第一話
急で悪いが俺、佐久間 涼は転生した
何を言っているか、自分でもよくわかっていないが俺は確かに死んだんだ
しかし、気がつけば知らない場所で目を覚ました
目の前には白い天井が見える、しかも身体を赤ん坊の姿になっている
「オギャー!」
赤ん坊だからか話すことができない、少し周りを見てみると立派な髭を生やした赤髪のおじさんがふよふよ浮いていた
「ギャー!ギャー!」
俺は盛大に鳴き声をあげた
だって目の前に幽霊がいるだも
それはびっくりするし、びびる
そうするとその幽霊もびっくりしている
「もしかしてお前、儂のことが見えているのか」
急に話しかけられたが質問されたので、顔を縦に振ってみた
「おー!儂のことが見える者がついに現れおった!!」
おんおん、と泣きながらめっちゃ喜んでいる
なんでだろう
「オギャ、オギャー」
くそ全然喋れない、これじゃあ会話ができないじゃないか
なんとしても、コミニケーションをとらないと身体を使ってみるしかないな
「………もしかしてお主、儂に何か伝えたいのか?」
うんうん、そうだよ
全力で頭を動かす
「そうか!そうか!そんなに儂と話をしたいのか、よかろう特別にお主に魔法をかけよう!」
魔法?と思いながら、幽霊は俺のおでこに指で触れると謎の言葉をぶつぶつと呟いている
しばらくすると、指をおでこから離した
(聞こえるか、赤ん坊よ)
(っえ、頭から聞こえる!!)
(いいじゃろ、お主の頭に直接伝えているのだ!)
(これが魔法………この魔法って俺にでも使えるんですか!)
(分からん!)
(分からないって……)
そんなことを話していると近くから足音が聞こえてきた、周りを見渡してみると自分がいる部屋のドアの前にちょうど止まった
「「コンコン」坊ちゃま、入りますよ〜」
そして、ドアを開けて入ってきた人の服装を見てまたもやびっくりなんとメイド服を着ていたのだ
歳は十歳ぐらいの女の子で髪の毛は茶髪、おっとりとした印象があるがまだ幼く可愛らしい
その女の子は俺の寝ているベッドまで近づくと俺を見てきた
「あ〜、本当に可愛いなぁ〜坊ちゃま」
そう言いながら、笑顔になりながら俺の頬を突っついてくる
正直うざいな、突っついてくるなと思っているとまた足音が聞こえてくる
すると、突っついていた女の子は急に姿勢を正し顔が笑顔から真顔になった
「「コンコン」坊ちゃま、入ります」
そして、入ってきたのは最初の女の子より歳を取った黒髪の仕事ができる女って感じの女性が入ってきた
ちなみに、この人もメイド服だった
「メリー、何か坊ちゃまに問題はありましたか」
「いえ、メイド長、特にありませんでした、少し坊ちゃまの声が聞こえたので、心配になったので見にきただけです」
「そうですか、次期当主になられる方に何かあれば大問題ですから、私たちメイドもしっかりとしないと行けませんね」
「そうですね」
「では、メリー、あなたには坊ちゃまの専属メイドになってもらいましょう」
「いいんですか!?」
「私たち、メイドの中で一番若いのはメリーですし、坊ちゃまも歳が近い方がなにかといい気がしますしね」
「ありがとうございます!私、一生懸命坊ちゃまに仕えます!!」
「フフ、任せましたよ、メリー」
「はい!」
この茶髪の子の名前はメリーていうのか、そして黒髪の人は名前はわからないけどメリーの上司みたいな感じかな
話を聞いてみると俺は何かわからないが次期当主らしい、メイドを雇っているってことは結構お金持ちかもしれないな
………ってことは俺の人生勝ち組じゃん!よっしゃー!
(何を騒いでおる、お主は?)
(だって、俺の家お金持ちかもしれないんですよ!不自由なく楽な人生が送れる!やったー!!)
(何を言っておる。ワシの記憶が正しければお主の家はただの男爵家だぞ)
(……………っえ、確か男爵家って貴族の中でも下の方じゃないですか、しかも何で貴方がそんなこと知ってるんですか!)
(ふふふ、それはな!何を隠そう儂こそがこのソルダート男爵家、初代当主ランス=ソルダートじゃ!!)
(誰?)
(まっ、そうじゃろうな赤ん坊のお主が知っているはずがないじゃろう、簡単に言うとお主の曽祖父にあたるな)
(っえ、俺の曽祖父!?どう言うこと!?)
(儂にも分からん。気がついたらこんな身体になっておったし。しかも誰も儂に気がついてくれないのじゃ。もう儂は、儂は悲しくての〜!………しかしお主が儂のことを気づいてくれた時は嬉しかったのじゃ!!)
(そ、そうだったんですか。でも赤ん坊の俺がこんな喋ってるのに何で驚かないんですか?)
(っん、別に驚きはせぬよ。世の中には儂みたいに死んだ者が現世に現れたりするしの。あとそのかしこまった言葉遣いをやめてくれ、お主は儂のひ孫だろう)
(わかり、わかった爺ちゃん)
(うん、うん!)
そんなことを爺ちゃんと話しているといつの間にかさっきまでいたことに気がついた
メリーとメイド長さんが部屋からやっと出て行った、今のうちに爺ちゃんに色々な…ことを……聞かないと……zzzZZ