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冷風
開いた窓から冷たい風が頬に当たる。
斜め前をみると、直緒のきれいな髪が風になびかれて揺れていた。
「なぁ、春。お前、さっきの授業中のこと覚えてるか?」
直緒は突然、こちらを見ずにぼそっと呟いた。
「授業中のことって、僕が寝てたこと?」
このこと以外に心当たりはない。
ほかに僕は何をしたというのか?
僕がそう答えるなり、直緒は僕の方を振り返ってまた呟いた。
「春、お前やっぱり覚えてないのか。」
目の前を見ると、そこには心配そうな直緒の顔があった。
寒気がした。
いつも無表情な直緒がこな表情をするなんて、きっと僕は相当なことをしたみたいだ。
恐れながらも僕は勇気を出して聞いた。
「僕、何かしたの?」
そして、直緒は真面目な顔つきをして言った。
「お前、多分夢遊病だよ。」