異世界転移してしまったようです-3
読んでくださりありがとうございます。特に話す事もないので続きどうぞ。
俺たちの前にはタイプライターの様な物が数台置いてあった。
「すまんが人数分用意できなかった。順番に使ってくれ。」
オルファスがそう言ったが誰も触ろうとしない。
「あ〜すまん。使い方を教えてなかったな。ただ自身の名を打つだけで女神アウフ様から授かった力が分かるぞ。」
それを聞いた1人の男子生徒が打とうとタイプライターを自身の前に持ってくるが手が止まる。
「何語だ?これ。」
ボタンには見たこともない文字が書かれていた。これでは名前など打てないが何故か男は少し戸惑った後、文字を打ち始めた。
(転移者には【言語習得】というチート能力が備わっているからな。どんな言葉も少し見れば理解できる。)
男子生徒が終えた次の瞬間。タイプライターが凄い速さで勝手に動き始め、次々と文字を書き出していく。そして動きは止まり挟まっていた紙が自然に落ちる。
彼はそれを拾い上げ、読む。
「…【空中浮遊】⁈よっしゃ〜!」
するとそれを聞いた生徒たちが次々と自身の名前を打っていく。
「換えの紙はここにある。どんどん取って行ってよいぞ。」
オルファスが薄茶色の紙を持ちながらそう言う。
「かりんとう。俺たちも行こうぜ。」
ユウは席を立ち、順番待ちの列に並ぶ。俺もそれについて行き後ろに並ぶ。そのあと、あんももとすいかも来る。
「ねぇねぇ。どんな力貰えてるかな。」
あんももがそう聞いてきたので俺はふざけて答える。
「【筋肉モリモリ】とかじゃない?」
するとあんももの拳が襲ってくる。俺は咄嗟に避けてユウを盾にする。拳はユウの腹にクリティカルヒットし、倒すことに成功する。
「あ、ごめん。」
「…痛!今、お前絶対わざとだろ!」
「え、何のことかわからないなー」
「おまえ……」
2人がそんなやりとりをしているとついにユウに順番がやってくる。その時、ふとあることが浮かんだ。
(あれ?もしかして…)
すぐに俺の番が回ってきて紙をセットし『神乃 倫』と打った。すると出てきたのは名前だけの紙だった。
「…白紙。」
彼はアウフからの力を貰っていないため地球にいた時のままだった。つまり魔力なしのただの男子高校生だ。神遮断防壁の中では力が使えない。つまり彼は世界最弱なのだった。
コメントや評価よろしくお願いします。次回も是非読んでくれるとありがたいです。