ」正直、少し驚いた!
マサミチは松本発祥の世界的企業で銀行、自動車、建設等
あらゆる業種を持つ巨大企業だ。
心「合格したから心たち、パパとママに、お兄ちゃんの話をしたら……」
美紅「パパたちとママたちが
『どうしても、お兄ちゃんに会いたい』って言うから急に、ごめんなさい」
景竜「謝る必要はないよ」「僕の方こそ、挨拶をおろそかにして申し訳ないよ」
この施設は、会社の会議、研修、パーティー等、
いろいろな催し物を行う場所らしい、ロビーも立派だ。
そして廊下を抜けて、ある部屋に入った瞬間、盛大に拍手された。
驚きながら見ると、すごい綺麗な女性五人と、
いかにも仕事ができる感じの男性五人。
あっち、こっちから「ありがとう」「上杉君」と感謝の言葉をかけられた。
景竜は恐縮して、五組のカップルに頭を下げまくってしまった。
そして、十人から自己紹介。 男性は全員、重役だった。
気を取り直して部屋の様子を見ると、
ここは会議室らしく、中央にO字型のテーブル。
それに背もたれのある椅子が二十個ほどあった。
景竜は促されるままに座り、妹たちと御両親も三人一組にそれぞれ座った。
親子がわかるように配慮したのだろう。
伊織パパ「昨日、娘から合格の知らせを聞いて、本当に驚いてしまった!」
「なぜなら妻から、学校と塾の先生の両方から
『無理だ!』と言われていると、話を聞かされていたんだ」
「塾は、家内たちと先生方が希望校で揉めて辞めてしまったしね」
「実は家内たち五人は、松本女学館の同級生なんだ!」
「だから、娘と妻の希望通りになってほしいと思うが内心諦めていたんだ」
「だが、予想を覆して三ヶ月で見事合格させた!」
他の男性四人も「ウンウン」と頷いている。
すると女性五人は、口々に「私たちは最後まで娘たちを信じていました」
すると桃香パパが
「まあまあ全員、見事に合格したんだからいいじゃないですかー!」
その一言に部屋全体が笑いに包まれた。
美紅パパ「そういうわけで私たちは上杉君に、とても感謝しているんだ」
「もちろん謝礼も、させてもらうよ」
景竜「この子たちは元々、頭脳明晰です」「僕は、ちょっと手助けしただけです」
「それに一緒に勉強していて、とても楽しかったです」
「そういう理由で謝礼は遠慮させてください」
野々花パパ「謙虚で手柄を誇ろうとしない」「能力もあるのに無欲」
「ますます気に入った」「大学卒業後、会社に来てほしい人材だ」
他の四人の男性も頷いている。
心パパ「私は大切な一人娘の婿に欲しい!」
他の男性陣からも、異口同音に「ぜひ娘の婿に!」
女性陣も、口を揃えて「息子に欲しいわ!」と騒ぎになってしまった。
景竜「結婚まで、まだ三年以上ありますし、本人たちの意思もありますから……」
景竜の言葉に反応して、
伊織「伊織は、お兄ちゃんと結婚したい!」
野々花「野々花は、お兄ちゃんと結婚したい!」
美紅「美紅は、お兄ちゃんと結婚したい!」
桃香「桃香は、お兄ちゃんと結婚したい!」
心「心は、お兄ちゃんと結婚したい!」
そして、五人一同で「五人一緒に結婚したい!」と告げた。
両親たちは、全員困り顔になった。
伊織パパ「ママたちが同級生で近所、
幼少の頃から五人、常に仲良く中学高校も一緒と決まったのに……」
野々花パパ「日本では、奥さんは一人と決まっているんだ」
その言葉に明らかに妹たちは落胆していた。
薄々、わかっていたけど改めて大人に言われると「やっぱり、そうだったんだ」
桃香パパは、励ますように
「三年以上あるのだから、みんなで上杉君に甘えさせてもらって……」
心パパ「江戸時代以前なら、
身分の高い男は奥さん大勢いても普通だったけど……」
美紅パパ「小説みたいにタイムリープ、できるわけじゃないしなぁ」
景竜「そうだ、今制作中のゲームは戦国時代の武将を選んで、
自由度も高いから奥さんも何人でも選べるんだ」
「受験も終わったし、ゲームが完成したら、思いきり六人で遊ぼうよ」
と優しく言った。
すると、妹たちは少し元気を取り戻して、ニコッと笑って「うん!」と返事した。
その瞬間、妹たちの瞳がキラリと光った気がした。
両親たちは、その様子を見て景竜の包容力に、ますます惚れ込んでしまった。
妹たちと決意
[ODD会議]開幕!
伊織「落ち込んでばかりじゃ、ダメよ!」「前を向きましょう!」「みんな!」
心「そうだ、お兄ちゃんは一人暮らしだから、
みんなで手分けして、お世話をするのはどうかな?」
野々花「いい考え!」「さすが、心ね」
美紅「食事、掃除、洗濯」「美紅たちのできることは何でもしようよ!」
桃香「三度の食事は桃香たちで作ろうよ!」
他の四人「賛成!」
[ODD会議]閉幕!
その日の夜、再び会社の施設に集まって、合格祝いのパーティーが開催された。
メンバーは同じ、食事は妹たちとママたちの手作りだけど結構、豪華。
服装は少し着飾る程度。
景竜は未成年なので、大人たちは一緒に飲酒できなくて残念がっていた。
会場に一台のピアノがあった。
妹たち全員が代わる代わる弾いてくれた。
景竜は音楽のことはわからないけど、
素直に「上手だな、素敵だなぁ」と感動した!
親御さんは満足そうに見守っている。
大人たちは、お酒が入ると饒舌になり、
五人の父親からは「娘をよろしく!」と言われ続けた。
さらに、五人の母親からは「息子になってね!」と頼まれ続けた。
妹たちは結婚の話に触発されたのか?
景竜にベタベタ甘えて隣に座って体をくっつけたり、
膝の上に座ってくるスキンシップが激しくなった。
両親たちは注意するどころか、黙認して応援している雰囲気だった。
景竜も美少女たちの攻撃に、
いい匂いがするし、可愛い声でささやくし、柔らかい体。
骨抜きにされて夢見心地になっていた。
聡い妹たちは見透かして
「もう、お兄ちゃん」「カワイイ」と胸がキュンキュンしてデレ発動!
妹たち「お兄ちゃん」「明日から御世話しちゃうね」
景竜は思わず「うん」と返事した。
両親に会った次の日の二月四日の朝早く、自宅の呼び鈴が押されたので、
ドアに近づくと妹たちの可愛い声がする。
「お兄ちゃん」「おはようございますぅ」
慌てて開けると五人の妹たちが買い物袋を持って立っていた。
「お兄ちゃん」「約束通り、お邪魔していい?」
景竜は昨日のことを「ハッ」と思い出して「どうぞ」と答える。
妹たちが家に入ると、それだけで家全体が、いい匂いに満たされた気がした。
妹たちは手分けして家事を始めた。
心が着替えを手伝ってくれた。恥ずかしかったけど、甘えてしまった。
みんな、テキパキしていて朝食作り、景竜の弁当作り、掃除、洗濯。
それに漫画、アニメソフト、ゲームソフトの整理整頓があっという間に終わった。
トイレも御風呂もピカピカです。
そこで景竜は料理を手伝った。
朝食は和風で、アジの塩焼き、納豆、生卵、海苔の佃煮、味噌汁。
全員で「いただきます」とても、おいしかった!
朝食時、一応尋ねた。
「みんなが来てくれて嬉しいけど、パパたちとママたちは御存知なのかな?」
「それと食材費は僕が払うよ」
桃香「安心して、お兄ちゃん」「パパとママも応援しているのよ」
野々花「『費用は気にしないでくれ』パパたちからの伝言よ」「お兄ちゃん」
そのセリフに少々、複雑な気持ちになったけど甘えることにした。
景竜の心の声「美少女たちとおいしい食事、幸せだなぁ!」
食事が終わると片付けして、妹たちは登校。
玄関で見送りしていると、美紅「お兄ちゃん」「夕食は何、食べたい?」
景竜「カレーが食べたい」
心「じゃあ、カレーにするね」
伊織「楽しみにしていてね」
午後、いつものように図書館の部屋で、
ゲーム制作をしていると妹たちがやって来た。
そこで、中学校の授業の予習の勉強を見てあげた。
休憩に各々、書籍を借りてきて読書をした。特に本好きの野々花は嬉しそうだ。
夕方、家に帰ってみんなで夕食を作った。
献立は野菜サラダ、コーンスープ、カレー!
カレーは、隠し味に工夫があるみたいでおいしかった。
「おいしい!」「おいしい!」と褒めると、妹たち一同は、とても喜んで
「もう、お兄ちゃんたらぁ大好きぃ!」とはしゃいでいた。
妹たちと奇跡の予感
そして五人が、ニコッと笑って手を差し出してきたので、
景竜は察して合鍵を取りに行った。
鍵を見て「あれっ」「ひとつしかないはずなのに五つもある」
「不思議」「最大値」と悩んでいても仕方がないので戻って、
妹たちにひとつずつ渡した。
それを嬉しそうに受け取る妹たち。
さらに不思議なことが起きる予感。
食後、片付けをして妹たちを家まで送る。
別れ際「淋しいなぁ」と思っていると、
勘の鋭い妹たちから「そんなに淋しがらないで」
「明日も会えるから」「我慢してね」と慰められた。
「男なのに女の子に心配させてゴメンね」と謝罪すると、
全員で囲んでギュッとしてくれた。
妹たちの心の声「そういう素直な、お兄ちゃんはホントにカワイイッんだから!」
メロメロになって、ほうけていると
妹たち「またぁ明日ね」と手を振っているのに気がついて慌てて振り返した。
完全に魅了されている景竜だった。
次の日の二月五日の朝。
布団で寝ていると、かなり重いような?
でも妹たちの可愛い声といい匂いがする。
美紅「お兄ちゃん」「起きて」
心「お兄ちゃん」「起きて」
桃香「桃香も、お兄ちゃんに乗りたい」
野々花「ダメよ!」「さすがに三人じゃ、お兄ちゃんが苦しくなっちゃうわ」
「野々花だって乗りたいのに」
伊織「お兄ちゃんの寝顔」「カワイイ!」「でも起きないわ」
「キスしたら起きるかな?」「キス」という言葉に反応して!
美紅「美紅がする!」
心「心がする!」
桃香「桃香がする!」
野々花「野々花がする!」
伊織「伊織がする!」と騒然となったので、さすがに景竜は目を覚ました。
見ると美紅が前、心が後ろに乗って揺すっていた。
桃香、野々花、伊織の三人が顔を囲んで見つめていた。
五人はなぜか? 残念そうな顔をしていた。
妹たちは自宅と学校にいる時以外は、大好きなお兄ちゃんにベッタリ。
そんな夢のような毎日を、三月いっぱいまで過ごしていた。
三月三十一日の夕方、やっとゲームが完成した。
景竜「とうとう、ゲームが完成したよ」
「明日の四月一日は、可愛い妹たちが中学生になる記念日だ」
「そこで御祝いを兼ねて、六人でゲームをしようよ」
すると妹たちが「ヤッタッー!」「嬉しいぃー!」「待ってたぁー!」
とすごい勢いで喜ぶからびっくりした!
そして、再び瞳がキラリと光った気がした。
四月一日。
いつものように妹たちに起こされ、
掃除、洗濯、朝食を済ませて、図書館の部屋へ。
景竜の心の声「変だなぁ」
「この図書館は市民にも人気があるから普段、人がたくさんいるのに」
「今日はなぜか?」「人の気配が全くしない」
「でも妹たちと約束があるし、気にしていても仕方がない」
気を取り直して、
妹たちにそれぞれのパソコンの前に座ってもらって自分も座った。
景竜「長くなるけど、遊ぶ前に説明するね」
「このゲームは戦国時代が舞台だけど、日本だけでなく世界全体なんだ」
「もちろん、本州、四国、九州を統一して終了してもOKです」
「そして、RPG要素も取り入れレベルもある」
「一から百、そして神」
「神レベルは不死身、不老、不死、想像したことは何でも実現する」
「ただし、迷いがある行為は実現しない」
「例えば、罪のない人を殺すとか自分の良心が痛む行為」
「火、水、風、雷、土、時の六つの属性」
「その属性になると属する能力を簡単に行使できる」
「もちろん、神レベルは他の全ての属性も、ある程度は行使できる」
「元号でなく西暦にしています」「その方が理解しやすいと思う」
「だから暦も太陽暦にしています」
「そして、この世界の人は誰でも日本語を話せるし、
日本の挨拶の御辞儀と侍の存在を知っている」
「便宜上、そう設定しました」
「あと、たばこがありません」
「匂いを嗅ぐと頭痛がして嫌いなのでなくしました」
すると妹たちも異口同音に「嫌い!」「髪に嫌な匂いが付く」
「たばこ臭い車に乗ると、すぐ酔ってしまう!」と賛成してくれた。
景竜「ふぅ〜っ」「こんなところかな?」
「そこで、今回はみんな初めてだし取りあえず、
神レベルでやってみようと思うんだけどいいかな?」
妹たち「お兄ちゃんの言うとおりでいいよ」
景竜「よし」「そうしよう」「あっ、属性を決めよう」
「みんな」「好きなものを選んで」すんなり、きれいに分かれた。
「火は桃香」「水は心」「風は野々花」「雷は伊織」「土は美紅」「時は景竜」
景竜「最後に武将と開始年月日の選択」
景竜「あっ、大事なこと」「本当にみんなは僕の奥さんでいいの?」
「武将にしなくて」「好みで農民、商人、何でも選べるよ」
伊織「お兄ちゃんのお嫁さんがいい!」
野々花「お兄ちゃんのお嫁さんがいい!」
美紅「お兄ちゃんのお嫁さんがいい!」
桃香「お兄ちゃんのお嫁さんがいい!」
心「お兄ちゃんのお嫁さんがいい!」
景竜「わかった」「 そうしよう」
すると妹たちはすごい嬉しそうだ。
何かに期待して、ワクワクが止まらない感じだ。
しかし、景竜は「ごめん」「始める前に、ちょっとトイレ」
景竜が離席する。
桃香「もう、お兄ちゃんたらぁ、いいところなのに」
伊織「そうよね」「早く、始めたいわ」
心「ねっ、取りあえず武将を選んじゃおっ」
野々花「そうね」「気が乗らないなら、選び直せばいいんだし」
美紅「好きな武将は『上杉謙信さん、直江兼続さん、立花宗茂さん』って、
お兄ちゃん言っていた」
「それと『今川義元さんは、本当は有能な武将なのに、
後世の評価が低くて気の毒だ』って言っていた」
心「あっ、その武将の話は心も聞いた」
伊織「伊織も」野々花「野々花も」桃香「桃香も」
野々花「お兄ちゃんの気になる武将に間違いないわ」
心「武将は今川義元さんに決定!」
桃香「開始年は、適当に千五百五十年」
「月日も選べるんだ」「今日の四月一日でいいや」
伊織「これであとは開始キーを押すだけね」
野々花「お兄ちゃんの気持ちと違っても、やり直せばいいんだしね」
美紅「早く」「お兄ちゃん」「来ないかな?」
景竜が戻ってきて、早足で着席した。「みんな、ごめんね」
そして、慌てていたので開始キーを押してしまった。
妹たちが「あっ、押しちゃったぁ」と思った瞬間。
ゲーム中の全てのパソコンが眩しく光り衝撃が……
次に部屋全体の空間が歪んだ。
そして、景竜たち、図書館、景竜の家がパソコンに吸い込まれた。
そのパソコンは、ある空間に包まれた。空間は永遠の空間。
しかし、なぜ? そんな空間が存在してパソコンを包んだのか?
誰にも、わからない。
十六世紀 ゲーム世界編
妹たちと今川義元
今川家は「足利将軍家、絶えなば吉良が継ぎ、吉良が絶えなば今川が継ぐ」
といわれたように将軍継承権を持つ、戦国大名随一の名家である。
また、義元本人も「海道一の弓取り」と称され、
他の武将たちから一目置かれた人物だった。
気付くと図書館の部屋の中だった。
衝撃のせいか? 多少、壊れ汚れていた。それなのに体は全員、無傷だった。
なぜか? ゲームに使用していたパソコンが全て、見当たらない。不思議だ。
しかし、それよりも不思議なことがある。全員、黄金色に光り輝いている!
そして妹たちの匂いが……
女の子特有のいい匂いがしていたけど、さらに花の香りがする!
妹たち一同に「お兄ちゃん」「花の香りがする!」と言われて気付いた。
景竜の心の声「僕も花の香りがする!」
「そして妹たちの声も」
「今までも十分可愛い声だったけど、パワーアップしてまさに女神の声!」
「これは一体?」と声を出してわかった。
僕の声もよくなっている?
その証拠に妹たちが「お兄ちゃんの声が、もっと素敵になっているぅ!」
と騒いでいる。
「つまり僕たちは黄金色に光り輝き、花の香りがして、声も神がかりしている?」
思考していると歳が離れた2人の精悍な男が部屋に入ってきて
「御館様」「奥方様」「大丈夫ですか?」と呼びかけてきた。
岡部親綱「気のせいか?」「皆様方の全身が黄金色に光っています!」
岡部元信「確かに」
先ほどの衝撃のせいか? ドアと窓が壊れて外れてしまっている。
男の正体はすぐわかった。この2人は岡部親綱、元信親子。
元信は桶狭間の戦いの折に信長から義元の首を取り返した。義将であり勇将だ。
それに「御館様」って僕のこと? 「奥方様」は妹たちのこと?
僕は今川義元?
つまり、僕が作ったゲームの世界! 今、流行りの異世界!
妹たち一同が心配そうに「お兄ちゃん」と声を出す。
そこで「大丈夫だよ」と声をかけた。
そして岡部親子に「僕も奥たちも大丈夫だ」「心配ない」と答えた。
全員で外に出た。大勢の人だかり。男女の奉公人たちもいるらしい。
「建物がいきなり、庭に現れた」「その中に御館様たちがいた」
「なんと、御館様と奥方様が黄金色に光っている!」
「お花畑のような、いい香りがしてくる!」
みんなが異口同音に騒いでいる。
景竜は顔を見渡す。すぐに、三人は誰だかわかった。
「黒衣の宰相」と称された太原雪斎。今川家、No.1の家臣。
遠江国(静岡県)掛川城主、朝比奈泰能。今川家、No.2の家臣。
桶狭間の戦いの時、
この両人がすでに亡くなっていたのは義元にとって不運であった。
そして、竹千代(七歳)のちの徳川家康。
なぜ? すぐにわかったのか?
それは景竜が作ったキャラクターだからだ。
歴史上の人物像は小説、映画、漫画、アニメ等によって形成される。
当時と後世とでは、イメージが乖離していることがある。
簡単に言えば、昔のことでよくわからない。
この世界の登場人物の性格は景竜のイメージです。
景竜の心の声「僕が誰だか?」「すぐにわかった」「今川義元だ!」
「あれっ」「上杉謙信で、プレイしようと思っていたのに」
「あっ、そういえば、そもそも武将を選んでいないぞ」
「しかし、そんなことよりとにかく、この場を収めないと」
わかりやすくするために、これから主人公を今川義元で表示します。
あと、この時代は人を名前で呼ぶのは禁忌で本来は官位で呼びます。
しかし、それでは、わかりづらいので名前で呼称します。
千五百五十年四月一日。ここは今川館(静岡市)。
義元と妹たちが元気そうなので集まった人たちは、少し安心したみたいだった。
義元「みんな、心配をかけてすまなかった」「僕も奥たちも大事ない」と言った。
するとさらに、みんなが驚愕した。声まで荘厳になっていたからだ!
まるで神そのものだ。
雪斎「御館様」「御無事で、ようがざいました」
泰能「御館様に何かあれば駿河、遠江、三河の行く末が心配です」
その言葉に岡部親子が「まさに」と答えた。
雪斎「しかし、その後光は、いったい?」「香りと声も?」
「この未知の建物は?」
義元がどう返答するか? 考えていると……
竹千代がびっくりして、あどけない表情で、こちらを見ている。
そんな竹千代に妹たちが反応して、おおはしゃぎ。
「カワイイ」「誰?」「この子?」
美少女五人に抱きつかれたりして、彼も嬉し恥ずかしそうだ。
そんな雰囲気に場が和む。
落ち着いてくると、
図書館と自宅が庭を破壊してしまっていることが気になってきた。
「あっちゃあー」「図書館と家をなんとか、どかさなくちゃ」と思ったら、
なんと二棟の建物が、一メートルほど浮いた。
義元自身がびっくりしたけど「とにかく、空き地にでも置かなくちゃ」
と思ったら、両方とも館の外へ、ゆっくりと飛んでいってしまった。
次に荒らされた庭が気になって直さなければと考えたら、
見る見る修復していった。「これは神設定が生きている」と確信した。
この状況に大勢の人たちが、
びっくりしていると今度は気品のある女性がやってきた。
寿桂尼だ。つまり義元の母親。
寿桂尼「息子殿」「これはいったい何事ですか?」
真実をすべて、話せないので……
義元「理由はわかりませんが突然、僕と奥たちは神の力を得たらしいです」
「すみませんが、今から奥たちと話し合いたいので母とみんなは、
それぞれの持ち場に戻ってください」
寿桂尼「いいへ」「私も話に参加します」
「これは今川家の大事、そして私は義元の母親なのですから」
その発言に「困ったなぁ」と思考していると……
[ODD会議]開幕!
伊織「伊織たちの願いが叶って、
お兄ちゃんが作ったゲームの世界で、全員お嫁さんになれたわ!」
美紅「でも喜んでばかりいられないよ」
野々花「そうお兄ちゃんを巻き込んでしまった、
あと、選択武将は今川義元さんでよかったのかしら?」
「そしてお母さんを話し合いから、外れてもらうように説得しなくては……」
桃香「桃香たち、五人でお母さんに頼んでみようよ」
心「『夫は妻が支えます。お母様は安心して見守ってください』
こんな感じじゃダメかな?」すると四人から「いいと思う」「賛成」
[ODD会議]閉幕!
妹たち一同「夫は私たち、妻が支えます」
「お母様はどうか、安心して見守ってください!」と言うと
あっさり寿桂尼が「あなたたちの言う通りですね」
「わかりました」「あとは任せます」と言って行ってしまった。
そして、他の者たちも続いて持ち場に戻っていった。
義元の心の声「あれっ」「おかしいな、寿桂尼は極端な親バカに設定したのに?」
「妹たち全員が話ししたことは、相手が納得して承諾してしまうとか?」
「これも、もしかして?」「神の能力?」
義元「そうだ」「伊織は、体調はどう?」
いつも、すぐに疲れた顔になる伊織を心配していたのだ。
伊織「お兄ちゃん」「ありがとう」
「この世界に来てから、体調がとてもいいわ!」
義元「それは、よかった!」「いつも心配していたんだ」
他の妹たち「やったぁー!」「おめでとう!」「嬉しい!」「バンザイ!」
伊織「みんな」「ありがとう!」涙を浮かべる伊織。
他の妹たちは自分のことのように喜んでいる。微笑ましい光景だ。
義元「みんな」「僕の家に行こう」
妹たち「うん」「わかった、お兄ちゃん」と家を想像した途端に、
なんと全員が瞬間移動した。
目の前に自宅と図書館。そこは館のすぐ外の空き地だった。
そして、少し壊れた建物を見て「修理しなければ」と思うと瞬く間に修復した。
その状況を見て、義元は確かめたくなった。
「みんな」「足元の石を僕に当たるように投げてみて」
最初「えっ!」って顔になったけど、すぐに真意を悟って全員で石を投げた。
そして、石が当たると思った瞬間、
体に当たらず見えない壁に弾かれてコロコロと落ちた。
やっぱり、神設定は存在している。
義元の心の声「フッフッフ」「僕は手にいれたぞ」
「神の力を手に入れたぞ!」「僕は!」「僕は!」「ゴッドマンだ!」
昔、見た漫画の名場面をパロディして妄想する義元。
賢い妹たちが察して
「お兄ちゃんたら、また、二次元の世界に浸っている……」と微笑む。
しかし、妹たちは「ハッ」っと思い出して!
妹たち一同「お兄ちゃん」「ごめんなさい!」
心「いつまでも、この六人で、ずうっ〜と一緒にいたくて!」
美紅「奇跡が起こることを願っていたの!」
桃香「お兄ちゃんが作った、ゲームが必ずそうしてくれるって!」
野々花「だって憧れだった、お兄ちゃんを与えてくれた!」
「希望校に合格させてくれた!」
「だから、きっと今度は全員、お嫁さんにしてくれる!」
伊織「妹たち、みんなが信じていた!」
「だから、こんなありえないことが起きた……」
妹たち「妹たち全員で『お兄ちゃんと永遠に一緒にいたい』って願ったの!」
「でも、お兄ちゃんを巻き込んでしまって、ごめんなさい」
義元は、妹たちの話を穏やかな表情で聴いていた。
義元「どんな時代、どんな場所であろうとも、
僕は可愛い妹たちと一緒にいたいよ!」
「だから謝る必要なんて、ひとつもないよ」
その言葉に、妹たち全員が涙ぐんで
「やっぱり、お兄ちゃんはいつだって優しい!」
伊織「でもあと、今川義元さんでよかったの?」
心「心が『今川さんのことを気にしていた』って言って、決めちゃったの」
義元「嘘は嫌いだから正直に言うと、実は上杉謙信でプレイしたかった」
「でも今川義元もいいよ」「当時、最も天下に近い人物」
「順当に行けば、織田に勝つはずだった」
「そうならなかったのが、勝敗の怖いところだ」
「それに謙信でプレイしたら、謙信に会えないよ」
「だから心も、みんなも気にしないでね」
妹たち「本当にお兄ちゃん、優しくて大好き!」
そう言って妹たち、みんながギューと抱きついてきた。
義元は頭がボオーとして幸せ状態。
妹たちと神の能力の確認
暫くして、我に返って言った。
義元「みんな」「僕たちの能力を確認してみよう」
すると妹たちが「うん、お兄ちゃん」と言って手を離してくれた。
義元「僕たちは不死身、不老、不死!」
「迷いがない限り、想像したことはすべて実現する!」
「電話ボックスも、いらない」「まさに神の力だ!」
義元「いわゆる超能力」「これから実践してみよう」
「最初に念話を試してみよう」
妹たちの心に話しかける。「可愛い妹たち」「僕の声が聞こえる?」
すると、はしゃぐように全員から
「頭の中に直接、聞こえるよ!」「お兄ちゃん」と返事があった。
心「これで携帯電話はいらないね」
美紅「うん」「とても便利だね」
義元「実際に話す時と念話は、その状況に応じて臨機応変に使い分けていこう」
義元「次は透視と千里眼」
「あそこに視界を遮る太い幹がある」
「あれが透けると、みんなで想像してみよう」
妹たち「うん、わかった」「お兄ちゃん」
そこで想像してみると幹が透けて、先の景色が見えた。
妹たち「うわっ!」「見えるよ!」「お兄ちゃん」
しかし妹たちが、あることに気付いて一言「エッチなことに使うちゃダメよ」
義元「はい」「気を付けます……」
義元「と、ところで、みんなペンギンは好き?」
妹たち「大好き!」
義元「今度は南極にいるペンギンが見えると想像してみよう」
そうするとヨチヨチ歩く、かわいいペンギンが見えた。
妹たち「ぺ、ぺ、ペンギン!」「かわいい!」と歓声を上げていた。
義元「次に念力」何もない空間から大きな岩を作り出して、
妹たちの目の前にそれぞれ置いた。つまり、これは物質創造能力。
義元「みんな、その岩を好きなように動かしてみて」
妹たちは今更ながら少し驚いたけど、
すぐに冷静になって「動いて」と思ったら難無く動いた。
義元「今度は砕いてみて」
そこで妹たちが「砕けて」と思ったら簡単に砕けた。
義元「よし」「体を浮かせてみよう」
妹たち「お兄ちゃん」「浮いてるよおー!」「ちょっと怖いー!」
これも、すんなり全員できた。慣れれば空も飛べるだろう。
義元「瞬間移動はすでに実践した」
「重大な物質創造能力を先ほどの岩のように再度、確認しよう」
「RX−7! FD! K仕様!」カッコイイ、黄色いスポーツカーが出現した。
妹たち「ウワァー!」「素敵な車!」
伊織「でも『K』って何?」「お兄ちゃん」
義元「ケイスケさんだ」その一言で妹たちは察した「架空キャラね……」
義元「そうだ、この際、この能力を使って和服に着替えよう」
「今の服装では、周囲から余計に奇異の目で見られてしまう」
妹たち「うん」「わかった」「お兄ちゃん」
早速、各々が好みの和服に着替えた。
義元「みんな、とても似合っていて可愛いよ!」
妹たち「ありがとう」「お兄ちゃん」
義元「それに宝石とか、ブランド品も出せるはずだよ」
妹たちは義元の発言に首を振る。
妹たち「お兄ちゃんがそばにいてくれたら、他は何もいらないよ!」
義元は、その言葉に感激して目が潤んでしまった。
「ありがとう……」感激の余韻に浸ってしまう。
義元「あっ、取りあえずFDは消去してと……」
義元「次は、みんなの属性の能力を試してみよう」
妹たちに等間隔に横一例に並んでもらい、銘々に大きい岩を置いた。
「みんな」「その岩を単純に『攻撃する』と思ってみて!」
妹たち「うん」「お兄ちゃん」すると
桃香から、炎の球が岩を溶かした。
心から、冷気が岩を氷漬けにしてカチンコチン。
野々花から、風が刃になって岩を両断。
伊織から、雷が岩を直撃して砕いた。
美紅から、石が岩を貫いた。
やはり、決定した属性通りだった。
義元「そして、他の属性も行使できるはず」
義元「みんな」「やってみて」
「炎で攻撃」「氷で攻撃」「風で攻撃」「雷で攻撃」「石で攻撃」
すべて簡単にできてしまう。「難無く、全部できてしまうね」
妹たち「うん」「お兄ちゃん」
義元「あと、治癒能力を試したいけど、誰も怪我していないし……」
そこに都合よく、左前足から出血している柴犬らしき犬が現れた。
妹たちが「かわいそう!」
そして「治したい!」と思った途端に見る見る足が治癒した。
犬自身が驚いた様子で、喜んで走って行ってしまった。
妹たちも、それを見て驚くと同時に、とても喜んだ!
妹たち「犬さん」「よかった!」
そして、義元は、ふと気付いた。
そういえば、これだけのことが今日、一日起きたのに全く疲労感がない。
これも神の力なのか?
一頭の蝶が飛んでいる。
義元は蝶に「死んで」と語りかけた。
すると羽ばたきが止まり、ヒラヒラと落ち始めた。
しかし「生き返って」と言うと再び羽ばたきを始めた。
その様子を妹たちも驚いて見ていた!
義元「僕たちは、生き物の生死も安易に決定できるらしい」
「人間も例外ではないだろう」「秘孔を突く行為も、ノートも必要ない」
「だが、生死を弄ぶ行為は嫌いだ」「だから、この能力は不行使にしよう」
すると妹たちも一斉に賛成してくれた。「殺生は嫌いです」
桃香「ところで、お兄ちゃんの『時』って、どんな能力なの?」
他の妹たちも「教えて」「お兄ちゃん」
義元「漫画のキャラの能力を参考にしたんだ」
「ズバリ」「時を止める能力」「もちろん自分は動ける」
「止められる時間、範囲は無制限、さらに自分の好きなところまで逆向できる」
「さらにさらに、この世界で経過した時間なら日時を選んで、
何度でも戻ることもできる」
「例えば『あの日は、大失敗して後悔した』
そういう場合にやり直すことができる」
伊織「すごい能力ね」「お兄ちゃん」
義元「時を止めた世界でも、みんなは動けるからね」
「逆向も、やり直したことも感知できる」
そんな説明をすると妹たちは嬉しそうだった。
義元「実践してみよう」
上空を眺めると鳥が群れを成している。
「世界」「停止」鳥の動きがピタッと止まった。雲も停止した。
美紅「本当に止まった!」心「でも、心たちは動けるよ!」
義元「世界」「逆向」今度は鳥の群れが後ろに向かって飛び始めた。
妹たち「ウワッー!」「おもしろい!」野々花「逆再生を見てるみたい!」
義元「世界」「進行」世界は何もなかったように通常に戻った。
妹たちと義元の決意
義元「ところで、みんな」「最後に確かめたいことがある」
妹たち「何?」「お兄ちゃん」
義元「みんなで、アメリカへ行こう!」
妹たち「えっ!」「アメリカ?」
義元「そう、十六世紀のアメリカ大陸!」
野々花「この時代には、まだアメリカという国はないのよ」
他の妹たち「そうなんだ」
妹たち「うん」「わかった」「お兄ちゃん」
義元「僕たちには、念話があるから逸れても大丈夫だと思うけど、
念のため輪になって手をつなごう」六人で輪になって手を握った。
そして、義元が「みんなでアメリカへ」と思った瞬間。
景色は見慣れないものに変わっていた。
「無事に瞬間移動、できたみたいだな」と思っていると
「キャッー!」と言う女性の悲鳴が突然、聞こえてきた。
「悲鳴の発生場所へ」と思うと再び瞬間移動した。
すると飛び込んできた光景は、
六歳ぐらいのインディアンの幼女とその母親らしき女性が、
五人組のヨーロッパ人の男たちに銃で殺されそうになっていた!
向こうは、こちらの存在に全く気付いていない。
妹たち「お兄ちゃん」「助けてあげて!」
義元「世界」「停止」この辺りの時が止まった。
妹たち「なぜ?」「この人たちは、こんな酷いことをしているの?」
義元「これが大航海時代の真実なんだ!」
「アメリカ大陸、アジア、アフリカでも、これが日常茶飯事だったんだ」
妹たち「え〜!」「酷い!」「そんな!」
妹たち全員が、ショックのあまり泣き出してしまった!
義元は、男たちを遥か遠くへ瞬間移動させた。
「世界」「進行」停止していた時が動き出す。
「僕も心が痛いけど、十六世紀の世界の真実をみんなに知ってほしい!」
「いいかい?」
妹たちは、一様に涙ぐみながら「うん!」と力強く頷いた。
そして、南アメリカ、アジア、アフリカでも同じような光景に出くわした。
もちろん、襲われている現地人は全員助けた。
義元「この殺戮の世界を変えたい!」「協力してくれないかな?」
妹たち「もちろんよ」「お兄ちゃん」「こんな人殺しの世界は嫌い!」
義元「みんな」「ありがとう」「今川館に帰って、これからの方針を話し合おう」
妹たち「うん」「お兄ちゃん」
今川館に帰り、母と家臣たちに挨拶をすると皆、安堵の表情を浮かべた。
今日は、いろんなことがあったので、やはり心配をかけたみたいだ。
「母と家臣たちを不安にさせたくない」と思う義元だった。
ところで義元は早速、館の中央を広げて空きを作り、
例の家をパズルのワンピースみたいにはめた。
義元の心の声「そういえば、息子の氏真が見当たらない」
「この世界の設定では、
僕の奥さんは五人の妹たちで定恵院(武田信玄の姉)と結婚していないからだ」
「お嫁さんは可愛い妹たちで、とても幸せだ!」
「そして、妹たちをきちんと大切にしなければいけないな!」
義元と妹たちは家に入り、テーブルを囲んで椅子に座った。
義元「これから、僕の構想を説明するね」
妹たち「うん」「お兄ちゃん」
義元「その前にどうしても、言いたいことがある」
妹たち「聞かせて?」「お兄ちゃん」
義元「僕たちには、この世界に干渉せず、
悠々自適に生きる選択肢もあるけど、これは選ばない」
「なぜなら、今川義元が歴史から退場して信長、秀吉、家康の既存のルートは、
第二次世界大戦の日本の悲劇が、再び繰り返される可能性が高い」
「全国各地の空襲、広島と長崎の原爆、
中国大陸と朝鮮半島でのソ連兵と現地人による虐殺」
「これらは必ず阻止したい!」
「そして神の力を得た僕たちは、ひとりでも世界を統べる能力がある」
「その能力者が六人もいるのだから、
みんなで協力して世界の人々を平穏に導いていこう!」
妹たち「やっぱり、お兄ちゃんは優しい」「大賛成です」
義元「安寧の世界を築く!」
「その担い手に相応しい民族は日本人だと、歴史を観て本気で思っている」
「植民地において、日本ほど優しい政策をした国はないと思う」
「また、縄文、平安、江戸時代の長期の平和は、世界全体で見て特殊だ」
「そして室町幕府に比較してなぜ、江戸幕府が安定していたのか?」
「答えは簡単、他の大名たちに対して強大な力を保持していたからだ」
「だから、日本を圧倒的な強大な国にする」
妹たち「具体的には、どうするの?」「お兄ちゃん」
義元「将来、日本の脅威になり得る国を四つあげたい」
「アメリカ、ロシア、イギリス、中国」
「十六世紀の今、まだアメリカ、カナダと言う国は存在していない」
「そのまま、アメリカという国を成立させない」
「ロシアは、まだウラル山脈を越えていない」
「そのまま、ロシアにウラル山脈を越えさせない」
「ヨーロッパ人は、まだオーストラリア、南極を発見していない」
「そのまま、イギリスにカナダ、オーストラリアを占領させない」
「つまり台湾、樺太、千島列島に加えて、
北アメリカ、シベリア、オーストラリア、南極を頂戴する」
「そこで、中国にはシベリア、沖縄、台湾を保持して牽制する」
「また現在、グリーンランドにヨーロッパ人は居住していない」
「そして、ヨーロッパ人がいないグリーンランドを統治する」
義元「圧倒的な日本の力、僕たちの神の力」
「これらがあれば『戦争のない世界を創る!』
僕の理想が実現できるかもしれない」
「みんな」「どうか協力してください」
義元は妹たちに深々と頭を下げた。
妹たちは壮大な話に驚嘆していたが、
さらに敬愛する、お兄ちゃんに頭を下げられて、びっくりしてしまった!
妹たち「そんな頭を上げて、お兄ちゃん」
「大好きな、お兄ちゃんに協力するよ!」
義元の心の声「強大な力には、大きな責任がある」
「強大な力を持つ者は、力なき者を守らなければいけない」
「覚悟はいいか?」「僕はできてる」
妹たち一同は、お兄ちゃんが重圧を感じているのに気付いて言った。
「お兄ちゃんは頭がよくて、とても優しい」
「お兄ちゃんの判断は、きっと正しい」
「妹たち五人は、いつまでも味方よ!」
義元「ありがとう」「みんなのお陰で自分の『信じる道』を歩いていける!」
義元「ひとつ、世界的には、まずアメリカ大陸、アジア、アフリカで、
虐殺を繰り広げるヨーロッパ人をヨーロッパに閉じ込める」
「ちょうど、うまい具合にオスマントルコ帝国が最盛期を迎えている」
「ウラル山脈とオスマン帝国と大西洋のラインで閉じ込める」
義元「ふたつ、今、日本は戦国時代で孤児が溢れている」
「国内的には、まず全国に対応した孤児院を兼ねた学校を設立する」
「その学校は静岡平野、今川館に隣接させる」
義元「みっつ、そして命の危機にある者を救うために緊急避難所を設置する」
「例えば、餓死しそう、
猛獣と対峙している、悪漢に襲われている、崖から落下している」
「このような、このままでは危機が確実な場合は
『助けて!』と思えば避難所に瞬間移動するシステムを作る」
「これは世界、全ての人が対象です」
義元「僕は本来、目立つ行為は好きじゃない」
「『能ある鷹は爪を隠す』この、ことわざが好きだ」
「しかし、今回はそうしない」「世界中で目立ちまくる」
「その意義は、
慈悲心を持ち神の能力を保持する者が出現したことを認知してもらうためだ」
「そうなれば、世界の人々は安心するだろう」
義元「話が長いね、みんな」「ごめんね」
妹たち「ううん」「大丈夫よ」「お兄ちゃん」
義元「そう言っても、今日はいろいろあったし疲れたよね?」と言ったが……
義元の心の声「そういえば先程も思ったけど、やはり全然、疲れていない」
「お腹も空いていない」「この世界に移転してから、誰もトイレに行っていない」
「これも神の力を得た影響なのか?」
「しかし、エッチな気持ちは存在している」と妹たちを見ながら考えていると
「お兄ちゃんのエッチ」と妹たちになぜか? 嬉しそうに言われた。
「みんな、すごい美少女だから……」と思っているとますます嬉しそう。
「あれ?」「やっぱり僕の心を読んでいる?」
妹たちはバツの悪そうな顔をした。
「疑念から確信に変わったけど、それがいい」
「『妹たちが一番大切!』この偽りのない気持ちが言葉にしなくても伝わる」
「本当に『以心伝心』だ」「これは素晴らしいと想う」
「そんなことを考えている」と妹たちが満面の笑顔を見せてくれた。
義元「繰り返し、みんなに宣言します」
「世界の人たちをなるべく多く救うために、
このゲーム世界の開始の時からやるべきことはみっつ」
「ひとつ、ヨーロッパ人をヨーロッパに閉じ込める」
「ふたつ、日本全国の孤児を救う」
「みっつ、救いを求める世界の人たちを救う」
「このみっつを円滑に実行しましょう」
妹たち「うん」「お兄ちゃん」
妹たちと世界をやり直し
義元「みんな」「この世界をやり直します!」
「世界」「四月一日の転移した時に!」
すると、妹たちにも時間が逆に飛ぶのを感じた。
そして、最初の図書館の部屋に戻った。
一瞬で和服に着替え、
また同時にアメリカ大陸、アジア、アフリカにいるヨーロッパ人を静止させた。
そして、上空に義元と妹たちの映像を映し出して宣言した。
「僕は日本の侍」「今川義元です」
「あなたたちの現地人に対する、極悪非道は許せません!」
「ヨーロッパにお帰りください」「そして、そこにいてください」
ごく自然に六人全員で手をつないで、ヨーロッパに移動するのを想像した。
すると、全てのヨーロッパ人がヨーロッパの以前の居住地に瞬間移動した。
そして、さらにヨーロッパを囲む、
ヨーロッパ人は通過できない見えない壁をウラル山脈、
オスマン帝国、大西洋に設置した。
その事実は千里眼の能力で確認できた。義元は上々の首尾に正直「ホッ」とした。
それと、同時に世界の人々の上空に巨大な六人の姿を投影して宣言した。
「僕は日本の侍」「今川義元です」「そばにいる女性たちは妻です」
「伊織です」野々花です」「美紅です」「桃香です」「心です」
「六人で力を合わせて、人々が安心できる世界を築いていきたいと想います」
「よろしく、お願いします」と御辞儀をした。
義元「危機に迫っているときは『義元、助けて!』と思ってください」
「餓死しそう」「獣やならず者に襲われている」「高所から転落している」
「このような場面です」
「それと権力者に言っておきたい」「自身の欲望で戦争をしないでください」
最後に再び、六人で御辞儀をした。暫くしてから、その映像は消えた。
ほぼ同時に本州、四国、九州の上空に六人の映像を映し出した。
同じように自己紹介して後述の宣言を加えた。
「父と母を失った子供、両親が面倒を見てくれない子供、身寄りがない子供は、
又は、そういう子供を見かけたら
『義元、助けて!』と思ってください」と明言した……
もちろん、これは拠り所がない子供を救うための措置です。
世界は今、大騒ぎになっている。「日本から侍の神が出現したらしい……」
そして日本でも「駿河の武将の今川義元が神になったらしい……」
世界中に向けて、発信した意図は戦争を止めたい。
「生き神が戦を嫌っている」「神様を怒らせないようにしよう!」と思えばいい。
この意図は大当たりして、怒りを恐れて誰もが自重した。
今川館は喧騒に包まれていた。
義元と妹たちは早速、図書館の部屋を出て大広間に……
そして館にいた家臣たちも直ちに集まった。
奉公人たちも少し離れた場所から、こちらをうかがっている。
そこで義元は奉公人たちにも、よく聞こえる所に移動してもらった。
名前がわかる者は太原雪斎、朝比奈泰能、岡部親綱、元信親子、
母である寿桂尼、まだ七歳の竹千代(徳川家康)も特別に来てもらった。
義元と妻である妹たちは黄金色に光っている!
お花畑にいるようないい香りもしてくる! 明らかに常人ではない。
義元「僕と妻たちは僥倖にも神の能力を得た」
「この能力を駆使して、戦のない世界にして静謐を築きたい」
「そのために皆の協力を仰ぎたい」
義元は深々と頭を下げた。五人の妻たちも同様に続いた。
声も荘厳に満ちている! ここにいるすべての者が神との遭遇を感じた。
太原雪斎が代表して答えた。
「御館様」「奥方様」「頭を上げて下さい」
「私共は御館様の崇高な志に心服しました」「微力ながら働かせていただきます」
そして、深く御辞儀すると同時に他の家臣たちも全員が続いた。
義元「みんな」「ありがとう」
「この駿府でやるべき、大きな事業はふたつ」
「国内にいる、主に孤児を対象とした孤児院を兼ねた学校の運営と
国内外の人々を対象とした緊急避難所の運営です」
義元「学校(孤児院)の概要を説明します」
「今川館に隣接した平野に設立」「男女は別」「風呂は温泉」
「館の庭に落ちた、図書館を活用」「勉強だけでなく、男女問わず戦の訓練」
「仏教の四諦八正道を教える!」「日本及び世界に貢献する人材を目指す」
「それから、図書館には多種多様な本があるので、誰でも気軽に利用してほしい」
義元の心の声「この世界の人が読んで不都合な本、部分は消去しますね」
「そして女性も強くあってほしい」「せめて、護身術だけでも身につけてほしい」
「それと四諦八正道は史上最高の論理だと思う!」
「僕の大雑把な解釈では、全ての人を幸せに導くために最善の道を歩む!」
「そんな感じだと思う」
義元「緊急避難所の概要は……」
「穏やかな無限の草原を創造します」
「そこに出入りできる門を今川館の門のそばに設置」
「日本人に比べて大きい白い人、黒い人もいるだろうけど、決して差別しない」
「心身ともに疲れた人たちが来るから、親身になって接する」
「世界中からいろんな人たちが避難してくるから大変だが、お願いします」
義元「最後に強力な、助っ人を紹介します」
「彼たちには学校と緊急避難所の仕事に、まず専念してもらいます」
広げた両腕の掌から物資創造能力で、二体のロボットを創造した。
しかし、見たこともないのが突然、出現したので居並ぶ者たちは、
さすがにびっくりしてしまった。
家臣たち「御館様」「その者たちはいったい?」
義元「わかりやすく言えば、機械仕掛けで動いている」
「機械仕掛けで動く者を『ロボット』と名付けよう」
「名前は、人型ロボットのアムと猫型ロボットのドラも」
「アムは力が強く、空も飛べる」
「ドラもは僕のように、いろいろな物をその場で創造できる」
義元の心の声
「もちろん、ふたりは敬愛する漫画家の作品のキャラクターを参考にしている」
義元「あと、ふたりには治癒能力があり、
なんと自己増殖能力、自己減衰能力も備わっている」
「ふたりとも、人間が大好きだ」
「子分、手下と思わずに友達だと思って接するように、皆にお願いします」
家臣たち「御意」
義元「じゃあ、ふたりとも」「皆に挨拶して」
アム「僕はアム」「みんな、よろしく」
ドラも「僕、ドラも」「みんな、よろしくね」
家臣たち「しゃ、しゃべった!」
さすがに最初は驚きを隠せずいたが、
親しみやすさと好奇心で打ち解けていったようだ。
ちなみに両人は館の一室に住んています。
義元「学校と緊急避難所の運営の総括は、太原雪斎殿」
「その補佐に朝比奈泰能殿」
「子供たちの勉強の御助力に母上」「お願いします」
「軍事訓練に岡部親綱殿、元信殿」
「竹千代殿は、多くの子たちと触れ合ってください」「これも勉強です」
「力仕事はアムに……」「施設、品物の相談は、ドラもにすればいいだろう」
「母上」「みんな」「お願いします」
寿桂尼「わかりました」「息子よ」
家臣たち「御意」
今川館、全体が活気で動き始めた。
妹たちと明智光秀と木下藤吉郎(豊臣秀吉)
義元「僕は今から、有能な人物を連れてくる」
家臣たち「御館様」「心当たりがあるのでしょうか?」
義元「ああっ、美濃(岐阜県)と遠江(静岡県)に行ってきます」
と言うと義元と妹たちは瞬間移動した。
妹たち「お兄ちゃん」「誰に会いに行くの?」
義元「信長に天下を取らせた男と天下人になった男だよ!」
野々花「楽しみね」「お兄ちゃん」
義元「うん」「ふたりのために演出を用意しよう」
美濃国、某所
明智光秀の心の声
「上空に姿を現した今川義元殿」「もちろん、この美濃でも大騒ぎだ」
「その御仁からの訪問を伝える書状が、いつの間にか、なぜか?」
「私の机の上に置いてあった」
「うだつが上がらない男に何の用だろう?」
そんなことを思考していると「ヒィヒーン!」と空の方から、
よく響き渡る馬のいななく声が聞こえる。
外に出て見上げると巨大な華やかな馬が空から、こちらに向かって駆けてくる。
あれは泰平の世に現れる聖獣、麒麟! よく見ると人が数人、背に乗っている。
近所の人たちも大騒ぎだ。そして光秀のすぐ近くまで来て急停止。
六人の男女が手を振りながら、ゆっくり降りてきた。
光秀は驚嘆して「き、き、麒麟が来た!」と言うのが精一杯だった。
六人が着地すると麒麟が忽然と消えた。
義元「僕は駿河の今川義元です」「御目にかかれて光栄です」「明智光秀殿」
妹たち「妻です」「初めまして明智様」
六人は黄金色に輝いて、花の香り、声も荘厳! まるで神の如し。
呆気に取られていたが、なんとか「明智光秀です」「今川義元様」と返事した。
騒ぐ人たちに六人は時折、手を振り光秀に尋ねた。
義元「すみません」「御宅にお邪魔して、よろしいですか?」
光秀「これは気が利かず、申し訳ありません」「みすぼらしい家ですが、どうぞ」
義元と妹たち「ありがとうございます」
家の中が明るく、そして花の香りに満たされた!
六人は部屋に通されて座った。光秀も対面に座った。
早速、義元は本題を切り出した。
「突然ですが日本、世界のために僕に仕えてくれませんか?」
「日本、世界……」光秀は内心、驚いたけど、
これは無職同然の光秀には願ってもない話。
「ありがとうございます」「断る理由がありません」と頭を下げた。
義元と妹たち「こちらこそ、ありがとうございます」と御辞儀を返した。
光秀「ところで、ふたつ質問してよろしいですか?」
義元「どうぞ、明智殿」
光秀「ひとつは、なぜ麒麟で来られたのですか?」
「もうひとつは、なぜ何の功名もない私なのですか?」
義元「まず麒麟は泰平の世を望む、光秀殿に相応しいです」
「それと突拍子もない話ですが、並行世界と言いますか、
多種多様な世界があって、ある世界で光秀殿が飛躍するのを知っているのです」
「そういうわけで、能力を高く買っているのです」
光秀「私には雲をつかむような話ですが……」「わかりました」
「御期待に応えるように励みます」
義元「期待しています」「では次の目的地に一緒に行きましょう」
光秀「えっ、どちらへですか?」
義元「遠江です」と答えると、七人がスゥと消えた。
遠江国、松下之綱邸
之綱「藤吉郎(豊臣秀吉)」
「『御館様が御主に面会したいから儂にも立ち合え』
という内容の書状がいつの間にか、机の上に置いてあった?」
「それも不思議だが、なぜ御館様が御主に会いに来るのだろう?」
「心当たりはあるか?」
藤吉郎「いいえ」「正直、見当もつきません」
そんなやり取りしていると、急に辺りが眩しくなった。
東から太陽がもう、ひとつ昇ってきた。つまり、朝日(日輪)!
その朝日から空を滑るように、近づいてくる人たちがいる。
庭に降り立ったのは、今川義元と妻たちと明智光秀の七人だった。
すると、同時にふたつ目の太陽がスゥーと消えた。
義元「僕は今川義元です」「お会いできて嬉しいです」
「松下殿」「木下殿」「よろしく、お願いします」
「今日は、麒麟の好敵手の朝日を用意しました!」
「なぜなら、日輪は木下殿にピッタリだと一考しました」
藤吉郎「えっ?」「えっ?」と戸惑ってしまう藤吉郎だった。
義元「こちらは妻たちと明智光秀殿です」
「明智殿はつい先程、仕えていただくことになりました」
妹たち「妻です」「こんにちは」「松下様」「木下様」
光秀「明智光秀です」「よろしく、お願いします」
之綱「御館様」「本日は、お越しいただき、ありがとうございます」
藤吉郎「御館様」
「今日は、わざわざお越しいただき本当に、ありがとうございます」
光秀以外の人たちは黄金色に光っている、花の香り、声も威厳がある!
初めて、ふたりは面会したわけだが「やっぱり神様」だと思った。
之綱は部屋まで、七人を案内した。
義元の両脇に妹たちが並んで座り、対面に藤吉郎が座った。
そして、その両側に之綱と光秀が座った。
義元「明智殿を見て、木下殿は僕の用件がおわかりですね?」
藤吉郎「『義元様の家来』という話ですか?」
義元「さすが木下殿、話が早い」「日本、世界のために仕えてくれませんか?」
藤吉郎「夢のような話です」「お願いします」と即答した。
義元と妹たち「こちらこそ、ありがとうございます」
義元「松下殿」「今回は、ありがとうございます」
「御礼は、させていただきます」
之綱「滅相もありません」
そして、義元は金の延べ棒、一キロをその場で作って渡した。
光秀、藤吉郎、之綱は、びっくりしていたが義元は気にしない素振りで
「では明智殿」「木下殿」「駿府に行きましょう」と言うと八人は瞬間移動した。
駿府(今川館前)
孤児院を兼ねた学校は、ドラもの能力で壮大な規模になっていた。
あらゆる学校の施設に大学の図書館、温泉まである。
そして、日本全国から事情がある子供たちが集まったのだから……
百万人、超えるかも?
駿府(今川館に隣接する門から出入りする異空間)
緊急避難所も大規模になっていた。
食料が山のように積まれて、たくさんの人が安心した表情に……
そして、感謝の声。
食料をもらっている人々。無数のアムとドラもが傷病を治癒している。
世界中から命の危機にあった人たちが集まっている。
義元と妹たち、光秀、藤吉郎は駿府周辺の現状を
太原雪斎と朝比奈泰能に案内されて見て回った。
光秀と藤吉郎は、目を丸くして驚いていた。
学校は、たくさんの子供たちの笑顔が印象的だ。
寿桂尼が読み書きの指導を……
そして、岡部親子が剣術指導をしているところも見た。
義元と五人の妹たちが学校を訪ねると、もちろん大人気だ。
子供たちから感謝の言葉が溢れた。
「義元様」「伊織様」「野々花様」「美紅様」「桃香様」「心様」
「ありがとうございます」
いつ死んでもおかしくない状態から、
食べ物の心配のない生活になったのだから、喜びもひとしおだった。
義元は小さくて、カワイイ女の子たちに囲まれると、とても嬉しそう。
妹たちも笑顔だったので、幼女は容赦するみたいだ。よかった。
そして、子供たちにとっておきの贈り物が……
それは自動車と飛行機。
三菱A型!(日本初の自動車)と会式一号機!(日本初の飛行機)
意図は、日本を世界随一の技術立国にする。
「すごい」「走るぞ」「飛ぶぞ」とりわけ、男の子たちは大喜びだった。
そして、安全のために速度と高度に制限をかけた。
義元「明智殿」「木下殿」「この二つの施設の運営に関わってください」
「特に、この学校から『世界を支える人物を輩出したい!』と想っているので、
太原雪斎殿たちに協力をお願いします」
光秀と藤吉郎は義元の大志に感動して、心から「御意」と答えた。
漸く、四月一日の長い一日が終了した。
そして、日中に自分たちの姿を上空に投影したように、
夜は世界の全ての人たちの夢に現れた!
内容は、ほぼ同じ。これを昼と夜に十日繰り返した。
こうして否が応でも義元と妹たちは、世界中の人々に神だと認識された。
妹たちと主上(天皇)、足利将軍
四月二日、今川館の朝。
義元と妹たちが並んで座り、家臣たちも腰を下ろして対面。
義元「今日は、京に行って主上(天皇)と将軍をお助けしてくる!」
雪斎「それは良案だと思います」「ところで誰か?」「お供につけますか?」
太原雪斎、朝比奈泰能、岡部親綱、元信親子、明智光秀、木下藤吉郎、
竹千代の顔が見える。
みんな、京にお供したい雰囲気だ。
義元「昨日、学校と緊急避難所を立ち上げて間もない」
「みんなには、それらに専念してもらいたい」
「竹千代殿にも、学校の子供たちと親しくなってほしい」
「はい」竹千代は嬉しそうに返事した。同年代の友達ができて、楽しいらしい。
義元「時期が来たら、みんなに同行をお願いします」
「それまでは駿府で精励してください」
「あと、明日から二十日ほど、
奥たちと世界中を駆け巡るので姿を見なくても心配しないように……」
「学校には、なるべく子供たちの様子を見に行きます」
「では各々、お願いします」
家臣たち「御意」
西暦千五百五十年、京都は長引く戦により荒廃していた。
御所もあちこちが破損して、修繕されないままになっていた。
その酷い有様を見て涙を流す男が……
このゲームの世界で今川義元に転移した物語の主人公、上杉景竜だった。
妹たちは、大好きなお兄ちゃんが泣いているのを初めて見て、
驚き慌ててしまった。
美紅「お兄ちゃん」「泣いているの?」
伊織「伊織たちの大切な、お兄ちゃんを泣かせたのは誰?」「許せないわ!」
桃香「桃香たちが、やっつけるぅ!」
心「お兄ちゃんは心たちが守る!」
野々花「みんな、慌てないで」「少し違うみたい」「ねっ、お兄ちゃん」
義元「みんな心配かけて、ごめんね」
「そして、ありがとう」「みんなの想いが嬉しいよ」
「日本の代表である、主上のお住まいの御所の荒れ果てよう……」
「戦の時代とはいえ、誰もこの状態を直す余裕がない……」
「そう想うと哀しくて……」
妹たち「お兄ちゃん」
「みんなで全ての人が笑顔、溢れる世界にしましょう!」
義元「ありがとう」「そうだね」「よし」「六人で大きな仕事をしよう」
妹たち「お兄ちゃん」「何をするの?」
義元「御所を修繕して、
そして、戦国時代に戦により消失した日本全国の建物を復元する」
「手をつないで輪になって念じよう」
妹たち「うん」「お兄ちゃん」
義元の言うとおりに行動すると、
京を中心に波紋のように北は函館辺り、南は九州までの全ての建造物がなんと、
すべて復元した!
そして、その状況を千里眼で確認した。
これには、御所に勤める者たちが驚いて外に出てきた。
すると黄金色に輝く人たちがいる!
「あれは今、噂で持ち切りの駿河の今川様!」
目が合うと笑顔で義元から話しかけてきた。
「おはようございます」と神々しい声!
「あっ、おはようございます」と思わず返した。
義元「僕は駿河の今川義元です」
「御所の方たちですね」「ちょうど、よかったです」
「主上に献上させてください」
「献上って、何も持っていない」と思っていると……
見る間に、両手に抱えきれないほどの金の延べ棒が出現した。(重さ100キロ)
これには腰が抜けるほど、びっくり仰天! そういえば花の香りもする!
お礼を言って、数人がかりで金の延べ棒を運んだ。
それを見届けて、全員で御辞儀して去ろうとすると……
「お待ちください」「主上がお会いするそうです……」
義元「お会いします」と即答した。躊躇していたら、失礼だと思ったのだ。
当時の主上は、慈悲深いと名高い後奈良天皇!
義元と妹たちは簾越しに面会した。
妹たちは、いつもと変わらず大らかだが、義元は緊張していた。
主上「今川殿の話は昨日から、よく耳にします」
「五人の奥方と共に神の能力を得たと?」
「そなたは、その力をどのようにしたいのか?」
義元「この僥倖は天下泰平に導くために、天から授かったと愚考いたします」
「自分は不才ですが、熟慮を重ねて前言の世界を創造します」
主上「篤実かつ、真摯な言葉」
簾がスルスルと巻かれて……
「頼みましたぞ!」と言葉をかけた。義元と妹たち「はい」深々と頭を下げた。
御所をあとにして……
義元「主上に、お会いできて喜びだ!」
義元「今度は、将軍にお会いしよう」
「うん」「お兄ちゃん」と楽しげな妹たち。
一緒にいられるのが、嬉しくて仕方がないのだ。
花の御所。 足利将軍家の邸宅。
戦火で焼け落ちた部分も、
先刻の義元たちの物質創造能力により完全に修復していた。
その邸宅の一室が、張り詰めた空気に支配されていた。
それもそのはず、
将軍の足利義藤(義輝)、その父の義晴、義藤の家臣の細川藤孝、
義晴の家臣の六角定頼(南近江)、細川晴元(山城国)、
晴元の家臣だった三好長慶(阿波国)、長慶の家臣の松永久秀の七人。
わかりにくい、複雑な人物関係だが、
とにかく京で将軍に関与する重要人物たちです。
あと、将軍足利義輝が通称だが千五百五十年当時は、
まだ義藤と名乗っているので義藤と綴ります。
この七人は、気付くと机の上に手紙が置かれていた。
不思議に思い目を通すと「京の平穏のために話し合いに参加してください」
「そして、将軍の下に結束してほしい」としたためてあった。
差出人は今川義元。昨日から話題で持ち切りの今川殿。
今日は、なんと夢にまで現れた! 思いを巡らしていたら、突然この部屋にいた。
上座に足利将軍親子。対面に武将たちが座っている。
そして、さらに驚くことが起きた。
花の香りさせた、黄金色に輝く人たちが出現した!
この会合を主導した、今川義元と五人の妻たちだった。
義元は真っ先に行動した。義元「おいたわしい義晴様」
義元が、足利義晴に話しかけると全身のむくみがなくなり、
痛みも嘘のように消え失せた。
「今川殿」「全然、痛くない」「かたじけない」
義元「お役に立てて幸いです」これには、皆が目を見開いて驚愕していた!
義晴は去年の暮れから、水腫張満と言う病を患っていた。
ちなみに義元の「義」は、義晴からの偏諱で受けたものです。
義元は跪き頭を下げた、妹たちも倣った。
「今日は皆様の承諾を得ずに集合していただき、誠に申し訳ありません」
「しかし、単刀直入に申します」
「武家の棟梁である足利将軍に心を寄せて、一致協力していただきたい!」
そして義藤と義晴に深々と頭を下げたので、他の者たちも倣うように頭を下げた。
なぜなら義元は声まで荘厳で、まるで神!
その神が将軍に敬意を払っているのに、誰も不平など言えなかった。
義元「これから日本は、世界に貢献する国を志します!」
「国内で争うのは終わりにしましょう」「皆様、よろしいでしょうか?」
神々しい義元に、
そう発言されては誰もが反発する気持ちが起きず自然に頭を下げて頷いた。
義元は「ありがとうございます」と武将たちに御礼を言っている。
義藤は、その光景に感激して「今川殿」「感謝する!」と声をかけた。
義元「将軍様は、これからは世界に対しては日本を代表していただきたい」
「お願いします」
義藤は、その言葉に嬉しそうに頷く。
将軍義藤は喜んでいるが、義元は義晴に近づいて述べた。
「義晴様の病は、むくみと痛みを取り除いたのです」
「天命は変えていません」「了承してください」
義晴「気にするでない」「むくみと痛みがなくなって、爽快じゃ」
義元「恐れ入ります」
義元「それでは、今日は皆様」
「ありがとうございました」と言い終わった瞬間。
定頼、晴元、長慶、久秀はそれぞれの居城にいた。
京都の出来事は瞬く間に全国に知れ渡り、
ますます、世間の人々は義元を生き神と崇めた。
妹たちと南極
四月三日の朝。
義元「今日から、海外で行動します」
「まだヨーロッパ人が到達していない」「南極に行きます」
妹たち「やったぁー」「ペンギンさんに会えるぅ!」
五人の美少女たちが、はしゃぐ様子にほっこりする義元。
義元「まず、南極点に行ってみよう」
桃香「南極点?」
野々花「簡単に言うと、自転する地球の最南端よ」
伊織「さすが物知りね」心「本当ね」美紅「うん」
義元「じゃあ、南極点に行こう」
妹たち「うん」「お兄ちゃん」
南極点は、マイナス六十度に達して激しい風も吹く氷の世界。
バッチリ、防寒しないと即座に死んでしまうはず。
妹たち「お兄ちゃん」「寒くないね」
これも神の能力? 強い風が吹いても、暖気が義元たちを包んでいる。
だから、着ている和服が春の装いなのに全く寒くない。
義元「そうだね」「景色は、すごい凍えそうなのにね……」
「じゃあ、ペンギンに会いに行こう」
妹たち「わーい!」
人間を恐れず、近寄って来ることもあるペンギン。
そんな、ペンギンたちと美少女たちが戯れている。
「心が和むなぁ」と思う義元。
妹たちとニュージーランド
四月四日の朝。
人が密集している場所の上空。
その空を旋回していると、地上の人たちが気付いて騒ぎ出した。
ニュージーランドの現地人をマオリという。
上空に映し出され、夢に現れた黄金色に輝く人たちがやってきた。
日本の侍の神が来てくれたと大喜び。
地上に降り立ち、会話を進めると統治するようにお願いされた。
もっけの幸いだったので了承した。
そして、これからは現地人同士で戦をしないことを約束した。
妹たちとオーストラリア
四月五日の朝。
オーストラリアの現地人をアボリジニという。
ニュージーランドと同様の反応だったので事なきを得て、
これからは争わないことを約束をした。
なるべく、あちこちを駆け回って現地の人たちと親交を深めた。
そして、妹たちがコアラと戯れてはしゃいでいた。
本来ならコアラは人に懐かないらしいが、
そこは女神の能力で野生動物も魅了してしまうらしい。
何はともあれ南極、ニュージーランド、オーストラリアを日本に編入した。
妹たちとグリーンランド
四月六日の朝。
義元「今日はグリーンランドに行こう」
美紅「緑の島?」野々花「本当は北極圏にある氷の島よ」
心「野々花は、やっぱり物知り」桃香「桃香たちの知識担当ね」
伊織「お兄ちゃん」「昨日は南」「今日は北ね」
義元「そうだよ」「世界中に行くからね」
妹たち「うん」「お兄ちゃん」
義元「まず、北極点に行こう」
北極点は、南極点に比較するとかなり暖かい。それでもマイナス三十度になる。
義元の心の声「四月は、マイナス二十度になるはずだけど寒くないなぁ」
妹たち「お兄ちゃん」「氷の世界なのに、やっぱり寒くないよ」
義元「うん」「寒くないね」
グリーンランド。
かつてはヴァイキングが定住したこともあるが、
千五百五十年当時は消滅している。
現在は、カラーリット・イヌイット(エスキモー)という現地人が定住している。
昨日と同様に義元一行は、各地で神として大歓迎された。
妹たちとシベリア
四月七日の朝。
シベリア。シビル・ハン国。
千五百九十八年に、ロシアに滅ぼされるまで存在したモンゴルの後裔国家。
国王に訪問すると、やはり神として歓待された。そして、恭順を申し出てきた。
喜んで応じて、ロシアから守ることを約束した。すると国王はより一層、喜んだ。
そして、さらに方方のタタール人と面会した。
こうしてグリーンランド、シベリアを日本に組み入れた。
妹たちと北アメリカ
四月八日の朝。
義元「今日から六日間、北からアメリカ大陸を縦断します」
妹たち「今回はアメリカ大陸を巡るのね」
義元「そうだよ」「僕の可愛い妹たち」
妹たち「うん」「お兄ちゃん」
北アメリカは、ツンドラ地帯にエスキモー(イヌイット・ユピク)が、
温暖な地帯にインディアンが定住している。
インディアンの居住地は、広大なので瞬間移動して、あちらこちらを訪ねた。
どこでも、これまで以上に大喜びして歓迎してくれた。
危害を加えるヨーロッパ人の姿が消えたのが、よほど嬉しいらしい。
これからもヨーロッパ人から守ること、
これからはインディアン同士で争わないことを約束した。
もちろん、エスキモーにも訪問した。
四月十日までの三日間、広大な北アメリカを巡った。
そして四月も十日になり、
人知を超えた義元と妹たちの全世界の人々に対する、
昼と夜の夢の中の挨拶は終了した。
慈悲深い神の出現に世界は歓喜に沸いた。
妹たちとアステカ帝国
四月十一日の朝。
義元と妹たちは、湖の島の上空にいた。
メキシコ中央部で最大勢力のアステカ帝国。
絶頂期にあった帝国は、なぜか? 千五百二十一年に滅んだ。
スペインに侵略されたのだ。
スペイン軍は国王を殺害、金銀財宝を略奪、
都市を破壊して暴虐の限りを尽くした。
その上、スペイン人から伝染した疫病により現地人の人口が激減した。
征服された住民は覇気を失っていた。
滅亡から、約三十年後、日本から侍がやって来た。
もちろん、現在はスペイン人たちはいない。
ヨーロッパ人は全て、ヨーロッパに閉じ込めた。
住民たちは義元たちに気付くと大歓喜した。
義元は財宝と都市を元の状態に戻した。
すると一層、大喜びして統治を願い出て来た。
そこでスペインから守ること、インディオ同士で争わないこと、
人身御供の風習の禁止を約束した。
混血児の複雑な問題もあるし、放置できないと決断したのだ。
妹たちとブラジル
四月十二日の朝。
義元と妹たちは、南アメリカの空に飛来した。
南アメリカは、ふたつの国に蹂躙されていた。
南アメリカの東のブラジルでは、ポルトガルが、
現地のインディオとアフリカから連行した黒人を奴隷として酷使していた。
すでにポルトガル人たちは、ヨーロッパに戻されたので奴隷から解放されていた。
義元たちが出現すると、過酷な環境から救ってくれた神として大歓迎された。
故郷に帰りたい黒人は全員帰した。
ポルトガルから守ること、インディオ同士で争わないことを約束した。
妹たちとインカ帝国
四月十三日の朝。
南アメリカの西のインカ帝国は、
スペインに首都のクスコを征服され街を破壊されていたが、
ビルカバンバ(帝国の最後の都市)で
サイリ・トゥパック(皇帝)が抗戦していた。
スペイン人は、ヨーロッパに強制移動させられたので間一髪救われた。
皇帝は、義元を神として大歓喜して出迎えた。
そして帝国の統治を懇願され快諾した。
スペインから守ること、インディオ同士で争わないことを約束した。
こうして、日本は南北のアメリカ大陸を編入した。
つまり、これはハワイを始めとした太平洋の島々も
日本領になったことを意味した。
妹たちと千島
四月十四日の朝。
義元「今日から五日間は、日本周辺の地域を訪問します」
妹たち「うん」「お兄ちゃん」
義元「今日と明日は、千島列島と樺太に行きます」
心「千島?」桃香「樺太?」野々花「千島も樺太も北海道の北にある島よ」
美紅「野々花は、ホントによく知ってるね」
伊織「本当にそうね」「ねぇ、お兄ちゃん」
義元「僕もそう思うよ」「すごいね」
野々花は、お兄ちゃんに褒められて嬉しそう!
他の妹たちも、みんなニコニコしている。いつも愛らしい五人です。
千島列島には、アイヌが居住している。
義元たちは、住民たちに気付くように低空飛行した。
多くの人が手を振ってくれた。
そして、大きい集落を発見すると地上に降りて対話した。
何日も空と夢に出現した義元たちを、もう神としか思えない。
そんな認識が世界中に浸透していた。
だから、どこでも神として歓迎されて話は、円滑に進んだ。
妹たちと樺太
四月十五日の朝。
樺太には、アイヌの他に少数ながらウィルタとニヴフが居住している。
飛行、瞬間移動を併用、主要な集落に訪問した。
そして、なるべく多くの人と対面した。
義元は彼らに、こういう話をした。
「これから大勢の和人が来るが、仲良くしてほしい」
「僕も言い含めておくけど、問題があったら遠慮なく申し出てください」
「アイヌ、ウィルタ、ニヴフ、和人で争わないでください」
「自分たちの文化を大切にしてください」
こうして、樺太と千島も治まった。
妹たちと北海道
四月十六日の朝、北海道。
千五百五十年、北海道にはアイヌ。そして、渡島半島に和人が居住している。
そこで義元は会合を書状で知らせて、蠣崎季広(後の松前氏)の館がある松前に
蠣崎氏の主君に当たる安東舜季(後の秋田氏)と
アイヌの首長のチコモタインとハシタインを瞬間移動させて集まってもらった。
黄金色に輝き、花の香り漂う義元たちに圧倒されてしまった四人。
なぜなら、神にしか見えなかった!
義元「僕は駿河の今川義元です」「こちらの五人の女性は妻たちです」
「今日の会合」「ありがとうございます」「大切な話があります」
「 皆様、よろしくお願いします」と言うと深々と頭をさげた。
そして、妹たちも一斉に倣った。声も神々しい!
義元は、空中に世界地図を投影した。
このことに驚きの表情していたが、そのまま話し始める。
シベリア、南北アメリカ等を統治、そして世界を安寧に導くことを説明した。
桁外れの話に、さらに感嘆してしまった。
義元「これから蝦夷(北海道)に和人が流入します」
「文化の違いから軋轢もあると思うが、
そこは相手の気持ちを考慮して円満であってほしい」
「僕はアイヌと和人を差別しません」「同じ日本人として対応します」
「アイヌの方々は従来の生活を送ってもいいし、
日本語を習得して外の世界を目指してもいいと思います」
「日本人同士で争わないことをお願いします」
「不安もあると思いますが、決して悪いようにしません」
「重ねて皆様、よろしくお願いします」改めて深々と頭を下げた。
そして妹たちも同様に頭を下げた。
四人は神の如き義元に御辞儀をされて不服は言えず、
むしろ崇高な志に心服してしまった……
妹たちと台湾
四月十七日の朝、台湾。
住民はオーストロネシア語族(南島語族)。他に中国人と日本人が居住している。
現在の中国の王朝は明。台湾が中国に編入されたのは、次の王朝の清。
ヨーロッパ諸国も統治していない。つまり、まだどこの国にも支配されていない。
すでに「日本から世界を安泰に導く神が出現した」という認識が
世界中に満ちていたので、台湾でも大歓迎された。
義元は、これからは住民同士で争わないことを約束した。
妹たちと琉球
四月十八日の朝、琉球(沖縄)。
千六百九年に琉球は島津氏に征服されたので、
約六十年、日本に編入されるのが早くなった。
第二尚氏王統、尚清王の時、
義元と妹たちが首里城を訪問すると琉球は歓喜に包まれた。
王、自ら統治を懇願してきたので快諾したが、王としての権威を保持するとした。
そして、住民同士で戦をしないことを約束した。
妹たちと中国、モンゴル
四月十九日の朝。
義元「今日から三日間、外国の人たちを訪問します」
桃香「桃香、楽しみ」「お兄ちゃん」「どこの人たちに会うの?」
義元「中国、イスラム諸国、ヨーロッパだよ」
美紅「美紅は少し怖いな」伊織「お兄ちゃんと一緒だもん」「大丈夫!」
美紅「うん」「お兄ちゃんといれば安心ね!」
野々香「お兄ちゃんに抜かりはないわ!」
心「お兄ちゃんは、いつも心たちを大切にしてくれる!」
妹たちが一斉に「お兄ちゃん」「ありがとう!」
義元「僕の方こそ、ありがとう!」「可愛い妹たち」いつも、和やかな趣だ。
明はモンゴルの元を北へ逐った。しかし最大の脅威は未だ、その北元である。
北京。紫禁城。
明の皇帝(朱氏)、嘉靖帝は暗君である。
心情的には義元と面会したくない。しかし今、ここ北京でも日本の侍。
神の話題で持ち切りだ。
皇帝「神を無視するわけにもいくまい」「書面で来訪を伝えてきた」
「あー、気が重い」と嘆いている時だった。
「はっ」と気付くと皇極殿の玉座に正装で座っていた。
すでに官史たちも整列している。内心、驚いていると更に驚愕することが……
どこからか? 美しい曲、花の香りが満ちくる!
そして、黄金色に輝く者たちが忽然と現れた!
女性たちは、みんな愛らしい美少女。
その威容に自然と官史たち全員が頭を下げてしまった。
そして、誰も一言も発することができない。
すると「皆様」「頭を上げて下さい」とよく響き渡る神々しい声がする!
もちろん今川義元である。
「僕は日本の侍、今川義元です」「こちらの女性は妻たちです」
「皆様」「よろしくお願いします」と頭を下げた。妹たちもそれに倣った。
義元「陛下」「単刀直入に申します」「私情で人を処刑しないでください」
「そして、これから戦はさせません」
その言葉に反応して、一人の男が突如として現れた。
北元の支配者、アルタン・ハーンだった。
そして、義元に頭を下げた。北元は、すでに帰服していることを理解した。
「全ての国民に教育を受けさせてください」「よろしければ、僕が出資します」
「あと、後継者問題を解決するために、これを差し上げます」
「これは『統治さん』」
空港に設置してある、金属探知機のような感じの作りです。
「例えば、次の皇帝を決定する場合は
『次の皇帝』と言葉をかけて候補者に順番に通過してもらいます」
「その者の中から、一番相応しい者の名前を発します」
「残念ながら朱氏から選ばれないときは、他氏にお譲りください」
「陛下」「官史の方々」「よろしいでしょうか?」
荘厳な雰囲気に飲まれて、そこにいる全ての者が「ハッハッー」と答えた。
「皆様、今日はありがとうございます」
「陛下」「後日、日本に招待します」
義元と妹たち「さようなら」と言うと消えてしまった。
妹たちとイスラム国家
四月二十日の朝。
千五百五十年、当時のインドは混沌としていた。
史実では、千五百二十六年に成立したムガル帝国が、
千五百三十九年にスール朝に滅亡させられた。
しかし、そのスール朝を千五百五十五年に逆に滅ぼして再建した。
スール朝を成立させたシェール・シャーは名君だったが、
息子のイスラーム・シャーは、才知に欠け王朝は混乱していた。
その一方で光明が、
ムガル帝国を再興したフマーユーンのまだ七歳の息子のアクバル。
フマーユーンは一時、イランのタフマースブ一世のもとに亡命していた時もある。
この息子のアクバルこそ、のちに偉大な王として名を残す人物です。
イラン・サファヴィー朝。
サファヴィー朝の難敵は、東のオスマン帝国と北のシャイバーニー朝。
タフマースブ一世は名君でもなく、かといって暗君でもない凡庸である。
オスマン帝国。
当時のオスマン帝国は最盛期を迎えていた。
スレイマン一世の度重なる海外遠征の成功の賜物です。
千五百二十九年には、神聖ローマ帝国の首都ウィーンを包囲した。
攻略はできなかったが、
ヨーロッパの奥深くまで侵攻した事実に強い衝撃を与えた。
義元は、イスラム教国の主要国である。
この統治者たちと会合を持つことにした。
スール朝のイスラーム・シャー、ムガル帝国のフマーユーン、アクバル親子、
サファヴィー朝のタフマースブー一世、オスマン帝国のスレイマン一世。
五人に事前に書状を送付して、異空間の一室に瞬間移動させた。
敵対する国の者が集まれば、不穏な空気になっていいはずなのに……
なんと、会場は温和な雰囲気に包まれている。
それは、日本の侍の神と女神の佇まいに支配されているからである。
どこからか? 美しい調べが流れ、いい花の香り漂わせて黄金色に輝く義元たち!
そして、五人の美少女の天使のような愛らしさ。
ここにいる全ての者が魅了されている。
義元「僕は日本の侍」「今川義元です」「こちらの女性たちは妻です」
「皆様」「今日は、お集まりいただき、ありがとうございます」
「よろしく、お願いします」と荘厳な声と共に義元と妹たちは頭を下げた!
義元「まずインドの話から、現在インドは戦乱」
「住民の惨状を思えば、一刻も早く終止符を打つ必要があります」
「そこで、アクバル殿に委ねることにします」
アクバルは、まだ七歳なので皆が驚いていたが、義元は話を続ける。
「彼は、偉大な王になります」「それは僕が保証します」
「確実に政治を担うようになるまで僕が後見します」
義元の荘厳に満ちた雰囲気に、イスラーム・シャーは反論できなかった。
義元「アクバル殿」
「いまだ、大小の国が存在していますが、戦で解決せず交渉で解決してください」
「僕も立ち会います」
「善政がインド全土に認識されれば、自然と交渉も円滑に進むでしょう」
まだ子供だが賢いアクバルは、義元の話がすんなりと理解できた。
義元「タフマースブ一世殿」「スレイマン一世殿」
「今、話した通り領土問題は交渉で解決してください」
「僕は戦争は許しません」「シャイバーニー朝には賛同を得ています」
「それと、全ての住民に教育を受けさせてください」
「資金不足の場合は、僕が出費しましょう」
「最後に皆様『統治さん』を受け取ってください」
「これは増殖機能を備えていているので後継者問題、
地方の長を決定する際にも活用してください」
「これを使用すれば、
最も相応しい統治者が一発で判明するので、無益な争いを防げます」
「今日は皆様、ありがとうございました!」と御辞儀する義元と妹たち。
義元「フマーユーン殿」「アクバル殿」
「タフマースブ一世殿」「スレイマン一世殿」「再び、日本で会いましょう」
「はい」と返事してしまう四人。
それを見て、義元と妹たちは
「皆様」「さようなら」と言って、頭をさげるとスゥーと消えてしまった。
妹たちとヨーロッパ諸国
四月二十一日の朝。
ヨーロッパの争いを終わらせるために、
主要国の統治者たちと会合を開くことにした。
ロシアのツァーリ、イヴァン四世、異称イヴァン雷帝。
ロシア史上でも稀に見る暴君。
神聖ローマ帝国(ドイツ、オーストリア等)の皇帝はカール五世。
彼はスペイン王のカルロス一世でもある。
フランス王のアンリ二世。
イングランド王のエドワード六世。
ポルトガル王のジョアン三世。
この五人の統治者に書状を送付して異空間の一室に瞬間移動させた。
統治者たち「これは、いったい?」
瞬間移動させられ、最初は全員が戸惑っていた。
しかし、不思議なことに美しい曲が流れ、いい花の香りが満ちて、
黄金色に輝く人たちが出現した!
その奇跡に感動と畏敬の念が生じて、
さらに義元の荘厳な声を聞くと心酔してしまった。
統治者たちの心の声「神々しい!」
義元「皆様、今日はお集まりいただき、ありがとうございます」
「僕は日本の侍、今川義元です」「こちらの女性たちは妻たちです」
「よろしく、お願いします」
妹たち「よろしく、お願いします」天使のようなカワイイ声が響く!
統治者たち「ははっ」
義元「これからは、戦争は止めていただきます」
「感情のままに人を殺めないでください」
「あと、全ての国民に教育を受けさせてください」
「資金不足の場合は、僕が出費します」
「最後に『統治さん』を贈呈させてください」「誰が後継者に相応しいのか?」
「簡単に判明するので利用してください」
「また、増殖機能もあるので各地で活用してください」
ただ黙って話しを聞いているだけの統治者たちだったが、
正しい発言なので全員「はい」と返答するしかなかった。
義元「皆様」「日本で再び、お会いしましょう」
義元と妹たち「今日は、ありがとうございました」
「さようなら」と言って頭を下げた。
すると瞬く間に消えてしまった。
そして呆気に取られていた次の瞬間、統治者たちは自分の国に戻っていた。
妹たちと日常の風景
妹たち五人は、幼い頃からずっと仲良しで、全員がお兄ちゃん大好き!
そして、義元も妹たち全員を等しく愛おしいと想っている!
だから、この世界に来た時から六人は常に一緒です。
ところで、人間の三大欲求は睡眠欲、食欲、性欲のみっつです。
ところが、神の力を得た義元と妹たちは睡眠欲と食欲を失ってしまった。
理由は「必要ない」と考えたのが原因かもしれない。
でも妹たちはゲームの世界とはいえ、
念願叶って結ばれたのだから、夫婦らしいことをしたいらしい。
現実世界から転移した借家は、
最初から存在していたみたいに、今川館の中心にピタッと収まっている。
二階建ての3LDK、家賃十万円の家は妹たちに改造された。
一階は風呂のみ。
だから、湯船に同時に六人が入っても、とてもゆったりしている。
ちなみに温泉です。
生理現象は失われたのでトイレはありません。
二階は畳を敷き詰めた居間兼寝室と台所、仕切りなし。
そして、瞬間移動ができるのでドアと階段はありません。
本当は、睡眠欲も喪失しているので眠る必要はない。
しかし、妹たちが「それでは、人間離れしていて嫌です」ということで、
全員一緒に寝ています。
都合のいい話で、眠ると決めると眠ることができるみたいです。
四月の朝、今川館。
義元の心の声「う〜ん、朝か?」「今日もいい匂いがする」
「毎朝、女の子特有の甘い匂いに包まれて幸せだ!」
自分の周りを見ると、妹たちが女の子らしい可愛い寝巻きを着ている。
「左腕に伊織が寄り添い、右腕に桃香が寄り添う」
「そして、左脚に野々花が抱きつき、右脚に美紅が抱きつく」
「そして、さらに心が僕の髪に触れている」
「各々、手で触れていたり抱きついていたり、みんな温もりを感じたいみたいだ」
「僕を中心に毎日、時計回りにずれていく」
「美少女に囲まれるのは嬉しいけど、とても困ることがある」
「それは、体の一部が硬くなってしまう」などと考えていると、
妹たちが目を覚ましてきた。
伊織「お兄ちゃん」「おはようございます」と左頬にキスっ!
野々花「お兄ちゃん」「おはようございます」と同じ左頬にキスっ!
美紅「お兄ちゃん」「おはようございます」と右頬にキスっ!
桃香「お兄ちゃん」「おはようございます」と同じ右頬にキスっ!
心「お兄ちゃん」「おはようございます」と額にキスっ!
義元「伊織」「野々花」「桃香」「美紅」「心」
「みんな」「おはよう」となるべく冷静を装い言ったが、
本当はチョー恥ずかしいぃ! ますます、硬くなってしまった。
[ODDプチ会議]開幕!
妹たち全員「お兄ちゃん」「ホント、カワイイ」
「毎朝、あんなに大きくして顔を真っ赤にして冷静なふりをして……」
「守ってあげたくなるうぅー」
「妹たち、みんなで支えようね」「うん、もちろん」
[ODDプチ会議]閉幕!
義元「みんな」「布団を片付けて着替えよう」
妹たち「うん」「お兄ちゃん」
布団は各自、異空間に片付けて、
服装も物質創造能力を使って自分の好みの和服に着替えた。
義元「早速、朝食と御弁当を作ろう」
妹たち「はい」「お兄ちゃん」そして、全員で朝食と御弁当を作ります。
食材は再度、物質創造能力でスーパーストアで揃える感じで用意します。
御飯は、もうすぐ炊飯器で炊き上がります。
義元「鮭は僕が焼くよ」
美紅「美紅がだし巻き卵を作るね」
桃香「桃香が味噌汁を作るね」
伊織「お兄ちゃん」「今日の御弁当のおかずは何がいい?」
義元「うん、ミートボール、唐揚げ、タコさんウインナーがいいかな」
伊織「お兄ちゃん」「全部、入れるね」
義元「ありがとう」
伊織「野々花」「心」「伊織たち、三人で御弁当を作りましょう」
野々花「野々花はミートボールを作るね」
心「唐揚げは心が作るね」
伊織「伊織がタコさんウインナーとサラダ、全体を見るね」
義元「それは僕も見るよ、伊織」
伊織「お兄ちゃん」「ありがとう」
義元「任せて」こうして和やかに朝食、御弁当作りは円滑に進んでいきます。
妹たち「できたわ」「お兄ちゃん」
義元「よし」「完成」「テーブルを用意してと……」
異空間から、大きな円卓を取り出して朝食を綺麗に並べた。
義元「さあ」「みんな、食べよう」
妹たち「うん」「ありがとう」「お兄ちゃん」
献立は定番の和食!
御飯、味噌汁、焼き鮭、だし巻き卵、自家製ぬか漬け、納豆、焼き海苔。
全員で合掌して「いただきます」
妹たち「おいしい!」「おいしいね!」
「みんなで食べるとおいしいね!」「幸せ!」
義元「可愛い妹たちと食事できて、僕も幸せ!」
妹たち「それは、みんな一緒よ」「お兄ちゃん」
こんな雰囲気で笑顔で食事します。
全員で片付けして、もちろん今日も、みんなで外出です。
世界各地で、いろいろな人物と面会。
義元「御弁当は、ヨーロッパのアルプスで食べようか?」
心「うん」美紅「賛成です」伊織「きっと、景色のいい場所ね」
義元「よし」「行こう」
義元と妹たちは、マッターホルンがよく見える高原に瞬間移動した。
桃香「あっ」「よく写真で見る山」
野々花「空気もおいしい」「いい所ね」「お兄ちゃん」
義元「みんなが、気に入ってくれてよかった」
妹たち「お兄ちゃん」
「妹たちは、景色よりお兄ちゃんと一緒にいることが一番、嬉しいのよ!」
義元は照れて「ありがとう」「みんな」
嬉し恥ずかしいのをごまかすように「さあ」「みんな」「御弁当を食べよう」
妹たち「うん」「お兄ちゃん」
ビニールシートを敷いて輪になって座り各自、御弁当を開けた。
全員で「いただきます」一口、食べて「おいしい!」完食して「おいしかった!」
義元と妹たちは、おいしい御弁当と美しい風景を満喫。
そして、義元は妹たちに声をかける。「一旦、駿府に戻ろう」
妹たち「はい」「お兄ちゃん」
毎日、欠かさず孤児院を兼ねた学校と緊急避難場所の様子を見に行きます。
学校で子供たちと触れ合い、避難所で避難者をいたわる。
そして、施設を支えている、武将たちと従事者たちに感謝の言葉を伝えます。
いつもは、温厚な妹たちが逆上する話。
それは、緊急避難場所での出来事です。
世界中から、いろいろな人が避難してくるから、
抱擁する文化の人もいるわけです。
義元と妹たちが避難所に訪問。
義元「みなさん」「大丈夫ですか?」
「緊急の時や困ったことがあれば、いつでも利用してください」
「遠慮はしないでください」と人々に声をかける。
その言葉に感動した白人の大人の女性。
「ありがとう」「サムライ」「義元」と言って抱きつこうとした。
それに、逆上した妹たちが女性を攻撃する。
桃香「桃香たちのお兄ちゃんに、何するのぉー!」と火の球を放つ。
心「心たちのお兄ちゃんに、何するのぉー!」と氷の槍を放つ。
野々花「野々花たちのお兄ちゃんに、何するのぉー!」と
刃と化した高速の風を放つ。
伊織「伊織たちのお兄ちゃんに、何するのぉー!」と雷を放つ。
美紅「美紅たちのお兄ちゃんに、何するのぉー!」と高速の石を放つ。
次の瞬間。
義元「世界」「停止」「そして逆向」
妹たちは、この辺りの時が止まり、戻っていくのを認識した。
義元は、女性が抱きつこうとした瞬間まで逆向させて、
女性を一時的に動けないようにした。
もちろん、義元たちが避難所を去ると女性は何事もなかったように動けた。
妹たちが一様に「お兄ちゃん」「ごめんなさい」涙目になって謝る。
義元「いいよ」「嫉妬してくれたんだよね」「むしろ、嬉しいよ」
「この世界で、僕たちは無敵だから、
時を止める能力を使う機会も滅多にないしね」
妹たち「お兄ちゃん」「ありがとう」
「お兄ちゃんは、やっぱり優しい」「大好き!」
妹たちに囲まれて抱きつかれて、恥ずかしくて照れる義元だった。
夕方。
帰宅すると妹たち「お兄ちゃん」「お風呂にする?」「夕食にする?」
「それとも可愛い妹たちにする?」とふざけて聞いてくる。
妹たちにからかわれているとわかっているけど、動揺してしまう義元。
義元「みんな、お風呂が好きだから、まずはお風呂でいいんじゃないかなぁ」
「僕はあとで、ひとりで入るから」「みんなで入ってきなよ」
妹たちが一斉に「ダメ!」「お兄ちゃんも一緒に入るの!」
「お願い!」「一緒に入って!」「お兄ちゃん!」
可愛い妹たちに「お願い!」と言われて断れるはずもなく。
義元「一緒に入ります」と恥ずかしそうに言う。
「わくわくっ!」とはしゃぐ妹たち!
全員で服を消去すると、やはり男は美少女たちの裸に目がいってしまう。
義元の心の声
「みんな」「ペッタンコ! つるつる! 縦筋一本!」「カワイイ!」
そして、やっぱり体の一部が元気になってしまう。
とても、手では隠し切れないので開き直るしかなかった。
義元は、視線を感じて恥ずかしくて仕方がなかったが妹たちは妙に嬉しそうだ。
桃香「お兄ちゃん」「桃香たちと一緒よ!」と言いながら、
両手で背中を軽く押してくる。
伊織、野々花「お兄ちゃん」「早くぅー!」と
右腕に抱きついて引っ張ってくる。
美紅、心「お兄ちゃん」「こっちよぉー!」と
左腕に抱きついて引っ張ってくる。
美少女たちに囲まれながら、お風呂の椅子に腰掛ける。
美紅「美紅が背中を流すね」「お兄ちゃん」
伊織「じゃあ、伊織は右腕ね」
野々花「じゃあ、野々花は右脚ね」
桃香「じゃあ、桃香は左腕ね」
心「じゃあ、心は左脚ね」
義元の心の声「可愛い妹たちに洗われる」「とても、気持ちいいぃぃぃー!」
「天国だ」と思っていると妹たち「お兄ちゃん」「前は妹たち全員で洗うね」
これには、さすがに義元は慌てて「前はダメ、ダメ、ダメぇー!」
妹たち「えっー!」「お兄ちゃんの体の隅々まで洗いたいのに……」
義元「前は自分で洗えるから」
義元の心の声「前はめっちゃ」「ヤバいって!」
あっという間に前を洗って湯船に逃げた。
ちょっと安心したのも束の間。
野々花が膝の上に座ってきた。「お兄ちゃんの膝の上に着席」
すると他の妹たちも「伊織も」「美紅も」「桃香も」「心も」と言って、
左右両側と背中にピタッと体の前面を押し付けてきた。
義元は慌てて「僕はもう上がるね」
「みんなは、ゆっくり温泉を楽しんでね」と言って逃げ出した。
桃香「あっー、逃げられちゃった」
野々花「本当にお兄ちゃんは可愛いね」
美紅「ずっと、あんなに大きくして我慢してる」
心「守りたくなっちゃう」
伊織「この五人で支えようね」
美紅「でも、すごく大きいの美紅、大丈夫かな?」
野々花「野々花たち全員、生理はまだないけど大丈夫よ」
伊織「そうよ、きっと大丈夫」桃香「大丈夫」 心「大丈夫」
美紅「うん」「美紅、頑張る!」その言葉に、
伊織「伊織も頑張る!」野々花「野々花も頑張る!」
桃香「桃香も頑張る!」心「心も頑張る!」
妹たちの決意は固かった。
妹たちがお風呂を出て、二階に移動すると、
いつものように空間に世界地図を投影して眺めていた。
妹たち「お兄ちゃんは、いつも世界地図を見ているね?」
義元「地球上の全ての人を幸せに導くのが、僕の使命だからね」
妹たち「妹たちもお手伝いするね」
義元「ありがとう」「僕の可愛い妹たち」
妹たち「うん」「ところでお兄ちゃん」「夕食は何を食べたい?」
義元「ハンバーグかな」
妹たち「了承です」「お兄ちゃん」
早速、夕食作り。
テキパキと全員で作業して完成。円卓を取り出して、料理を瞬時に並べます。
献立はトマトチーズ煮込みハンバーグ、コーンスープ、ライス、グリーンサラダ。
全員で合掌して「いただきます」義元と妹たち「おいしい!」「おいしいね!」
片付けが終了すると、今日の出来事をおしゃべり。
あとは寝るだけ。
暫くしてから、異空間に円卓を収納して代わりに布団を出して敷いた。
妹たち「ありがとう」「お兄ちゃん」
義元「さぁ、寝ようか?」
妹たち「うん」「お兄ちゃん」
義元を中心に妹たちが周りを囲む。妹たちの要望だ。
左右にふたり、足下にふたり、頭上にひとり。
野々花が右頬にキス!「お休みなさい」「お兄ちゃん」
美紅が同じく右頬にキス!「お休みなさい」「お兄ちゃん」
伊織が左頬にキス!「お休みなさい」「お兄ちゃん」
心が同じく左頬にキス!「お休みなさい」「お兄ちゃん」
桃香が額にキス!「お休みなさい」「お兄ちゃん」
義元「お休み」「可愛い妹たち」
こうして一日は終了。これが義元と妹たちの日常です。
妹たちと長尾景虎(上杉謙信)
四月二十二日の朝。
今川館の一室。久し振りに家臣たちが集められた。
太原雪斎、朝比奈泰能、岡部親綱・元信親子、明智光秀、木下藤吉郎。
あと、まだ幼少の竹千代。
義元「ここ最近は海外を飛び回っていたが、今日から日本国内を巡ろうと思う」
「これからは戦のない世になるから、
皆が他の武将たちと顔見知りなってほしいと思う」
「そこで僕と妻たち、太原雪斎殿、朝比奈泰能殿、岡部親綱殿、岡部元信殿、
明智光秀殿、木下藤吉郎殿、竹千代殿の十二名」
「この十二名で行こうと思う」
妹たち「皆様」「今日は、よろしくお願いします」
今川家の旧臣たちは、
光秀はまだしも若すぎる藤吉郎と幼い竹千代を同行させることに内心驚いたが、
きっと御館様に何か考えがあるのだろうと思い、何も言わなかった。
すると義元が言った。
義元「今回の顔触れに、合点がいかない者もいるようなので説明します」
「率直に言えば、将来性を大いに買っているのです」
旧臣たちは思いを見透かされてびっくりしたが、雪斎が代表して言った。
雪斎「御館様がそこまで考えて決めたことに、私たちに異存はございません」
義元「太原殿、皆、ありがとう」
「よーし、今日は了承を得ている越後(新潟県)に行こう」
泰能「越後と言えば、
長尾景虎殿が内乱を収めて国主になったばかりという話です」
親綱「まだ若いのに大層な戦上手だとか?」
元信「それは是非、親交を深めたい」
遠慮があるのか? 光秀と藤吉郎は無言だった。
義元「よし、春日山城に行くぞ」と言った刹那、
気付くとすでに城門の前にいた。
神の力を持つ義元と妹たちは、気温の差に左右されないけれども、
四月でも駿河に比べると越後は寒いらしく、
ほとんどの者が少し寒そうにしている。
日陰には、まだ残雪があった。
門番が外に人がいる気配に気が付いて、
外を見ると黄金色に輝いている人たちがいる!
十日ほど、上空に映っていた今川様と奥方たち。
それに、花園のようないい匂いもしてくる! そこで大声で言った。
門番「そこに、おられる御一行は今川義元様ですね?」
元信「いかにも、おっしゃる通りです」
門番「わかりました」「今暫く、お待ちください」
義元「門番の言うとおり、少し待とう」
寸刻、待った後、
門が開くと若くて凛々しい男性を先頭に十数人の男たちが現れた。
景虎「私が長尾景虎です」「お会いできて感激です!」
「今川義元殿」「よろしく、お願いします」
義元「丁寧な御挨拶、ありがとうございます」
「こちらこそ、よろしくお願いします」と神々しい声!
景虎「ささっ、本丸まで御案内します」
春日山城の城内を歩くのは山登りをしている感じだ。
謙信ファンの義元(景竜)は転移前に春日山城に三回、来ているんです。
だから、感慨もひとしおです。
義元の心の声
「二十一世紀に来た城に、ゲームの世界とはいえ戦国時代に来れるなんて、
しかも謙信に案内されて、幸せ!」
妹たちは、まだ七歳の竹千代が心配らしく、
五人で、代わる代わるに手をつないだり「頑張って」と励ましていた。
竹千代も急勾配で、きつそうだけど美少女たちに相手されて嬉しそうだ。
暫く歩くと本丸に着いた。
本丸から見える海と平原は以前、
見た景色と全く同じじゃないけど面影は一緒で感動した!
義元の心の声「戦国時代の春日山城本丸から見る景色」「格別だ!」
本丸の一室に義元一行と長尾家の主だった武将たちが集まっている。
義元は世界地図を空間に投影して、全員に現在の世界の現状を説明した。
それと、駿府の孤児院を兼ねた学校と緊急避難所の話を付け加えた。
義元の気宇壮大な話に、驚きながら興奮して聴き入っていた。
特に長尾家の人たちは一際だ。
義元「これからの日本は、国内のことだけではなく、
世界中の人々を幸せに導く責任があります」
「僕の想いに共感できる方は、どうか協力してください」と
妹たちと一緒に深々と頭を下げた。
長尾家の武将たちは、戦国大名随一の名家であり神の能力を得ても、
なお謙虚な義元に感動してしまった。
景虎「この景虎」「今川殿の志に感激した!」
「世界地図を見て思うにシベリアは、とても重要な土地、
差し支えなければ景虎が行こう!」
義元「信頼できる長尾殿に任せらるなら上々です」「お願いします」
景虎「お引き受けしましたぞ!」
数時間、義元一行と長尾家重臣たちは議論した。
光秀と藤吉郎も対等に話し合い、自信を得た。
竹千代は幼いながらも、話をよく聴いていた。
義元「時間も経ちましたので、お開きにしましょう」
「今回の話は、僕の要望なので決断は自分自身でしてください」
「では、駿府に帰りましょう」
景虎「待たれよ」「今川殿」「もう暫く、一対一で話し合いましょう」
「景虎は今川殿に惚れ込みました!」
義元「わかりました」「望むところです」
景虎「かたじけない」
義元の心の声「この世界の重要人物の性格は僕が設定していて、
謙信ファンである僕が好漢にしているのだから、こうなって当然だなぁ」
妹たちは、
お兄ちゃんの心情が知っているので素直に駿府に皆を連れて帰って行った。
それに千里眼で様子を見ることもできるしね。
妹たちと関東甲信の武将たち
四月二十三日の朝。
義元「今日は、関東甲信の大名たちと会合を開きます」
「場所は関東管領、上杉憲政殿の居城、平井城」
「他に招待する大名は北条氏康殿(相模国)、武田晴信(信玄)殿(甲斐国)、
小笠原長時殿(中信濃)、里見義堯殿(安房国)、村上義清殿(北信濃)です」
「こちらは十二名だから、全員で十八名」
「よし」「みんな、準備はいいかな?」「行くよ」
妹たち「はい」「お兄ちゃん」
家臣たち「御意」
上野国(群馬県)、平井城。
関東と信濃で争う六人の武将たちが集まったのだから、
殺伐とした空気になっていると思いきや、意外にも落ち着いていた。
義元と妹たちの十日に渡る演出が功を奏して、
日本が平和になることを誰もが実感。
そして、攻めている側の二人の武将が有能なので、
すでに切り替えていたからである。
不意に、いい花の匂いが部屋に漂ってくると、十数人の男女が忽然と出現した!
黄金色に輝いている人たちがいる!
義元「本日は皆様、お集まりいただき、ありがとうございます」
「僕は駿河の今川義元です」「こちらは妻たちと家臣たちです」
「よろしく、お願いします」と一同が御辞儀した。
義元は駿府の学校と緊急避難所、
そして、世界地図を空間に投影して国内の取り組みと世界の現状を説明した。
関東甲信の武将たちは義元の雄大な話、荘厳な声に魅了されてしまった!
義元「つい最近まで戦の時代でしたが、これからは日本の人々のため、
さらに世界の人々のために皆様の力を拝借させていただきたい」
「北条殿と武田殿の内政能力に、僕は敬意を持っています」
氏康と晴信は、周りの手前その言葉に冷静を装って会釈して返したが、
内心はとても嬉しかった。
義元「取りあえず説明は終了して、
これから数刻、今後の日本、世界について議論しましょう」
妹たちは、笑みを絶やさず見守っている。
竹千代は、真剣な眼差しで話を聴き入っている。
光秀と藤吉郎も自信を得て、
昨日以上に今川家の重臣たちと同様に議論に参加している。
数時間後。
義元「遠くないうちに、今日の皆様はもちろん、
全国の大名の方々を駿府に御招待したいと思っています」
「時間も経ちましたので解散しましょう」
まだ話したりない者も、いたが素直に従った。
「これからの活躍の場所は日本か?」「世界のどこか?」
「それは自分自身で決断してください」「今日は、ありがとうございました」
「では皆様」「さようなら」
今川家臣たちが一律に頭を下げるとスゥーと消えてしまった。
妹たちと中部地方の武将たち
四月二十四日の朝、今川館。
義元「今日は長年、戦った織田信秀殿(尾張国)と会談します」
「そして息子の信長殿、
その妻の濃姫殿(本名ではないが便宜上、濃姫と記述します)、
その父の斉藤利政(道三)殿(美濃国)と息子の義龍殿、
朝倉宗滴殿(越前国)です」
この顔触れに家臣たちは内心、とても驚いた。
織田信秀殿、斉藤利政殿、朝倉宗滴殿は名の通った武将だが、
信秀殿の息子の信長殿は、大うつけ(愚か者)と呼ばれているという話だし……
なぜに? その妻にまで会談するのだろう?
でも、きっと御館様は人知を超えた方なので、深い考えがあるのだろうと思った。
表情を伺うとニコッと笑うので、心を見透かされていると感じた。
義元「今日の会談場所は斉藤殿の居城、稲葉山城」「皆、用意はいいかな?」
妹たち「はい」「お兄ちゃん」
家臣たち「御意」
美濃国(岐阜県)、稲葉山城の一室。
朝倉宗滴は七十歳過ぎた武将だが、朝倉家で唯一無二の名将であり、
信長との抗争は、彼が健在ならば歴史の結果は違っていたかもしれない!
斉藤義龍は、
史実では長良川の戦いで父の利政を討ち取ってしまうが今は冷静を装っている。
父の利政、政略結婚した娘の濃姫も表面上は落ち着いている。
織田信長は愚者という噂と違い、正装した雰囲気は凛々しい若者だった。
しかし、父の信秀は病気で辛そうにしている。
そんな複雑な人間関係の会場だったが、
いい花の匂いのする爽やかな風が軽く吹いた。
そう感じた瞬間、十数人の男女が出現した。黄金色に輝いている人たちもいる!
義元「本日は皆様」「お集まりいただき、ありがとうございます」
「僕は駿河の今川義元です」
「こちらの男女は家臣たちと妻たちです」「よろしく、お願いします」
今川家一同が深々と御辞儀した。神になったという話の義元!
そして、神々しい声に魅了されて、誰もが素直に御辞儀を返してしまう。
義元「信秀殿」「病気のせいで辛そうですね」
「今、楽にします」と声をかけ、
少し念じただけで辛そうな表情が消え失せ、生気がみなぎってきた。
信秀「かたじけない」「今川殿」「 だが散々、戦ってきた相手なのになぜ?」
義元「人を救うのに理由などいりません!」「あたりまえのことをしただけです」
「それに、これからは敵ではなく日本、世界の人々のために働く仲間です」
信秀「ありがたい」「信長」「今までの辛さが嘘のようじゃ」
信長「父上」「よかった」 「今川殿」「ありがとうございます!」
父が治癒したのが、よほど嬉しかったらしく、
変わり者の信長には珍しい素直な言葉だった。
この対応を見て、全ての武将たちが敬愛の気持ちを強くした。
義元「今日の顔触れについて説明させて下さい」
「高齢になられても変わらぬ名将ぶり」
「そして長年、武士の鑑というべき活躍、朝倉殿を尊崇しています」
「だから朝倉殿にも、この場に立ち会ってもらいたかったのです」
「あと、濃姫殿がいる理由ですが、
これからは家族を大切にしてくださいということです」
「織田家と斉藤家は縁があって結ばれて、戦のない世になるのだから、
末永く、仲良くしてほしいので集まっていただきました」
この話に両家の面々は、恐縮して頭を下げた。
最後に世界の現状と駿府での学校と緊急避難所の説明をした。
この話に驚きと興奮を持って聴き入っていた。
そして数時間、宗滴、織田家、斉藤家、今川家臣たちで議論した。
義元「数刻経ったので、今日はお開きにしましょう」
「近いうちに皆様を駿府にお招きします」
「また、お会いしましょう」
「本日は、本当にお集まりいただきありがとうございました」
と今川家一行が御辞儀する。すると忽然と消えてしまった。
妹たちと中国地方の武将たち
四月二十五日。
中国地方の武将たちと会談。
場所は日本五大山城のひとつ、出雲国(島根県)の月山富田城。
ちなみに春日山城もそのひとつです。実は義元は城好きなんです。
毛利元就(安芸国)、息子たちの毛利隆元、吉川元春、小早川隆景、
元就の主君の大内義隆(周防国)、義隆の家臣の陶隆房(晴賢)、
元就の強敵の尼子晴久(出雲国)の七名の武将たちと会談。
妹たちと九州地方の武将たち
四月二十六日。
九州地方の武将たちと会談。
場所は豊後国(大分県)の臼杵城。
大友義鎮(宗麟)(豊後国)、家臣の戸次鑑連(立花道雪)、
龍造寺胤信(隆信)(肥前国)、家臣の鍋島直茂、
島津忠良(薩摩国)、子の貴久、孫の義久、義弘、歳久兄弟。
九名の武将たちと会談。
妹たちと海外の統治者たち
四月二十七、二十八日のふつかにわたって、
外国の統治者たちを駿府に招待して会談、おもてなしした。
出席者は明帝国(中国)の嘉靖帝、モンゴルのアルタン・ハーン、
ムガル帝国のフマーユーン、アクバル親子、
サファヴィー朝のタフマースブ一世、
オスマン帝国のスレイマン一世、
ロシアのイヴァン四世、
神聖ローマ帝国のカール五世は、スペインのカルロス一世でもある。
フランスのアンリ二世、
イングランドのエドワード六世、
ポルトガルのジョアン三世の十一名。
史実ではインドの最も偉大な王と称されるアクバルは、まだ七歳なので、
父のフマーユーンが付き添っています。
事前の約束通り、再び会談するために瞬間移動させた。
場所は今川館の庭、日本庭園。黄金色に輝く、義元と妹たちが御出迎えする!
義元と妹たち「皆様」「日本へ、ようこそ」
「お越しいただき、ありがとうございます」と御辞儀する。
彼たちが話すと花の匂いが流れたきた気がした!
この庭は、外国からの客人をもてなすために義元が用意したものである。
日本独自の庭は、口々に皆が「美しい」と好評だった!
ところで、その上さらに感動した景色があった。
それは富士山。異口同音に「美しい」と大喜びだった!
部屋に通されると二十人は、
座れそうな大きい楕円形のテーブルが用意してある。
義元たちと統治者たちが座った。
義元「改めて、僕の想いを皆様に話させていただきます」
「この世界から戦争と飢餓をなくす」
「戦争の兆候は千里眼でつかめるし、
仮に戦争を起こそうとするなら全力で対処します」
「そして餓死ほど、辛い死に方はないと思う」
さ「食料不足のときは、遠慮なく言ってください」
「次に全ての人に教育を受けていただきます」
「教育は最低でも読み書きは、できるようにしてください」
「それと四諦八正道を教えてください」
「ものすごく簡単にわかりやすく言えば……」
「全ての人を幸せに導くために、最善の道を歩む!」「そんな教えだと思う」
「宗教だという概念から、離れて哲学と思って教えていただきたい」
「あと、もう一つ大事な話をさせてください」
「それは、どの夫婦も等しく、子供は二人までとさせていただきます」
「理由は戦と飢えのない世界で、
野放図に子宝を授かっていたら深刻な事態に陥ってしまいます」
「だから基本は二人として、だが三つ子以上の場合や不幸にも早逝にした場合等、
その都度、臨機応変に対応していきます」
四諦八正道の話は嘉靖帝とアルタン・ハーン以外の統治者たちは、
内心「困ったなぁ」と思った。
宗教の影響力が大きいからである。
しかし義元の主張は正しいし、ましてや生き神と言うべき存在だ。
「素直に従うしかない」と思った。
出席者、全員が「日本のサムライに従います」と返事した。
会談のあとは、おもてなし。
妹たちが生け花、茶の湯、日舞を披露! そして、天使の歌声の合唱!
「素晴らしい!」あちらこちらから声が上がる。
日本の美少女たちによる日本文化を堪能する。
通常の日本料理とイスラム教徒に配慮した日本料理のハラル料理で接待。
「おいしい!」と異口同音に声が出る。そのおいしさに至福する。
統治者たちは、すっかり極東の日本文化の虜になってしまった!
そして、一泊して次の日、海に連れて行かれた。
「富士山もいいけど、日本の海も美しくて素晴らしい!」と思っていると……
義元「皆様に日本が誇るべき存在をお見せします」と言うと水平線から何かが?
こっちに向かって来る。浜に近づく、ドデカイ生物!
皆が腰を抜かすほど、びっくり! 「ガォッー」と空気が震える、すごい咆哮。
背鰭が青白く光ると口から青白い炎が放たれた。
その威力は、小島を木っ端微塵に吹き飛ばした。
大人たち、全員の顔が真っ青になってしまった。
しかし、子供のアクバルは恐怖より好奇心が勝るみたいで
「あの大きいのは何っ?」と興奮して聞いてきた。
義元「友達です」と涼しい顔で答える。
「えー、すごい!」とアクバルは大喜びだが、
他の大人たちに「絶対、日本に敵わない!」という強い気持ちを植え付けた。
こうして外国の統治者たちは、日本に対する憧れと恐怖を同時に抱いた。
妹たちと侍たち
四月二十九日、三十日。
日本全国から武将たちが集まった。
長尾景虎、北条氏康、武田晴信、織田信秀、斉藤利政、朝倉宗滴、
毛利元就、小早川隆景、島津義久等。
上座には将軍足利義藤、父である足利義晴にお越しいただいた!
そして、シビル・ハン国王、琉球国王も参加した!
参加するか? どうかは? 任意だったのだが、
やはり今回の歴史的な出来事には、大多数の者が興味津々のようだ。
大勢の人に対応するために、
静岡平野に暫定的な施設を物質創造能力で瞬く間に作り上げた。
武将たちは、
最初に孤児院を兼ねた学校と世界中の人々を救済する緊急避難所を視察した。
それにより、義元の仁政に感銘を受ける者が続出した。
それと学校内にある図書館が注目の的だった!
それもそのはずで、
義元の判断で都合の悪いことは削除されている(桶狭間の戦い等)が、
二十一世紀までの技術が記された膨大な書籍がある。
知識欲旺盛の人たちは大歓喜だ!
欲しい者には、欲しい本を物質創造能力を使い、好きなだけ譲渡した。
次に巨大な施設の会場で、
世界の現状を空間にドデカイ世界地図を投影して説明。
シベリア、グリーンランド、オーストラリア、ニュージーランド、南極、
南北のアメリカ大陸、日本の近辺では、北は樺太、千島、南は台湾まで、
日本に編入されたことを解説した。
義元「僕たちの国、日本は史上、例のない広大な領土を獲得しました」
「しかし、その事実におごることなく、
人々の幸せのための政治を行いたいと思います」
「これから、どこで活動するか?」「それは、その人の自由です」
「従来通り、本州、九州、四国か?」「それとも新天地を望むか?」
「それは、その人の決断です」
「どこであろうと、そこの現地の人々を大切にしてください」
「僕が最も嫌いなことのひとつは、
自分より立場の弱い人間に傲慢な人間です……」
「つまり、弱い者いじめです」
「お互いに利益になるように知恵を絞り、
どうにもならないときは、自分が損をするようにしてください」
「それが信用になり、大きくなって自分自身に返ってくると思います」
「日本人の誇り、武士の誇りを忘れないでください!」
「でも、もし困窮しているときは遠慮なく、この義元に相談してください」
「決して悪いようにしません」
義元「それと人身売買は認めません!」
「理由は、人の心を蔑ろにしているからです」
「だから、自分の意思で利益目的である場合はその人の勝手です」
義元「それから、世界の統治者たちにもお願いしましたが、
子供は基本的にふたりまでとさせていただきます」
「戦と飢えのない世界なので、御理解を願います」
義元「話は変わりますが史上、
最も偉大な人物は仏教の開祖ゴータマ・シッダールタ」
「ブッダだと思います」
「そして駿府の学校でも教えているが、四諦八正道は至高の論理だと思う!」
「 僕の大まかな解釈だが、全ての人を幸せに導くために最善の道を歩む!」
「この真理をひとり残らず知ってほしい」
義元「今度は、アムとドラもを紹介します」
アム「僕はアム」「みんな、よろしく」
ドラも「僕はドラも」「みんな、よろしく」
義元「彼たちは、人間の手伝いをしてもらうために作り出したロボット」
「ロボットとは、機械仕掛けの自動人形と解釈してください」
「人間の友達です」
「アムは力自慢」
「どんな重たいものも軽々と持ち上げて、どんな硬いものも容易と砕けます」
「それにハヤブサより速く空を飛べます」
「ドラもは品揃え自慢」
「どんな欲しいものも、その場で作る物質創造能力を有しています」
「そして両者とも治癒能力、自己増殖能力、情報共有能力を保有しています」
「どなたでも、お連れしても構いませんが、
彼たちを配下ではなく友達、同志と思う方に限ります」
義元「現在、日本には多数の神社、仏閣、城が存在します」
「僕は、これらの建築物を大切にして、なるべく保存していきたいです」
「なぜなら、日本の誇るべき文化だと思います」
「そこで、火事が発生したときは自動的に豪雨を降らせます」
「同様に地震、津波、強風等もきちんと対処します」
「そして、大きな計画として江戸に将軍をお迎えする城を築こうと思います」
義元「後継者問題」
「古今東西、常に統治者が悩んできた問題です」
「それを解決するのが、この『統治さん』です」
「「例えば、駿河国の統治者は誰が相応しいか?」と尋ねます」
「そして候補者全員に、この機械の門を通過していただきます」
「その人たちの中から、一番相応しい名前を答えます」
「簡単に難問を解決できます」
「『統治さん』を活用して、広大になった日本の各地から代議士を選出して、
その中から行政の長、国家指導者(首相)を選びます」
「そして、首相は日本海側の新潟に着任していただきます」
「これはシベリアを重視、
そして、京都、江戸、新潟、駿府と分散させるためです」
義元「最後に日本支援隊を創設します!」
「この組織は軍隊ですが、人を殺すのが目的ではありません」
「人を守るのが目的です!」
「紛争の調停、災害派遣、食料援助、医療支援、教育支援等」
「もちろん、軍隊なので厳しい軍事訓練がありますが……」
「この組織には殉職がありません」
「僕のわがままな想いで創設されるので、死なれたら辛すぎる」
「だから蘇生させて、いただきます」
「あと、これは徴兵制ではなく志願制にします」
「しかし、多くの方に参加していただきたい」
すると妹たちも「お願いします!」 珍しい妹たちからの発言だった。
その言葉によって、妹たちの能力が発動して常に全ての人が志願してきた。
だから、実質は徴兵制と変わらなかった。
「これで僕の話は終了です」「皆様」「長時間、ありがとうございました」
二日目の四月三十日は親睦を深める目的で宴が開かれた。
参加者は本州、九州、四国はもちろん、北海道、樺太、千島、沖縄、台湾。
それにオーストラリア、ニュージーランド、グリーンランド、シベリア、
北アメリカ大陸、南アメリカ大陸の現地の指導者たち。
以前は海外だった人たちは、初めての日本に緊張していたが、
珍しい日本文化に心が躍り、誰もが親切にしてくれるので感動してしまった。
宴が始まると早速、義元は琉球国王とシビル・ハン国王に話しかけた。
「これからのことを不安に思うかもしれませんが、
王と民にとって、よくなるように配慮しますので安心してください」
両国王「ありがとうございます」「今川様」
義元「これからは、同じ日本国民!」
「ともに日本、世界の人々のために尽力しましょう」と
話をしていると朝倉宗滴と長尾景虎がやってきた。
実は両雄は書状のやり取りする間柄なのである。
宗滴、景虎「今川殿」
義元「おぉ」「朝倉殿」「長尾殿」「ちょうど、いいところに……」
「長尾殿はシベリアに興味をお持ちでしたね?」
「シビル・ハン国王」「こちらは長尾景虎殿です」
「長尾殿」「こちらはシビル・ハン国王です」
景虎は大いに喜び、お互いに自己紹介をしてすぐさま、
シベリアの話に没頭してしまった……
すると北条氏康と武田晴信も、
この話題に興味があるらしく挨拶もそこそこに話に交わってきた。
有力大名たちが会話をしているので、否が応でも目立ってしまう。
それを横目に織田信秀が信長、濃姫を連れて、
また斉藤利政が義龍を連れて御礼を兼ねて挨拶に来た。
信秀「今川殿」「先日は病気の治療」「かたじけない」
織田親子が頭を下げる。
利政、信秀「その上、両家に対する心配り、誠にありがたい」
今度は全員で頭を下げる。
それに対して御辞儀を返して言った。
義元「僕は人として当然の行為しただけです」
「特筆すべきことをしたわけではありません」
あくまで、謙虚な姿勢に皆が感銘を受けるのであった。
そして、あちらこちらで熱い話が交わされた。
今回は、義元が総括するのではなく自主性を重んじて各々の議論に任せたのだ。
参加者たちが食べて飲んで議論する。そして、夜も更けると疲れて寝てしまう……
妹たちと月デート
そんな夜、義元は妹たちに言った。
「これからデートしよう」この突然の発言に妹たちは大喜び。
義元「月へ行こう!」
美紅「月って?」「宇宙に浮かぶ、お月様?」
義元「そうだよ」
妹たちは少し驚いたが、野々花「野々花たちなら、きっと大丈夫ね」
その言葉に他の妹たちも納得顔になった。
今川館の庭に出て、月を見上げる。
義元「みんな」「手をつなごう」
心「ありがとう」「お兄ちゃん」「不安を解消するために言ってくれたのね」
義元「うん」「よし」「行こう」
全員で手をつないで「月へ」と思ったら、
体が浮いて月に向かって、矢のように一直線に飛んで行く。
妹たちは内心「ちょっと怖い」
「でもお兄ちゃんと一緒だし、きっと大丈夫」と考えていると、
すんなりと大気圏を越えて、あっという間に月に着いた。
宇宙から見る、青い地球は美しい! 美しすぎて、愛おしく感じる!
ところで、人間は特別な装備なしでは、
宇宙で生存できないはずなのに呼吸している?
妹たちは「改めて自分たちは神なのだ」と認識した。
その時「みんな」「大丈夫?」とお兄ちゃんの声が頭の中に聞こえる。
見ると、いつもと同じ優しげな笑顔。
それだけで嬉しくて妹たち全員、涙が滲んでくる。
桃香「テレパシーで話すのは久しぶりね」
義元「そうだね」「いつも一緒にいるから、特に使う必要がないからね」
美しい地球を眺めていると……
義元「僕の可愛い妹たち」「ありがとう」
「僕の望みを叶えるために、助けてくれてありがとう」
「僕が作ったゲームのせいで、みんなを巻き込んでしまったのに……」
「そして、パパとママ」「会えなくさせて、ゴメン」
伊織「謝らないでお兄ちゃん」「確かに、パパとママのことは寂しいけど」
「伊織たち『みんな、お兄ちゃんのお嫁さんになる!』」
「この願いは、この世界だから実現できた」
「お兄ちゃんに感謝している」
「初めて会った時から、ずぅーとお兄ちゃん」「大好き!」
他の妹たちも一斉に「初めて会った時から、お兄ちゃん」「大好き!」
義元「みんな」「ありがとう」
「美しい地球を見て、そこに住む全ての人々を幸せにしたいと改めて思った」
「僕は可愛い妹たちが一番、大切だ!」「可愛い妹たちに誓うよ」
「永遠に人々の幸せのために行動を継続することを……」
その言葉に妹たちは満面の笑みになる。
義元と妹たちは地球へ戻る。そして、これからも思考は止まらない。
妹たちと……
地球に帰還して今川館に戻った深夜。義元は初めて女性を知った。
その直後、妹たち一同「お兄ちゃん」「可愛い妹は、どうだった?」
義元は照れながら答える。「うん」「想像していたより、ずっとよかった」
「女の子って、本当に綺麗で、
ちっちゃくて、スベスベで、柔らかくて、いい匂いがするんだね」
「とても、カワイイ声を出すし……」
「それに、すごくおいしい!」歓喜する妹たち!
義元「もう可愛い妹たちに甘えるしか、考えられないかも……」
「骨抜きになってしまうかも……」
妹たち一同「いつでも好きなだけ、お兄ちゃんは、妹たちが甘やかしてあげる!」
妹たちとその後の世界
その後の世界の様子。
義元の願いは、戦争と飢餓がない、そして誰もが、教育を受けられる世界!
戦争は千里眼で監視して、
兆候が見られる場合は日本支援隊が仲裁して止めさせる。
飢餓は外国からの要請に応じて、日本支援隊が支援をして、
緊急の場合は緊急避難所が対応している。
教育は海外の場合は日本支援隊が学校の建設、教育者の派遣等をする。
そして、全ての人が読み書きを取得、四諦八正道の教えも浸透したので、
人々の心が豊かになった。
また「統治さん」の世界的普及で、後継者問題も起こらず安定した。
あと、特筆すべきことは、この世界には核兵器がありません。
理由は、日本はこの兵器に頼る必要はないし、
開発を禁止して千里眼で監視しているからだ。
中国の明は日本の仲裁でモンゴル等の北方民族と良好な関係。
インドのムガル帝国のアクバルは、日本の後押しで交渉で大帝国を建設。
そして安定させた。
イランのサファヴィー朝とトルコのオスマン帝国も日本の仲裁で良好な関係。
ヨーロッパは、日本の監視で戦争がなくなり安定したが、
今までの世界各地の蛮行が原因で、
忌避されてウラル山脈、オスマン帝国、大海の先へ行くことができない。
だから、史実と違い産業革命が起きず、
技術は日本と何百年の差が開いてしまった。
日本国内は天皇陛下の京都、将軍の江戸、首相の新潟、義元の駿府。
権力の分散が機能していた。
また、神社、仏閣、特に城好きの義元の要望で、安土城、大阪城、松本城、
熊本城、姫路城、江戸城等の名城を幾多に建築して整備。
全国的に公園、散策場所として住民の憩いの場になっている。
それから、この世界の日本には引きこもりは皆無である。
なぜなら、妹たちによる「おはようございます」
「今日も日本のため、世界のため、みんなのため、自分のために頑張りましょう」
これを毎朝、全国民に聞こえるように流している。
妹たち五人が同時に話す言葉に、全ての者が承諾してしまう能力。
つまり、日本人全員が前向きになって奉仕の気持ちが溢れている。
そういう理由で、日本には引きこもりはいないし、なんと犯罪も皆無なのである。
同様に日本支援隊は、志願制のはずなのだが全員が志願するので、
実際は徴兵制になってしまっている。
二十一世紀の装備の軍隊であるが訓練は激しい。
しかも、全世界に対応するための能力を目的としている。
特に、シベリアに注力してヨーロッパと中国を牽制している。
しかし、普段は専ら、災害派遣、食料支援、教育支援、医療支援等の
平和的活動を懸命に世界中にしているので評判は極めてよい。
しかし、日本以外の国々はどうしても、産業は停滞している。
日本は、図書館の書籍で二十一世紀の技術を入手して、
世界で唯一産業革命が起こる。
義元、妹たち、ドラもの物質想像能力による、無限の資源を確保する。
しかも、アムとドラもの活躍で人手不足もない。
その上、孤児院を兼ねた学校から世界を牽引する優秀な人材が数多く輩出された。
そして、妹たちの地球規模の天災も制御する能力。
桃香の炎は火事、火山。
野々花の風は台風。
心の水は津波。そして、水不足が発生しない。
伊織の雷は落雷。そして、電気不足が発生しない。
美紅の土は地震。そして、土壌の改良ができる。
妹たちの能力は非常に重宝している。
また、日本人の妥協を許さない勤勉な性格と史上最大の領土を獲得した日本は、
他国の追随を許さない突出した国になった。
日本は軍事品以外の販売は、全く制限しなかった。
日本製品は高品質で格安だったから、他国は産業が成立する余地はなかった。
だからといって、外国を見下すような傲慢な国になることは決してなかった。
「実るほど頭を垂れる稲穂かな」義元の大好きな言葉だ。
敬愛する義元が、常日頃から発言しているので、
国民全体に浸透して実践することを心がけているからである。
それから日本は学者、観光客に対して基本的に入国制限をしていません。
軍事施設でさえ、個人的な場所以外は全て見学できます。
自由な空気を満喫してほしいという意向だからです。
妹たちと大いなる奇跡
それから、約四百六十年後の二千八年。
義元と妹たちは、ほとんど駿府に不在で、
例の家賃十万の家を瞬間移動させながら、
主に広大になった日本を一年中巡っている。
義元は日本に編入された現地の人たちが気がかりで改善するところはないか?
始終、心配りしている。
もちろん、どこでも大歓迎された。
ところで、妹たちから贈られた小さい人形は不思議なことに新品同様に全く、
くたびれていない! 自宅の二階の部屋に大切に飾られている。
そして、不死身、不老不死の義元と妹たちは、
もちろん千五百五十年に転移した時と変わらぬ姿。
それを見た、日本、世界の人たちは、正真正銘の生き神だと再認識する。
人間の心理として、少しでもあやかりたいのか?
義元と妹たちの人気は、世界どこでも凄まじい。扱った商品は大人気だ。
四月一日に大いなる奇跡が起きた。
いくつもある並行世界が義元が作った、この世界に一本化された!
理由は戦争と飢餓のない、そして、全ての人が教育を受けられる世界。
これらのことが、きちんと実現しているので、
この世界の人々の幸福度があまりにも高く。
また、この世界を夢で見たり、ひと時、迷い込んで帰還したものの強い羨望が……
それらが蓄積して、全ての矛盾を解消するためなのか?
それとも、これも義元たちの神の能力なのか?
義元たちが転移した日を契機に奇跡を起こしたのだ!
そして、もう一つの奇跡。
義元と妹たちは、両親と再会したのだ。
しかし、以前の義元はあまり期待していなかった。
これまで、神と崇められてきた義元。
「それが『実は男だけの三人兄弟の真ん中で、二番目に産まれるはずだった子供』
と突然に言われても、親は戸惑うばかりで実感が湧かないだろう」
と思ったからだ。
けれども、ある日を境に奇跡が起きた。両親は真実を見出した。
そして、両親は大変喜んでくれた。
この上、妹たちのパパとママに会えた感動はもっと著しかった。
妹たちは、本当はなるべく早く両親に名乗り出たかった。
でも、実の娘が遥か昔から存在していたら、
話が全くおかしいし、どう説明すべきか?
両親たちを混乱させたくないし、ためらいがあった。
義元「思い切って、僕たちが転移して来た二千八年四月一日まで我慢してみたら、
どうだろうか?」
「もしかしたら何か? 」「起きるかもしれない」
妹たちは、大好きなお兄ちゃんの助言に従うことにした。
妹たち「ありがとう」「お兄ちゃん」「心配してくれて」
「もう、何百年も生きているんだもんね」「あと、何年だって待てるわ」
そして、奇跡は起きた。
並行世界は、このゲームの世界に一本化され矛盾も解消される。
あとから誕生した親たちが、
生き神として崇められる女の子を自分の娘だと理解してしまうありえないことも!
伊織「パパ!」「ママ!」 伊織のパパとママ「伊織!」
野々花「パパ!」「ママ!」 野々花のパパとママ「野々花!」
美紅「パパ!」「ママ!」 美紅のパパとママ「美紅!」
桃香「パパ!」「ママ!」 桃香のパパとママ「桃香!」
心「パパ!」「ママ!」 心のパパとママ「心!」
可愛い妹たちの感動の対面。
義元は自分のことのように喜ぶ。「よかったねぇー!」「みんな」
「僕も、すごい嬉しいよ!」
妹たち「ありがとう!」「お兄ちゃん」
親御さんたち「ありがとうございます!」
これにて、ひとまず落着。
不死身! 不老不死! 義元と妹たちの物語りは、この先も続くのだろう。




