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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

ドラゴン

作者: るい

ドレミファソラシド名前シリーズです

頑張る姿を応援してもらえたら嬉しいです

ドーレ動物園の目玉は

なんといってもドラゴン

ドラゴンが運ばれてきた日は

長蛇の列


血が凍りつくような

おどろおどろしい姿

なのに

凛と気品のある

そんなドラゴンに

街中のみんなは釘付けになった


高い高い空を切り抜いたような

美しく輝く鱗

どんな星を閉じ込めたのだろうと思う

冷たく輝く鋭い爪

うっとりするほど美しい


ドラゴン飼育の担当に

任命されたミーファは

誇らしかった

先輩のシドさんと共に

一生懸命ドラゴンの世話に明け暮れた


ドラゴンは最初

全然相手にしてくれなかった

捕らえられてしまったのだから

人間なんて絶対

嫌いになっているのだろう

無理もない


ミーファは毎日毎日

ドラゴンの側に行って話しかけた

ある日ドラゴンが園で流れていた

音楽を聴いていたのに気付いてからは

歌も歌った


ドラゴンは相変わらず

不機嫌だったけれど

時々ミーファにだけは

心許すようになってくれた


ドラゴンの様子を見にきた

ドラゴンハンターが

その様子を面白がって

まじないのリングをくれた


これをつけて胸に手を押し当てていると

ドラゴンの言葉がわかるらしいよ と

噂だけどね

よかったらあげるよ

あんたなら使えるかもね

ミーファは喜んだ!

その日からリングをつけて仕事をした


そんな幸せな日々が

暗転した


戦争が起こったのだ、、


国も街も混乱に陥った


動物園のスタッフはみんな苦しんでいた

自分達の家族も満足に食べることができない

状況なのに

動物達にも餌を調達してこなくてはならない

そして1番食べるドラゴンの分も、、、

ドラゴンをどうするか


会議が開かれた

ドラゴンは貴重だからこれだけは残そう

いや 危険だから真っ先に殺すべきだ

第一 あんな大食い

食べるものが調達できないだろう

そんな会議の声を

ミーファは苦しく聞いていた

もう最後まで聞いていられずに

飛び出した


とにかく食料を調達しなければ

そしてできることなら

逃がしてあげたい

何か方法はないだろうか

街中を走り回るミーファ

しかしその努力も虚しく

集まる食料は少なくなるばかりだった


「ドラゴンさんご機嫌いかが?

今日はちょっとご飯少なくてごめんね

明日はもうちょっと

多くできるように頑張るね

今日はそのかわり 歌うよ

これ素敵な歌なの

おばあちゃんにね 教えてもらったんだ」


ミーファは 歌った

ドラゴンは黙って聴いていた


次の日

ミーファがドラゴンの檻に向かうと

檻が血まみれになっていた

檻の外に噛みちぎられた爪が

20個並べられていた

驚いて胸に手を押し当てた時

ドラゴンからの声が届いた


「私の爪を皆が綺麗と褒めてくれた

この爪を売ってみんなの食料を買っておくれ

ミーファ お前はうんと食べた方がいいよ

そんなに痩せてしまって

あの美しかった髪もボロボロじゃないか

さぁ みんなのためにこの爪を使っておくれ」


ミーファは檻の前で泣き崩れた

泣いているミーファの肩に

優しく触れる手があった

ミーファは驚いて振り向いた

老婆が立っていた


「お嬢ちゃん これがあんたの大事な

ドラゴンさんなんだね

私はあんたがドラゴンのために

街中駆け回っている姿を見ていたよ

だからね 私も頑張ることにしたんだよ

あんたのドラゴンを解放してあげよう」


「ドラゴンを逃がしてもらえるのですか」


「檻にかかっている

束縛の魔法を解いてあげるよ

そして翼に風も与えよう

住処まで飛んで行けるように」


「そんな!そんな凄いこと!」


「私ひとりじゃできない

あんたにも頑張ってもらわなくちゃ

いいかい」


「もちろんです」


「友人達に声をかけて

探し出した呪文の書だよ

これを私が読むからね

あんたは ドラゴンのからだを抱きしめて

翼に力をと祈るんだ」


「はい!わかりました」

ミーファは必死に祈った


呪文の声に包まれると

からだが熱くなった

ドラゴンも自分も輝きだした

やがてドラゴンが

ふわっと浮いたかと思うと

空を滑り出した!


ドラゴンは自由になった

さよならドラゴン

殺される前にはやく

あなたの故郷に逃げて

ドラゴンは空の彼方に消えていった


ミーファはドラゴンとの約束どおり

爪を売ってみんなの食料を買った

戦争が終わって

落ち着いたら

お礼を言いに

ドラゴンに会いに行こうと思う

どうかまた 会えますように


昔書いたときは最後死亡で終わってたんですが 今回希望があった方がいいなと 瀕死ぐらいにしました〜

この後ミーファと再開の話も書いてみたいです

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