プロローグみたいなもの
読んでくださりありがとうございます。この作品ではほとんど人物描写はございません!読書者様の好きな容姿で想像してもらって構いません。ではどうぞ。
目の前には土下座を綺麗にしている女神がいた。彼女が土下座している相手はどこにでも居そうな男子高校生だった。
「まさか、転移者の中に貴方様がいらっしゃるとは。大変申し訳ございません。」
そう言う女神にその男は肩に手を置いた。女神が恐る恐る顔を上げると。
「よくやった!これでやっと退屈しのぎができる!」
彼の顔は輝いていた。天界にいるときよりも。
――――――――――――――――――――――――
この世はいわゆる夢の中だ。夢はその夢の主人によってある程度変えられる。つまり主人とはその夢の神であり、支配者だ。
よく「何故、神が生まれ世界が出来たか?」と疑問に思う者もいる。それは簡単だ。望まれたからだ。意味がわからない?では話そう。それは主人の気まぐれから始まった。
――――――――――――――――――――――――
鐘の音がする。俺はその音を聴き、急いで走った
。
(くそ!まさか俺が妹属性だったなんて。)
俺は前日の夜からついさっきまでシミュレーションゲームをしていて遅刻になりそうという王道を駆けているところだった。
(はぁ…ゼウフの奴。力使っちゃダメとか辛過ぎるんだけど。力さえ使えば時を止めてゆっくりゲームしたり瞬間移動で学校にあっと言う間に着くのに。)
そう、ゼウフとは全知全能と呼ばれる最高神(地球での)のことだ。そして俺はソイツの知り合い。つまり神だ。俺は訳あってこの世界で高校生をしているのだが力を使っちゃダメと言われているので今はただの遅刻者だ。
「あと、少し!」
オリンピック選手並のスピードで走る俺。そしてついに校門が見えた。そこでは男性職員が門を閉めようしていた。
俺はさらにスピードを速め、バイクよりも早く走る。
「っとう!」
門が閉まるギリギリで校内に入った。その時、男性職員は口を開いたまま固まっていたがそれを無視して自分のクラス3-Dへと急ぐ。
「かりんとう。遅いぞ。お前まさかまたゲームで遅れたんじゃないよな?」
教室に入ってすぐに友達のユウちゃんが声を掛けてきた。ところで『かりんとう』とは俺のことで俺の名前は一応、神乃 倫という名前になっている。ユウちゃんの名前は北島 勇助だ。
「別にいいだろ。てかあのゲーム、ユウちゃんのじゃん。」
俺がそう言いながらユウの後ろの席に座ると隣にいた安藤 桃華、通称あんももが話しかけてくる。
「あんたらホント馬鹿だね。毎週、同じことやって。ユウちゃんもかりんとうに貸したら遅れてくるって分かってるでしょ?」
あんももは笑いながら授業の準備をしている。
「そうだよな。ユウちゃんも悪いよな。すいか。」
俺はあんももの前に座っている水沢 果奈に振る。
「…遅れたかりんの方が悪いと思うけど。」
彼女の正論にみんな、笑っているとふとユウが言った。
「てか、先生遅くね。」
確かにすでにホームルーム開始のチャイムが鳴ったのにも関わらず、先生は教室に居なかった。周りの生徒たちはそんな事気にせず話に夢中になっていた。
「そいえばそうだね。かりんとう。見に行って。」
あんももがふざけて言った。
「いやいや、ここは学級委員のすいかが行くべきだと思うけど。」
俺がそう言うとすいかが口を開く。
「だったら言い出しっぺのユウちゃんが行くべきだと思うけど。」
そんな風にいつも通り仲の良い友達たちと話していると突然、辺りは光に包まれ別世界へと俺らは転移した。
コメントや評価などお願いします。誤字などございましたら教えてくださるとありがたいです。次回もまた読んでくれると嬉しいです。