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いざ、冒険者高校に

前半と後半で雰囲気が違います

 また一つ、俺の夢が破れた…

 店に出入りしていた猿人の商人ボーン・ビイニさんは俺に教えてくれたんだ。

 猿人の冒険者の中にはビキニアーマーを着ているムチムチなお姉さま戦士とか元気で爽やかな魔法少女がいるって。

 

―――――――――――――――――


 クレシタ冒険者高校の受験案内には自然豊かな環境、経験豊富な教師陣、万全なセキュリティーと書かれていた。

 でも俺の目の前にある学校は…


(自然豊かな環境って草木がボウボウに生い茂ってるだけじゃん!!経験豊富な教師陣…豊富過ぎて傷だらけで怖いわ!!万全なセキュリティーって外に対してかよ!!)

 クレシタ冒険者高校は生い茂る草木と刑務所並みに高い塀に囲まれて看守みたいな先生がいる学校だった。

 ちなみにチラッと見えた女子生徒は棍棒を片手でリズミカルに操るムキムキな戦士、陰気で目の周りがクマだらけの魔法少女。

 いや、俺も本当は分かってたんだ…

 ビキニアーマー?虫に刺されまくりだし、防具の意味ないよね。

 元気な魔法少女?魔法って精神力を使うから元気なのはハイな時だけなんだよな。

 逆に明るく爽やかに攻撃魔法を唱えられた怖い…だって攻撃魔法は敵を殺す為の魔法なんだから。

 クレシタ冒険者高校は正確には苦冷死多冒険者高校って書くんだと思う。 


(でもパーティを組むとしたら、さっきの先輩達だな。ムキムキな腕は鍛えている証だしクマは徹夜で魔法を勉強した証なんだよな…きっと、ここは俺みたいな貴族のお坊っちゃまが来て良い学校じゃないんだ)

 だから普通高校か商業高校を受けよう。

 その方が俺の為になるし…妙な気配を感じて振り向くと頬に傷がある厳ついおっさんが立っていた。


「ほう、気配を消して近づいたのに勘づいたか…中々、有望だな」


「いやー、単なる偶然だと思うっすよ」

 ガーグ王子に苛め…鍛え抜かれた体が、危険!!近づくなと教えてくれる。


「笑わせるな…俺の攻撃範囲から偶然に外れる訳がないだろ?」


「それは余りの迫力に恐れおののいたんすよ」

 正直に言えばガーグ王子やイントルさん、家の爺さんの方が数倍怖い。

 次いでに言えば師匠の方が比べ物にならない位に怖かったりする。


「お前の目はビビってる奴の目じゃねえぜ、冷静に相手の実力を推し量っている目だ。俺の名前はスパン・ルータ。この学校で近接攻撃を教えている…お前は受験希望者だよな?」

 違いますって言おうとしたら(ししょう)悪戯(たくらみ)か突風が吹いて手に持っていた受験案内が飛ばされてルータ先生の手に。


「コウゼン・モノリスか。受験手続きは俺がしといてやるからな」

 ルータ先生に爺さんの国の言葉を贈りたい。

 それは小さな親切余計なお世話。


「ありがたいんすけど、まだ受験資格を満たしているか分からないんすよ。それに試験に受かるか分からないっすよ」

 偶然、手元が狂って解答を書き間違うのは良くある事。


「うちの学校は冒険者育成校だから実力と最低限の知識があれば受かるさ」 

 最低限の知識か。

悲しいかな、俺は外国人…この国の知識は乏しい。

 

「ちなみにに試験は筆記っすか?」


「筆記と実技だ。実技は対戦形式の試合になる」


「それじゃ戦士系が有利じゃないっすか?」 

 得意な間合いはそれぞれ違うんだし。


「見るのは勝敗じゃなく内容だからな」


「そうっすか、ちなみに何課があるんすか?例えば商業課とか後方支援課なんてないんすかね?」


「まずは近接課、俺の受け持ちだから歓迎するぞ」

 そんな死亡率が高そうな課はパスだ。


「次に魔法課、魔法課は討伐が緩い代わりに試験が厳しい」

 俺は師匠の祝福(のろい)で初球魔法しか使えないから落第確実…これもパス。


「それと神聖魔法課、これはエルフに伝手がないとキツいな」

 ハーフエルフと知られたくないからパス。


「騎士育成課課、これも身分に制限があるからキツいな」

 家は騎士を使う立場だけど、実家を知られたくないからパス。


「最後にスカウト課、ここは不人気なんだよな。スカウトやレンジャーは地味だろ?」

 スカウトやレンジャーに必要なのは警戒心と何よりも知識。

 ここで学べばロキバルバの魔物や自然に詳しくなれる…何よりも戦闘をする機会が少ないと思う。

 まあ、どっちにしろ受かる気はないけど。


―――――――――――――――


 ルータ先生に別れを告げ、とりあえずクレシタの街を散策する。

 物価はエルフィンより高目、話を聞くと税金が高いのが原因だと思う。


(そういやエルフの姿を見ないよな。確か、こっちのエルフは鎖国してるんだよな…エルフの嫁さんを連れて帰ったら皆喜ぶんだけどな)


データボール参照 ロキバルバのエルフ

 ロキバルバのエルフはカッペリと言う国のみ住んでいます。

 カッペリ以外にいるエルフは外交官や一部の商人、カッペリから飛び出して来たエルフ。

 もしくは奴隷にされたエルフ。


(マジかよ!!今だに奴隷制度があるのか?)

 一瞬、母さんやシャルレイン姉さんメリルが奴隷にされた姿が浮かんだ。


データボール参照 ロキバルバのハーフエルフ

 ロキバルバのハーフエルフは忌み子扱いをされています。

 何しろ奴隷にでもされない限りハーフエルフは産まれないんですから。


 …マジかよ…

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