無駄に高性能
世の中には、人の想像を凌駕した物が存在している。
師匠が授けてくれたTHE グッ-馬イは、その代表格かも知れない。
まずエネルギーのチャージが可能。
しかも満タン知らずでほぼ無限にエネルギーを貯め込む事が出来る。
ちなみに俺が10分頑張れば1時間の走行が可能(通常走行時)。
これだけ聞けばエコな乗り物に聞こえるかも知れない。
でも師匠が作ったグッ-馬イがそれだけで終る訳がなかった。
夜間でも走れる様にライトが着いてる。
迷わない為にナビも完備(バルバ大陸用だからバルナビと言うらしい…ちょっと危険)。
長期の依頼に対応する為に冷蔵庫も着いている。
他にバス・トイレ付きでキッチンも完備。
正に神の作りしマジックアイテム…ただし、全ての動力源は俺。
快適な生活を送るとしたら一日四時間は走らなきゃいけないらしい。
ちなみにTHE グ-馬イの由来は
ザ・財津功善を
グッ・ぐったりするまで
馬・馬車馬の如く
イ・生かさず殺さず鍛えるシステム。
絶対に後付けだと思うけど。
そして俺はデータ取りを兼ねて、エリーゼお姉様に一日八時間近く走らされた。
「エ、エリーゼお姉…様、休憩が欲しいっす。た、体力の限界っすよ」
「分かった…ヒール!!これで大丈夫だろ」
猿人に何回もヒールを掛けると生命力を過度に消費する為危険らしいが、俺はハーフエルフ。
生命力も魔力も豊富に持っている。
「まじっすか?」
「冒険中にエネルギー充填の為に疲れて動けませんでしたなんて洒落にならないだろ。貯めれるだけ貯めておけ」
確かに正論だ、反論出来ない位に正論だ。
「いや、エネルギーの無駄遣いは良くないと思うんすよね。エコな運用をすれば充分じゃないっすか?」
「何があるか分からないのが冒険だ。転ばぬ先の杖なんだよ」
流石は元冒険者でロックオーガ傭兵隊の母、俺の反論をあっさり切り捨ててくれた。
「うー、とりあえずナビにこれを打ち込んでもらえるっすか?」
俺は師匠に教えてもらった緯度と経度をエリーゼお姉様に手渡す。
「トナ・リノハナ湖?湖に何しに行くんだ?」
「いや、その湖に用事があるんすよ…隣の花子っすか?」
絶対に師匠の仕込みだ。
データボール参照 トナ・リノハナ湖
トナ・リノハナ湖は面積が五十キロある湖です。
ムカ・イノタナカ山から栄養豊富な水が流れ込み植物プラクントンが多く生まれれので、生態系が豊かなんですよ。
湖にはきめの細かい泥が堆積していて、その砂は美容効果抜群だそうです。
ちなみに近くにはイツ・モボク岳があります。
…なんか、やるせない伝承がありそうなんだけど。
「湖にピクニックに行くって訳じゃないんだろ?」
「ええ、ミッシェル先生はバトス公爵の情報を集めろ、メドゥーサさんを喚ぶってしか言ってないっすから」
まあ、無理は禁物って事で。
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待ち合わせ場所に着くと、何故かラシーヌさんが一人で待っていた。
「申し訳ありません。ゼーロ様は今回の依頼には参加出来ません」
「具合でも悪いんすか?」
THE グッ-馬イは他人に見せたくないからむしろありがたい。
「いえ、かつてカクチェス家はバトス公爵に仕えていましたので」
話によるとゼーロの父ウーノ・カクチェスは、バトス公爵家の生まれとの事。
その縁でカクチェス家とバトス公爵家は今も親しい付き合いをしているらしい。
「それは仕方ないっすね」
貴族や騎士の付き合いは物凄く複雑だ。
何代前にお前の家に嫁をやったとか、何代前にお前の家の当主助けたなんて平気で言ってくる。
「ご理解頂けて助かります…モノリスさん、バトス公爵領で何かあってもゼーロ様を嫌わないで頂けますか?ゼーロ様も本当はモノリスさんと一緒に依頼を受けたいんです」
なんだろう、愛情を得ない代わりに友情が入れ食い状態だ。
「うーん、なんか世間話はないっすか」
そう、あくまで世間話。
「…白い髪にお気をつけ下さい」
「白い髪?白髪の事っすか?」
白髪なら老人を指してるんだろうけど、わざわざそんな言い方をするだろうか?
「いえ、白い髪です。私の口からこれ以上は言えないので…すいません」
つまり、バトス公爵領で危険なのは白髪の人物。
多分、そいつは公爵家に関わりいがあるんだろう。
「分かったっす。ゼーロに伝えてもらえるっすか?”次の依頼では、こき使うから剣術を磨いておけ”って」
自分がブサメンだからってイケメンを嫌うのは頂けない。
何より、イケメンが近くにいれば出会いも増えるってもんだ。
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エネルギーを貯めておいたから、走行中はゆっくり出来る。、ついさっきまでそう思っていました。
「功善、次は三分間ダッシュだ。おい、牛功善がダッシュした時の歯車の回転数とエネルギーの貯まり具合を計測しろ」
計測人員が増えた所為で、エリーゼお姉様の研究員魂に火が着いた。
マジックアイテム大好きなエリーゼお姉様にとって、神様が作ったTHE グッ-馬イは垂涎ものらしい。
「さ、三分間ダッシュ?一本で終わりっすよね?」
「馬鹿野郎!!正確なデータを得るには、計測数を増やして誤差を少なくしなきゃいけないんだよ。二十本行くぞ!!牛、お前がミスったら功善の走る回数が増えるからしっかり計れよ」
ちなみにフォルテの計測ミスもあり、二十五本ダッシュになった。
THE グッ-馬イのネタが分からない方はおじさん、おばさんに聞いてみて下さい
逆に今の若い人はトシちゃんやマッチの方を知らないでギタリストとしてのヨッちゃんを知ってるのかも
ちなみに作者はタノキンではヨッちゃん派でした、
今のジャニーズならTOKIOが好きですね




