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違和感

かなり久しぶりの更新です…ようやく意欲が回復、代わりにWizardの意欲が…

 バトス公爵領に入ると妙な違和感を感じた。領民には笑顔が溢れているし、街道もきちんと整備されている。そして作物の成長も良好。だけど何かが引っ掛かる。

 

「随分と冒険者が来てるな」

 フォルテの言う通り、騒動を聞いて駆け付けたらしい冒険者で街道が賑わっていた。


「公爵家に恩も売れば士官も夢じゃないからな。うまくいけば子々孫々食いっぱぐれないんだぜ」

 うまくいかなくても報酬はたんまり貰えるだろうし…ただ、今回のメデューサさんは公爵家自慢の騎士団でも手こずっている事を忘れちゃいけない。そうでなきゃ公爵家の恥を晒してまで冒険者に依頼を出さないだろう。


「ねえ、あの人達さっきから、ずっと後ろを着いて来てるけど大丈夫かな?」

 トロイ君の言う通り、同じ人達がずっと俺達の後を着いてきていた。


「問題ないっすよね…エリーゼ様」

 エリーゼおばさんの娘はルーンランド王様に嫁いで、現ルーンランド王を産んでいる。それを抜きにしてもエリーゼおばさんはロックオーガ伯爵家の人間で魔法研究所への影響も大きい。


「ああ、あれは国の連中だよ。ったく、てめえの婆を信頼しろっての」

 あれはオーディヌスでも一・二を争う怖い人達。そしてエリーゼおばさんが婆って言ったって事は王様が派遣したって事だ。


「ルーンランド特殊部隊っすか。良く訓練されてるっすね。それとあの人達はメントを出てからずっと着いてきてるよ」

 王様が派遣したって事は選抜メンバーなんだろう。暗殺、護衛、城への侵入なんでもしちゃう怖い人達。エリーゼおばさんはルーンランドの重要人物、特殊部隊を着けない方がおかしい。


「へー、なんで分かったんだ?」


「服は変えても背丈はや肌の色は変えれないっすよ。たまに休憩をいれたのは俺を休ませる為じゃなくあの人達が追い付くのを待ってたんすよね?」

 もし、エリーゼおばさんを見失ったりしら死刑ものだ。着いて来られるのは面倒でも、みすみす死刑にする気はないだろう。


「ここの情報はルーンランドとしても喉から手が出る程欲しいからな。もし、バレても俺の護衛にしておきゃ文句はつけれないだろ?」

 確かにそうだ。だけど、なんであの人達はスムーズに公爵領に入れたんだ?俺達の前のパーティーは審査にやたら時間が掛かっていたのに。

 ちなみに俺達はミッシェル先生のお墨付きがあったから、フリーパスに近かった。

(あの人達の共通点は猿人って位だよな…もしかして俺が感じていた違和感は!!)


「エリーゼ様、特殊部隊の人達に調査をお願いして良いっすか?」


「なんだ、言ってみろ」


「公爵領での猿人以外の立場っす。さっきから猿人以外の領民を見てないんすよ」

 俺が感じていた違和感は人種の片寄り、冒険者に獣人やドワーフが混じっていたから気付くのが遅れた。

 調査結果は直ぐに分かった、バトス公爵は異常なまでの猿人至上主義らしい。

 他の人種を亞人と呼び、奴隷扱いしているとの事。その為、他の人種は殆んど表には出れないらしい。

 ゼーロの親父さんもそれに着いていけなくなり、王宮騎士団に入ったとの事。


「ふーん、今時猿人至上主義か。くだらないね。その癖ピンチになったら依頼を出すなんてますます気に入らないね」

 

「エルフィンにもエルフ至上主義がいるっすよ。俺も随分と酷い目にあったんすよ」

 伯爵家の身分を隠していたとはいえ、触っただけで猿菌が伝染るとか言われたし。


「コウゼン、それでもこの依頼を受けるのか?俺達、牛人も言われのない差別を受けて来たんだぜ」

 フォルテの言いたい事は分かる、わざわざ多種族を差別する連中を助けたくはない。


「だから行くんだよ。そんなのが公爵じゃ、うちの国民を安心して入国させれないだれろ。きちんと弱味を掴んでやるさ」

 きっとバトス公爵はエルフィンとの同盟を嫌い妨害工作を仕掛けてきたんだろう。


―――――――――――――


 バトス公爵領首都サルサマシティ、清潔な町並みにきちんと整備された石畳。

 豊富な物資に笑顔の人々(えんじん)、猿人による猿人の為の猿人の町だ。この町を支える為にかなりの亞人と呼ばれている人達が犠牲になっているらしい。

 町で一際目を引くのが、バトス城。巨大な城は堅牢な作りをしており見る者を圧倒する。

 しかし、外からの攻撃には強くとも城内に現れるメデューサには手こずっているらしい。何しろメデューサは突然現れ城内の人を石にすると、いつの間にか消えるそうだ…召還されてるから消えて当たり前なんだけど。


「俺達が担当するのは西側か…さてと時間まで情報集めをするか」

 突然現れては消えるメデューサに対してバトス公爵家が取った作戦は冒険者の大量投入。冒険者を城の至る所に配置しメデューサを倒す計画だそうだ。

 決行日は明日だから時間はまだある。

 そして町である噂で持ちきりになっていた。

 メデューサはエルフ姉妹の怨みで喚ばれた魔物だと。20年近く前、二人のエルフがバトス城に連れ込まれたまま行方不明になっているらしい。連れて行かれたのは白い髪銀色の髪の姉妹。母親の薬を買いに来た所を捕まったそうだ。


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