女体インゴット(女性の形をした金塊)
おじが死んだ。おじには、子どもがいない。私が、親族を代表しておじの家を訪問、いや、やさがしすることになった。おじは、変わりもので、結婚もしておらず、妻もいなければ子もいない。貯金と株が趣味で、金貨なども多数集めていたらしい。
おじの家に入ると、なんと女性の形をした金塊が、まるでミイラの棺のようなものに入っていた。金ぴかに輝いていて、たいへん、高価なものに思われた。
ミイラの棺は、女性のサイズよりも幾分か大きく、私ひとりが入って女性型の金塊を抱きしめられるような構造(女とよろしくやれるような)になっていた。なかなか金の塊というものにお目にかかることはないし、これはいい機会だと思い、金塊女を抱きしめた。金の独特の香りが伝わってくる。いや、、、
抱きしめつつづけると、その金塊はみるみるうちに、見え麗しい女性に変わった。びっくりした。この金塊は女に変わるのかと。たぶん、熱か何かに反応して金塊から女に変わるのだろう。女は、まるで眠りながら生きているようだった。(完成度の高い、ダッチワイフといったところだろうが)
おじはどうやらいいものを手に入れたようだ。ダッチワイフは、置き場に困るが、金塊なら、一代財産だ。(金は、一グラム6000円程度とすると、ざっくり、二億から三億といったところだろう。)
俺がたまたま抱きしめて、俺の体温で女に変わった。(ティシュボックスが女体の近くに置いてあったことなどから、推察すると、)おじはどうやらこんなことをして楽しんでいたようだった。
おじの相続権は、自分にもあるはずなので、この金塊女を是非、もらいたいものだと思った。
おじのように、楽しませてもらいたいと思い、ダッチワイフの要領で楽しませてもらった。
すると、なんと女が意識を取り戻した。
「私の体で楽しむんだったら、お金を頂戴。」
「えっ。お金?おまえは、金塊だったじゃないのか?」
「そうよ。私は、金塊だけど、女でもあるのよ。女を抱いたんだからお金を頂戴。あなたの叔父さんもお金をくれたわ。私は金がないと生きていけないの。」
女の話を聞くことにした。女がどこまで本当のことを言っているのかはわからないが、女の言うことをかいつまんで説明するとこうだ。
どうやら、金塊はもともとは女だった。この女は、もともと金粉入りのお茶などを飲むのが好きだったらしく、金を食べてしまいたくなるほど、異常に好きだったらしい。あるとき、おじの金貨を眺めていた。「ウィーン金貨ハーモニー」ってやつで、表には、建物、裏には楽器の模様のあるものだ。金貨のなかでも見た目がよいので、メイプル金貨と並んで有名な金貨だ。おじから金庫に入っていたコレクションを見せてもらったことがあったのでなんとなく想像がつく。
女は、金貨を眺めるだけでなくて、どんな味がするんだろうと思って、口に含んでいたところ誤って飲み込んでしまい、自分が女体金塊に変化してしまったとのこと。
女体金塊は、通常は金塊だが、人肌の温度で、元の女に変わる。
食いものは、金だ。金さえ食っていれば、老化もしない。だから、お金がいるんだとのことだった。金を食っていないと、禁断症状になるとのことだ。
私は、叔父の相続権があるので、お金にはコマらんだろうし、おじのコレクションの金貨がみつかればなんとかなるだろうと思い、女の申し出を受けることにした。
「じゃあ、俺を気持ちよくさせろ。そうしたら、お金をおじさんと同じようにお前にやる。それでよいな。」
女は大きく頷き、嬉々として俺を気持ちよくさせる営みを始めた。手や口や下半身を上手に使い、俺の唇やら袋やらを刺激するわけだ。精巧なダッチワイフだと思っていたが、下手な女より余程よかった。
しばらくすると、賢者の時間が訪れた。女は、「お金、お金。」とうるさく催促をする。男というものは、賢者の時間をゆっくりと楽しみたいのだが、無粋な話だ。
財布からお金を取り出して、渡そうとしたのだが、紙のお金ではだめだという。女は、金庫の中に、金貨が入っているので、それを持って来いという。首尾よく、金庫の中から、金貨を取り出し、女に渡した。女は、俺のモノよりも、金貨の方がよいらしく、いとおしそうに眺めたり、キスしたり、あげくの果てに呑みこんでしまった。
「私はね、金を食することで、永遠の若さと美しさを手に入れたのよ。そして、人肌と同じ温度になると、こうして女に戻るわけ。この生活を続けるには、金が必要なわけ。わかるよね。」
こんなことがあるなんて、不思議なわけだが、女が嘘をついているようには思えないし、俺としては、気持ちよくさせてもらえれば、とりあえずは満足だった。叔父の金貨は、まだ、たっぷりあるようだったし。しばらくすると、女は、金塊に戻ってしまった。
翌日、また女体金塊を抱いてみた。こちらの体温で、また、金塊は女に変わった。
「とりあえず、おはよう。」
「おはよう。昨日はありがとう。久しぶりに金を食わせてくれて嬉しかった。今日もお金くれんだよね。」
「ああ。気持ちよくさせてくれるんならね。」
「そういうことね。まかしといて」
女は、昨日と同じように、気持ちよくさせてくれて、賢者の時間を迎えた。今日は、お金、お金と言われる前に、さっさと金貨を渡し、女にいろいろとたずねることにした。
女の名前は、金野香織というらしい。おじとは飲み屋で知り合ったというが、本当かしらという感じだった。おじは変わりもので、確かに酒は飲むが、、、、
翌々日も、また、女で楽しむことにした。ただ、女は奉仕するが、昨日や一昨日ほど気持ちよく感じなくなった。どうやら女に飽きてきたのだろう。マンネリという奴だ。それでも、女は、俺のモノを一所懸命に愛してくれているが、女が一生懸命になればなるほど、だんだんとこちらの気分も萎えてくる。面倒になって、痛くなって、「金はやるから、もうやめろ」といい、さっさと女に金を渡した。女はなんともバツが悪そうだった。
たぶん、この女に飽きたんだなあと悟った。なんだか金貨がもったいない気もしてきた。でも、この女を抱けなくなるのも、寂しい気がした。
次の日も、また、女を抱いた。女は、コスプレを提案してきた。おじが好きだったとのことだ。おじのクローゼットには、セーラー服やら、ナースの服があったのは、このためだったようだ。この新規のプレイにより、この日は、十分にマンゾクすることができた。
コスプレの服は、数着ほどあり、数回は楽しめた。しかし、おじの金貨はどんどん減り続け、金貨の減り具合と女にお金がかかるのが気に入らないなあと思えてきた。いくらおじさんが、大金持ちでも、こんな勢いで食べ続けられたたまったもんじゃないなあと。
ある日、女とささいなことでけんかした。
毎日、女を抱いていたのだが、前日は、女を抱くのをやめた。親族への報告やら、その他手続きやらで忙しかったことと、金貨がどんどん減っていく割には、自分は、あまり満足することができなくなっていたので、なんだか金貨が惜しくなって、女を抱くのを中断したわけだった。
そして、本日、気を取り直して、金塊を抱くことにしたわけだ。
金塊は、女に変わると、すごい勢いで怒っていた。
「私をほったらかしにして、どういうつもり。」
「昨日は、すごっくさみしかったんだからね。」
そして、女がいうには、今日の分と昨日の分、それと私がさみしかった分の3枚、金貨を払えということだった。
今日の分は、当然、払う。女がさみしかった分は、仕方がないので、払うとしよう。しかし、昨日の分は、違うだろうと思った。
こんなことで、いいあいをしているうちに、女を抱く気にもなれず、ほっておいたら、女は金塊に変わったので、ほっとした。ダッチワイフは、けんかなんてしないのに、、、、
その後、しばらく女をほったらかしにしておいた。また、わけのわからないことを言われて罵られてもかなわないし。本来のやるべき財産整理や親族への報告も、女にかまけてあまり進んでいなかったし、女のために使ってしまった、また、これから使うであろう金貨も親族の手前、隠ぺいしておく必要があったからだ。
おじの財産整理が一段落し、親族への報告もめどが立ち、気を取り直して、久しぶりに女を、まず、金塊を抱くことにした。なんだかんだといって、ほったらかしにしておいたとはいえ、いい女だったことは間違いないし、女を抱けて幸せだったのも間違いないし、おじの遺産はたっぷりあり、金貨をケチらなくてもなんとかなりそうだし、、、
金塊をしばらく抱いてみた。女に変わると思っていたら、なんと金ぴかの仏像になってしまった。仏像といっても、観音様なのか、お釈迦様なのかよくわからないが、お寺なんかにおいてある、あの仏像になってしまった。その後、いくら抱いてみても、仏像のままだった。
観音様は、衆生の望みを、自分の体を変化させて叶えてくれるというから、もともと女体金塊は観音様で、私の官能の心をいやしてくれたのか、それとも、女も金塊から、仏へと成仏できたということなのか、そこはよくわからないが、私は、ひたすら、変化してしまった仏像に手をあわせて、女が再び、自分の目の前に現れてくれることを祈るばかりだった。




