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私の名前が呼べますか?  作者: いつだって初心者
2/2

落ちて来た。

戦場のど真ん中に転移(?)してしまった俺。

そこで、この戦争の理由などを聞いてみたら、なんか凄くしょうもないし。

なんか、落ちてくるし。

え、待って。

あれって・・・


プロローグに引き続き、わからないことだらけでしょうが、どうか許して頂けると光栄です。

現在進行形で、ピンチである。

状況を確認しよう。

前からは、鋼鉄の鎧を装備した人間の軍勢が。

後ろからは、どう見ても魔族であろうと思われる軍勢が。

それぞれ俺のいる方に向けて進軍中。

さあ、一体この戦争はどうなるか!?

いや、じゃなくてどうすればいいんだ!?

さっきから魔法がボコスカ飛んでくるし、後数分で俺のいる場所についてしまう。

さて、どうしようか。

横に逃げる?いや、もう完全に手遅れ。

戦う?いや、戦闘経験は皆無だ。

上に逃げるとか?いや、それこそ絶対無理。

・・・生きれる気がしない。

これは俗に言う「詰んだ」という状況なのでは?

うーん、とりあえず生存できそうなのは、人間の軍勢の中に突入するとか。

突入したと同時に飛ばされかねない。

だが、最も良い手段のような気がする。

よし、当たって砕けろだ。


人間の軍勢に突入する。

「た・す・け・て・く・だ・さ・い!!!!」

こんな感じで叫びながら。


あと約1〜2キロ。

すると、突然軍勢の中から1人の人間が飛んでくる。

・・・ん!?飛んでくる!?

ギリギリで横に避ける。

「あっぶな!?」

「な、なんで避けるんですかぁぁぁぁぁぁ!?」

女性の声。

「当たったら死ぬ気がして・・・。」

「貧弱ですか・・・。」

飛んで来たのは、髪はライトグリーンのロングで、軍勢の中でもかなり身軽そうな軽装備。

目の色が赤で、見た目だけだと凄く怖そう。

でも、さっきの声からして怖いわけではないだろう。・・・多分。

「どうしていきなりこんなところに?」

「俺がき・・・じゃなくてちょっと・・・。」

あ、どうやって言い訳すれば良い?

「もしかして転移魔法で失敗したとか?」

「あー、はい。そのとうりです。少し友人の魔法が失敗してしまい。」

ナイスだ俺!

俺が転移魔法持ってない設定に出来た!

「それは災難でしたね。しかもよりにもよってこことは・・・。」

「本当飛んだ災難でしたよ。」

ちなみに軍勢達は綺麗に俺たちを避けている。

いやーすごいなぁ。


「ところで、何があったんですか?」

「あ、じつは魔族達と正式に戦争になってしまったんです。」

てことは・・・魔王とかかな?

「こちら側の女神様と、あちら側の魔王の対立でして・・・。」

「やはり、ですか。魔王と女神・・・ですか。」

「なんでもかなり深刻な事情があったそうで。そのせいでここまでとは・・・。」

あれ?もしかして、戦争に対して良い思いしてないのか。

「この戦争が、出来る限り早く終わってくれるといいのですが・・・。」

あ、ビンゴ。

やっぱり、戦争嫌いの人だ、この人。

「何度もやめた方がいいですと言ったのですが・・・。仕方ないのかな・・・。」

ご愁傷様です。というか・・・

「軽いですね。その様子だと話し合ってもいないのでは?」

すると、凄い勢いで迫って来て

「ですよね!!話し合いもせずこんなことしてるんですよ!?正気だとは思えません!!」

相当なんだな。

でも、なんだかかわいそうだな。

きっと大切な人がいるんだろうな・・・。

てか、この子戦闘に参加しなくていいのか?

「しかもですよ!!その理由を聞いてみたらなんと、この世界は俺のものだからだ、とかって言い始めて・・・。」

「そ、それは最悪だな・・・。」

大丈夫なのかよ、この世界。

あと、この子戦闘に参加する気ないな。

「と言うか、よく魔王とか女神とかになれましたね。どうやって決まるんですか?」

「こればかりはどうしようもなく、簡単に言うと雑なんですよ。先代の魔王と女神が死ぬと自動的に、かつ強制的に決まってしまうんです。」

それは・・・本当かわいそうに。

そのせいでこんなことになってるのか。

あ、なんかちょっとイライラしてきた。

「はぁ・・・。メリドゥス様とバァリメル様が魔王と女神になってから、ずっとこんな感じですよ。もうウンザリです・・・。」

「へー、メリドゥスとバァリメルか・・・。」

どっちがどっちかは置いといてろくなやつじゃないだろうなぁ。


隕石が落ちて来た。


おー、なんか落ちて来たなー。

いや、ファ!?ワッツ!?

なぜに隕石落ちて来た!?

「んな!?何で隕石なんかが!?」

彼女ですら仰天してる。


ドーン。


大地が揺れるって、こんな感じなのか。

いや、てか、立ってられないわ!?

轟音とともに地震が発生。

さらにとんでもない衝撃が身体にかかる。

「うぐっ!?」

「ひゃあ!?」

咄嗟に彼女の腕を掴む。

この際小さいことは気にしないでほしい。

なんとか耐えられる程度だが、ちょっと気をぬくと飛ばされかねない。

全神経を腕と足腰に集中させる。

「っ・・・!?」

苦しい。

つーか、息が出来ない。

でも、足を上げたら終わり。

ついでに手を離すことも、プライドが許さない。

「だ、大丈夫、ですか!!」

「うぐっ・・・くぅ・・・。」

大丈夫じゃないね、はい、よく分かった。

わかったが、我慢してくれ・・・!

俺も一応死にそうなの!!


「あ・・・。」


細い腕が俺の手から離れる。

さらにそれを掴もうとして体制を崩してしまう。

「やば・・・!!」

そう思った時には既に時遅し。

足が離れてしまい、爆風に逆らえなくなり、身体が吹っ飛ぶ。

そう、吹っ飛ぶ。

比喩でもなんでもなしに。

何度も地面に身体を打ち付けて止まった頃には、もう俺の意識はなくなっていた。


のちに知ることになるが、この戦争でのこの事件(?)は、裁きの流星と呼ばれることになる。

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