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敗北
中3の夏、最後の総体。
ブザーの音が鳴った。試合と、皆の3年間が、終わった。
県大会常連校であったはずの私達二中は、地区大会の2回戦で負けた。
1回戦で怪我をして、やむなく欠場していた私は、悔しさに泣く皆を、ただベンチから眺めていた。
ユニフォームを着た背中に書かれた、『4』の数字。先生から、先輩から、皆から任された、この数字。
私は皆の期待を裏切り、この数字を背負う者の使命を果たせなかった。
「私、もうバスケやめる」
積み上げてきた9年間さえも、終わった瞬間だった。