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ワタシの1日

作者: kage

 朝の挨拶は「おはよう」である。

 これはどこでも当たり前のように交わされる。


 この言葉にどんな意味があるのか・・・

 重い瞼を持ち上げる。

「おはよう、気分はどうだい?」

隣には白衣を着た男が立っていた。


ワタシは黙っていると、気が付くと男が覗き込んでいた。


「大丈夫そうだな。今日から君は外で暮らして貰う。」

顔を離しながら、男が告げた。


 言い終わるや否や出て行った。

 しかし、扉が閉まることを許さない。入れ違いで白衣の女が何やら持って側までやって来たからだ。


「住所はこちらです。」

メモを渡される。


 女は入口まで戻り立止まってこちらを見ている。 

「出口まで案内しますので、付いてきてください。」

ワタシは後を付いて行く。



 タクシーの窓から景色を眺める。最初は木が多く目についたように思う。

 そして、ワタシは今、扉の前に立っている。

ゆっくりと扉を開ける。


 ・・・誰もいない。



 中に入って行くが・・・何も、無い。


 ワタシは向きを変え出て行く。

出たところで、老いた男に出会う。

「おぉ、ご新居さんかい?部屋は狭いが綺麗に掃除しといたからねぇ。

ところでお出かけかい?気お付けてねぇ。」


 ワタシは頭を下げ足を進める。


 少し進んだところで、前から女に手を引かれながら、幼い男が嬉しそうに今日あったことだろうか、話している。

 女の方は

「そうねぇ」

「良かったねぇ」

などと言っている。


 ワタシはそれを頭だけを向け、そのまま進む。


 ん?

 前から一本だけ伸ばした指を向け、二人の女が歩いて来る。

「わあ、こっち向いてるよ?」

「きゃあああ」

と会話が聞こえる。

 四角い板のようなものをワタシに向ける。

カシャリ

 二人の女は板に顔を向け行ってしまった。


この後も先ほどの女のように板を向けてくる者が多くいた。


 ワタシは黙々と進み続けた。



 止まった。


 何故か、ここへ入りたくなったのだ。

中へと進んで行く。


 洗濯機、冷蔵庫、テレビ、LED・・・と見ていた。

 

 一通り周り、後にする。



 ひらけた場所に出る。

まただ、また、人々が板を向けキャーキャー言っている。



 幼い男が前の女のように指を向け叫ぶ!!


「ロボットだ!」

 

 他にも同じようにし

「ママ動いてるよ!」



どう見てもワタシに視線を向けている。


 一人の男が近づいてきて、横に並ぶ。

板だ。ロボットと音が映っている。



バシッ!!



 ワタシは思わず男を突き飛ばす!

男は思いっきり地面とキスをする。

男から赤い液体が流れる。


「「きゃああああああああ!!」」


周りで悲鳴が上がる。


口を開いたり閉じたりしてる者、目を閉じ下を向いている者、口の前に手を持ってきている者、走りさる者


それぞれが、それぞれの動きをしている。


 

 気が付くとワタシは進み出していた。



 人々の隙間を進み、やがて人がいないところへ出る。


 液体が流れる音がする。

赤くはない、ここからでは色はハッキリしない。

坂を下りて行く。そして、頭を下に向ける。



 ロボットが写っている。

勢いよく頭を上げ、周りを見るが人一人いない、ワタシだけだ。


もう一度、向ける。

もちろん、ロボットが写る。


どう見ても人ではない。

ワタシなのか、これが、これがワタシなのか・・・


これが、絶望というじゃないのだろうか・・・

これは、感情ではないのだろうか・・・






人とロボットの違いって、なんなのか・・・


見た目か?

今の技術でも、既に近いものが出来ている。


では、会話なのか?

音も同様に近いものがある。






「一日もたなかったか。

次は姿を似せてみるか。

データ的にも感情面はうまくいっているしな・・・」


 何を言っているのか・・・

その声がする方へ頭を向けると、白衣の男だ。

最初に見た男が立っていた。



 男はワタシの頭に手を差し伸べる。


カチン



 読んでくださりありがとうございます。


 私は削ぐに削ぎまくる作品になってしまうようです。


 意見、感想とういただけると助かります。

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