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悪魔はここに目覚めたり




 夕食の調理担当が出勤してくると、製菓担当は退場する。

「本日の打ち合せは、サロンでするよー! それ以外は帰ってよし、お疲れさん! 時間がある奴は自習なり反省なり、好きにしろー」

「お疲れさまでした!」

 解散すると、新人にはこれといって仕事はない。

 エイプリルは私服に着替えると、必ずある場所に向かう。

「やっほー!」

「先輩」

「図書館寄ってく?」

「はい、もちろん!」

「勉強熱心でえらい! それじゃ、私も一緒させて貰うわね」

 聖霊塔の職員にとって、最大の魅力。

 それはきっと、世界一と称される大図書館を自由に利用できることだ。

「今日、他の年少組は?」

「食材のセミナーがある子と、昼の混雑で疲れ切ってダウンしたのが数名」

「ありゃ! まぁ無理もないかぁ。雑用が一番しんどそうだもんねぇ」

「その代わり、厨房はピリピリしてますし……。雨がこんなに続くから、みんな気分も滅入っているんでしょうか」

「あるね、それは」

 傘を差して移動すると、距離はあるが隣の建物が図書館である。

 聖霊塔の上階からなら通路で繋がっているのだが、あれは時間を惜しんで本にかじり付く魔術師の為のものだ。

 服が濡れるのは仕方ない。

「そういえば、図書館も地下で繋がってるらしいね?」

「そうなんですか?」

「今は悪魔学部だけの空間みたいになってるけど、地下にはいろんな所に繋がる道があって、昔は敷地内をあちこち移動してたって話! 暗くて危ないし、老朽化してたり、曰く付きだったりで、今はそんな使われてないみたい」

「曰く付きって……」

「結構ヤバい話もあるってよー?」

 ニヤニヤする先輩に、エイプリルは頬を膨らませた。

「もう、からかわないでください! 本当に怖かったんですよっ? 変な人に驚かされたり、怒鳴られたりして! とにかくもかくにも、気味が悪い場所で……」

「よく無事に帰ってきた! 呪われてない?」

「ないです!」

 暗くてよく見えなかったが、妙なものに触ったりはしていない。

 妙な魔術師には遭遇したが、考えてみれば妙でない魔術師の方が珍しいのだ。そう思えば、特別なことではないと結論した。

 聖霊塔の大図書館に到着。貴重な書物を保護するために、水気を払って入館する。

「いつ見ても、壮観……」

 一歩入れば、そこは幻想的なまでの景色が広がる。

 吹き抜けの四階立て、観覧制限の書物は地下で、平均二階建ての別館が五つ。広すぎる空間には橋の通路が設置され、天井まで隙間失く建てられた棚には梯子と移動階段。仕切のある机で調べ物が出来、そこには貴重な本が展示されていたり、眺めるための椅子も置かれていたりする。

「ここにいるだけで頭が良くなるような気がするよね」

「あはっ」

 世界最高峰の魔術師たちが集う、最高の図書館。そんな気になるのも納得である。建物自体は地味でも、細部には芸術も垣間見える。偉人たちからの敬意を込めて送られた寄贈品、聖霊塔の威光を示す彫像やステンドグラス。

 雨の日の薄暗さも、ここでは温かな灯りに照らされ、なりを潜めた。

「ちょっと古い料理本を探してるんだけど……」

「こっちです、先輩」

 エイプリルが先導して向かう場所には、余り人は多くない。

 食に関する専門書が並ぶので、魔術師の感心は低いのだろう。

「私はもう少し薬学の方に」

「薬学?」

「木の実やハーブで、人の体に良い影響を与えるものを調べてて。おばあちゃんの本には絵が書いていないので」

 マーガレットの本はかなり古いものだ。彼女が九十に近いので、八十年くらい昔だろうか。当時は細かな記載があっても、図や絵が載っているものは希だった。今なら少し探せば見つかるだろう。ここ最近は、そうして本を探すことが多かった。

 エイプリルが薬学に関わる本棚に行くと、やはり料理本のあたりとは比べものにならない数の人が視界に入った。

 服装の疎らさから見ると、聖霊塔を目指す学院生が七割、八割ほど。

 雨が降ったら外に出ない公の魔術師と違って、彼らは日々、課題と調べ物に追われているのだ。

 エイプリルは邪魔をしないよう、人の背の後ろを通って進んだ。

 目当てのコーナーを見つけ、背表紙を追っていく。見つけた。

 シリーズ物の、植物図鑑を兼ねたエッセイ。毎日少しずつ読み進めていた中の、続きに手を伸ばす。

「あ」

 誰かの声がした。

 控えめだけど驚いたような、困ったような。

「?」

 振り返ると、一人の女性と目があった。バッチリ、と目が。

(もしかして、この本?)

 エイプリルは慌てて手を引っ込めて、元来た道を戻った。

 あれは魔術師だ。きっと研究に使うのだろう。

 元より魔術師と学院生以外は、入館できれば観覧を許されても、貸し出しは出来ない決まりだ。

 当然、ここは魔術の最高機関『聖霊塔』、魔術師が絶対優先である。諦めるしかない。

 歩く速さを緩めて、別の場所を探そうと見回した。

 思い当たった場所へ、階段を上がろうと足をかけた時。

「あなた」

 凛とした声が、背中を呼び止めた。

「えっ?」

「これを見たいのでしょ?」

 さっきの女性だ。

「私の調べ物はすぐに終わるのよ、少しお待ちなさいな」

 ふわりと笑う、整った顔。艶やかな黒髪に、青い瞳が映える。

 スっと伸びた背中。高い身長にヒールのパンプス。黒服の前を開いて、V字ネックの青いトップスにエナメルのベルトがよく似合う。迫力のある美人だ。

「……はい」

「いらっしゃい」

 赤い口紅が色っぽい。その割に、あまり年上という感じがしない。

 いや、魔術師は年齢不詳が多いので、見た目では分からないが。

 歩き方まで綺麗なその女性に、エイプリルはついていった。

 いつでもたくさんの人が使う机に、彼女は歩いていった。すると、さりげなく身を引く者がいて、自然な流れで二人分の席が空けられた。

(すごい……)

 魔術師界の上下関係が見て取れる。

 立ち止まってしまったエイプリルに、女性は目配せした。

「座って?」

 促されるままに、ちょこん、と隣に座る。

 不思議な香りがした。植物の、好ましい香り。

(私みたなの呼び止めて、場所まで作って、待たせてくれて……大人な人だなぁ……)

 後をついて行かせて貰ったのは、二人目だ。

(魔術師って変な人ばかりだと思ってたけど、こういう人たちもいるんだ……。黒マスクの人は、ちょっと変だったけど)

 ちょっとか? という突っ込みを自分で入れながら、ページをめくって行く女性を覗き見る。間近で見れば見るほど、綺麗だった。

(お肌、どうやって手入れしてるのかな。髪、さらさらでツヤツヤだぁ。メイク、してるよね? 口紅どこのお店のだろう……って、私は聞いても分からないや)

 先輩の言葉を思い出す。花の乙女時代を満喫しなさい、と。

(ロマンス……かぁ)

 近くにあった展示品の本に目をやった。

 有名な物語の原本で、挿し絵に金箔や宝石の塗料で色を塗った、読める芸術作品。

 大昔の王様に献上されたという本には、武勲を得た素晴らしい騎士が妖精の妻を迎えに行く話が綴られている。妖精の森を進み、騎士が試練を乗り越える間中、妖精は自分の場所を知らせるために歌い続けた。それは罠だと嘯く悪魔もいたが、騎士は無事に試練を乗り越え、その美しい妖精を見つけだす。そして、喜びのダンスを踊る。というもの。

(今は仕事で、そんな余裕はなさそうだけど)

「騎士の話は好き?」

 と、静かな声が問いかけた。

「あ……まぁ、素敵だなとは」

「強くて礼儀正しくて一途。なかなかいないわよ、そんな男。でも、もしい見つけたら、迷わず捕獲することをオススメするわ」

「捕獲?」

 大胆な表現だ。

 彼女はイタズラっぽく口角を上げた。

「それが騎士でなく魔術師だったら、なお良しね」

「そうなんですか?」

「希少種よ? それに騎士は戦いに行く上、頭まで筋肉なのも多いでしょ。魔術師は研究所から動かないし、老後のことも計算するし、死ぬまでに価値ある魔術書グリモアでも残せば、遺産も残せる。私は、その予定よ」

「頼りになりますね」

「私が男なら、貴女を口説いて上げられるのだけどね」

 エイプリルは、顔をカと赤らめた。

「く、口説……っ?」

「食堂の妖精さん、本を譲ってくれてありがとう。とても助かったわ」

 自分のことを知っているとは。

 エイプリルは目を丸めた。

 彼女はイスを引いて、静かに立ち上がった。

 本と微笑を残して、颯爽と離れて行ってしまう。

(女の人にドキドキするなんて、初めて……)

 綺麗だった。さっぱりとした去り際までも、完璧。

 どこかの物語の中から抜け出してきたかのような、そんな人だった。


 玄関付近、学院生や魔術師が本の貸出手続きをするカウンターで、その女性は足を止めた。

「あら、珍しい」

 大仰な本を数冊、カウンターに積み上げている男の姿。

 黒いパーカーのフードを被り、その上から更に、聖霊塔魔術師の黒服を着て、足まで真っ黒な格好だ。

 手袋もすれば、マスクまで黒い。

「モグラさん達は雨がお嫌いでしょうに。ま、地上でも好き好んで出てくる人は少ないでしょうけど」

「よ」

 片手を上げて、それで挨拶のつもりらしい。

「それ……? なに、その本の題名タイトル

「ナハト」

「あの人、今度は何を始める気?」

 会話になっている。カウンター越しの図書館職員は密かに驚いた。

「久しぶりに」

「うそ……まさか召集されるの? 私も?」

「ん」

「そりゃ、そろそろ時期でしょうけど、条件は最悪よ?」

「逆に」

「珍しいから、楽しみだって? ……折角、この季節の薬草を新薬に試そうってしているのに……」

「雨だし」

「知ってる。晴れなきゃ薬草も顔を出さないんで、暇だってことはバレてるんでしょ? それに比べて、貴方たちは年中することがあるのだから、もう少し時間を有効活用なさいな」

「無駄」

「言うだけでも言っといてちょうだいっ」

 もう、っとムクレた美女も美しい。

 周囲が思わず振り返るようなその人に、黒マスクは首を傾げた。

「多分、無駄」

「……知ってるってば」

 そのとき。

「?」

 ざわざわと、図書館内部からどよめきが起こった。

「なにかしら」

 二人はそちらを振り向いた。

 この大図書館で、騒ぎが起こるなど滅多にない。

 そのとき、慌ただしい足音と共に、余裕を無くした声が上がる。

「大変だっ! 火が……! いやそれより、暴れてるヤツの様子がおかしい!!」

 カウンターの図書館職員たちが、ばたばたと動き出す。

「場所は!?」

「観覧席の、『妖精と騎士』の裏側! あ、暴れてるのは魔術師!」

「ーー まずい!」

 そこには、たくさんの人がいる。

 燃えやすい物が多く、燃えてはならない貴重な品も。

「レイ」

「えぇ!」

 黒マスクが走り出した。女性も続く。

上級魔術師クリューソスよ、通しなさい!」

 凛とした一声に、人の波は道を開いた。


 女性が去った後。

 エイプリルは鼓動を落ち着かせ、集中して本に向かい合った。

 メモにした植物の一覧を順に探して、各ページを念入りに読み込んだ。図形も大まかにメモに書き込み、いつでも思い出せるようにする。

 備え付けのペンとインクを手に、黙々と作業を続けていた。

「……おい、大丈夫か?」

 小さな声。

 誰かが誰かにそう言った。

「ぅ、う……っ」

 ざわり、と空気が変わる。

 異変に気づき、人々は視線を集め出した。

 小さなうめき声が続き、案じる声も増え、エイプリルもようやく顔を上げた。

(なに?)

 何か騒ぎが起こっているらしい。

 キョロキョロと辺りを見回す。

「体調、悪いのか?」

「うずくまってるぞ」

「あれ、魔術師の……」

 人の目の先を追ってみた。

 さっき眺めていた展示物の、向こう側。

(どうしたんだろう)

 近くにいた職員らしき人が近づいて行き、周りの人たちと話し始める。

 彼を担いで運ぼう、というのが聞こえてきた。

「う、ぁあああっ!」

「!?」

 ひどい声がした。

 とても痛そうな声だ。

「なんだっ?」

 背を反って苦しみだした一人の男。

 両手で頭を押さえ、上半身を振り回している。

「ーーぎゃああああああ!」

 エイプリルは肩を竦めた。

(なに……っ?)

 尋常でない気配を察知して、立ち上がったみると男の姿が映る。

 周囲の人が驚いて後ずさり、円形の空間が出来ていた。

 その男は壮年の、黒服を着た魔術師だった。

「お、おい!?」

「誰か、職員を呼んで!」

 これはいけない、と指示が飛ぶ。

 学院生などは固まってたり、野次馬が集まる。

 エイプリルも茫然として、その場から動けずにいた。

 すると。

「え?」

 苦しんでいたはずの男が、突然、すっと立ち上がった。

 驚く周りの人々。

 ゆらりと歩いて、指示を飛ばす別の男性に背後から歩み寄っていく。

 次の瞬間、ど、という重たい音がした。

「がっ!?」

 強烈な蹴りが、男性を襲う。

 想像を越える力で吹き飛んで、全身が浮き上がる。

(!?)

 ガシャン!!

 男性は机にぶつかった。乗り上げ、本や洋紙、ペンのインク瓶などが床に弾け飛ばされた。

「……ギャハッ!」

 変な声がした。と、エイプリルは思った。

 壮年男性は、くるりと振り向いた。駆け寄つけていた女性職員を、前触れ無く殴りつける。

 どん!

「きゃああああ!」

 周囲から悲鳴が上がる。

 女性職員は本棚にぶつかり、バサバサと本が落ちていた。気を失ったのか、動かない。

(……意味が、わからない……)

 この状況に、認識が追いつかない。

「“あくま”」

 獣のような唸り声が、喋り出す。

「“悪魔はここに目覚めたり”」

「……!」

 地を這う低音が、足下をひやりと広がっていった。

「悪魔……だって?」

「なぁ、これ、まずいんじゃないか……?」

 青ざめた人々の中心で、男は両手を大きく広げた。

「“今! 我らの願いは聞き届けられた!”」

 まるで感じの悪い舞台の一幕だ。

 高笑いが大図書館に響き渡り、空気は緊張に張りつめた。

「“さぁ、燃えろ!!”」

 男は言った。

 次の瞬間、何もない所から火の手が上がる。

 床から、テーブルから。空中にまで。

 真っ赤な火が現れて、徐々に膨らみ、広がっていく。

「何を考えてるんだ!!」

「ここは、大図書館だぞ……!?」

 そうだ、ここは世界最大、最高の図書館。

 一国が買えるほど価値ある書、伝統の魔術書、真実の歴史を刻むものまで。誰もが愛し敬う、知識の宝庫。

 それが今、炎の前に曝されている。

「取り押さえろ! 早く!!」

「火を消せ! 水はダメだ、なんとかしないと!」

「属性持ちの魔術師はいないか!? 炎の支配権を奪ってくれ!」

 辺りは騒然とし、悲鳴と怒号とが次々上がった。

 魔術によって生み出された炎は、たとえ消せても魔力が尽きない限り蘇る。術者を抑えなければ、手遅れになる。

「詠唱なしで使うなんて……!」

 その場に何人かの魔術師と、学院生が駆けつけた。

 余裕を欠いた表情で、一様に詠唱を開始する。

「“邪魔だ、劣等!”」

 男は、あざ笑う。

 ぶわっと風が巻き上がり、炎は一層勢いを増して、詠唱中の者達に襲いかかった。

「うわああ!」

「熱い、熱い……っ!」

「誰か助けて!!」

 頬を熱風が撫でるのに、胃が凍り付いたように冷たい。

 鮮烈な赤と黒の光景。

 高笑いの止まぬ中、エイプリルは顔を覆っていた。

 逃げ出す者を追う炎、立ち向かう者を阻む風。

 詠唱はなく、隙もない。一方こちらは詠唱すれば狙われる。

(私はどうしたら……)

 震える体、逃げなければという警鐘が頭の中に鳴り響く。

(ここは図書館中央部、出口は、人が集まって動けなくなる。火が回る。辺りは紙と木ばかりの……本の、山)

 ハっとして、少女は周囲を見回した。

 一番人が集まる場所には、それだけ使用頻度の高い本が置かれている。

(ここは聖霊塔だから、少し離れたあたり……宗教学!)

 本棚の案内プレートを見て、一目散に駆けだした。

 小さな体で人の合間を縫って進み、知った背表紙に飛びついた。

 そして人の影に隠れるように、炎の方へ。

「燃える! 助けて! 助けてくれーー!!」

 火に巻かれた者達元へ。

(だめ、もう一歩……前っ!)

 恐怖で視界が滲んでいた。

 それでも膝に力を入れ、エイプリルは高笑いの前へ躍り出た。

「“?”」

 ポケットの中の術石、全てをまき散らす。

 そして詠唱ではなく、少女は脇に抱えた分厚い聖書を持ち上げた。

「〈応えよコウクス!〉ーー 神よ!!」

 振り上げたそれを、男に向かって投げつける。

 ーー ダン!!

 空気が震える、重たい音。

 男が避けた場所に、本は大口を開いて広がった。

「“……!”」

 途端に、本はぶわんと白い霧を吐き出した。

 にわかにキラキラと輝く霧を、立ち上らせて、ゆっくり降らせる。

 霧に触れた先から、炎は逃げるように縮まった。

「上着を脱いで、逃げて!!」

 転がっていた魔術師や学院生から、エイプリルは無理矢理にでも服をはぎ取った。

 少しの火には怯むことなく、彼女は大きな声で呼びかけた。

 小さな少女の真似をして、野次馬たちも上着を脱がせて捨てる。

 意識のない者は抱え、早く逃げようと出口へ向かった。

「ーー上級魔術師よ、通しなさい!」

 そこで聞こえてきた声に、歓声が上がる。

 人垣は道を作り、その中を二人の魔術師が駆け抜けた。

「!!」

 二人の若い魔術師は足を止め、異変の中心に立つ男と、それに向かい合う小さな背中に瞠目した。

 少女はそこから動けない。

 炎を覆う白霧を保つには、彼女は逃げることが出来なかった。





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