待ち合わせ
秋月忍様の昭和の日企画参加作品です
改札口の前の伝言板
待ち合わせ場所はここで間違ってはいないはず
約束の時間はもうだいぶ過ぎているのに
彼は来ない
駅を出ればすぐそこに
電話ボックスはあるけれど
彼の部屋に電話をかけている間に
彼が通り過ぎて行ってしまったらどうしよ
それよりも
約束の時間をこんなに過ぎているのに
電話に出たら頭にくるし
いつもそう
時間にルーズな彼は
約束の時間に来たことがない
普段は気にもならない伝言板
でも、待ち合わせの時だけは大きく見える
ここに「さよなら」と書いて帰ってしまおうか
でもこんなに落書きだらけの伝言板じゃ
私の伝言なんて気が付きもしないで
「なんで待っていてくれなかったの?」と
何もなかったように話しかけてくるに決まっている
いつも私は
あなたに振り回される