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修行の開始は突然に

 拝啓、父さん母さん如何お過ごしでしょうか?

 俺は何故か延々と階段を登らされています。

 確か、学校でのお別れ会の後、トイレに寄ったんだよな。

 そしてトイレから出ると、そこは見知らぬ場所だった。

 分かったのは、この建物が赤茶色のレンガで作られているという事。

 そしてレンガで作られた廊下を歩いて行くと、木製のドアが見えてきた。

 ドアには”モデルみたいなハンサム紳士のお部屋”と書かれたプレートが下げられている。

 なんか嫌な予感しかしない、あのドアを絶開けたら絶対に不味い事になる。

 違う道を探そうとしたら、ドアが開いた。


「おやおや、功善君じゃないですか?魔導士の塔へようこそ」

 そこにいたのはキノコ模様のスーツを着た筋肉質の中年男性。


(これは夢だ、夢に決まっている)


「お爺さんと同じ事を考えるんですね。私は魔導士のロッキ。ちなみに貴方の守護神ですよ」

 守護神?…魔導士?…ロッキ!?


「そ、創地神様ー。頭が高くて申し訳ありませんー」

 即効、土下座をかます。

 何しろ創地神と言えば、この世界を創った存在。

 そして我が財津家の守護神…俺に与えられた祝福は初級魔法を極めるまでは、次の魔法を覚えれないってやつ。

 ちなみに父さんの祝福は恋人が出来るまではエルフィンを出れないだったそうだ。

 …正直、呪いだよな。


「その創地神って呼び方は止めてくれませんか?なんか堅苦しいですし、私はタオルを回して歌う3人組じゃないんですから、個人的には悲壮の方が好きでしたし。気軽にロッキ師匠って呼んで下さい」


「とんでもないっす。っていうか俺を喚んだのはロキ様なんすか?」

 爺さんは違う世界からロキ様に喚ばれたそうだ。


「ええ、用事がありましたからね。功善君にはこれから修行と勉強をしてもらいます」


「修行は分かるっすけど、勉強ってなんすか?俺はメント公国の学校に留学するんすよ」


「何を言ってるんですか?君には一般受験をしてもらうんですよ。外国人や伯爵の下駄に期待しちゃ駄目ですからね」


「いや、いや、いや。俺向こうの言葉なんて殆ど分からないんすよ」

 試験を受けようにも問題が読めなきゃ受かりようがない。


「だから勉強をするんじゃないですか。1日は24時間あるんですよ、修行10時間、勉強10時間で充分です」


「いやいや、睡眠と休憩が4時間しか無いじゃないっすか?」


「安心してください。その為の魔法を開発しましたから」

 爺さんの言っていた言葉を思いだした。

 創地神様に逆らうだけ無駄、何故なら楽しむ為ならなんでもするから。


「せめて実家に連絡をさせて欲しいんすけど」 


「大丈夫です、ちゃんと置き手紙を置いてきましたから。今回は孫に掛けて怪盗ロパン3世にしてみました」


「それは置き手紙じゃなく犯罪宣言っすよね。それに怪盗ってなんなんすか?」

 

「大丈夫です、功才君なら分かるネタですから。まずは重力魔法を掛けて階段を登ってもらいます」

 そして休みなしの修行の日々が始まったんだよな。


――――――――――――――


 勉強は語学だけじゃなくバルバ大陸の歴史や地理を学ばされ…学ばせてもらった。


「バルバ大陸は師匠の髭で出来たって本当なんすか?」


「功善君、この間教えたでしょ?大陸は地殻変動で海底が隆起して出来たんですよ。第一、私の髭が大陸になるんなら私の家の洗面所が大変な事になっていますよ」

 

「それじゃ何でそんな話が生まれたんすか?」


「いやー、まさか信じるとは思いませんでしたよ。しかも国の名前にメント(あご)やボッカ(くち)なんて名前をつけてビックリしたました。他にスルシル(まゆ)やナーゾ(はな)カッペリ(かみ)なんて国もあるんですよ。紳士が鼻毛を抜く訳ないのに失礼ですよね」

 顎髭と口髭か…メントの学校に入ってもこの事実は封印しておこう。


「バルバにもエルフはいるんすか?」


「いますけど昔のエルフィンと一緒で鎖国をしていますよ。しかも猿人やハーフエルフは嫌われていますから気をつけて下さいね」

 つまり、俺は嫌われる条件が満載と。


「まじっすか?これでエルフから離れらるんすね」


「まあ、君がハーフエルフと思う人はいないでしょうね。でも、忘れないで下さいね、君は猿人でありエルフでもあるんですから」

 この時はまだ知らなかった、俺がこの事実に苦しむ事を。


―――――――――――――――


 そして時は流れて1月のある日、何故か俺はベッドに括りつけられていた。


「師匠、何をするんすか?」


「功才君から聞いた事がありますよね。データボールとパーソナルカードを功善君の頭に埋め込みます」


「パーソナルカードは持ってるすよ!!データも覚えるっすから」

 

「君のパーソナルカードにはハーフエルフって表示されるんですよ。私が作ったパーソナルカードならハーフエルフと猿人も切り替えれますし、名字もモノリスに変えれます」

 確かに俺のパーソナルカードにハーフエルフなんて表示されたら怪し過ぎる。


「分かったす…麻酔はあるんすよね?」


「麻酔なんていりませんよ。私が直接、埋め込みますから。これが終わったら新しい魔法を教えてあげますね」

 自分の頭に球が埋め込まれていく光景は恐怖でしかなかった。


名前  コウゼン・ザイツ(モノリス)

種族 ハーフエルフ(ハーフヒューマン)

年齢 15

身分 伯爵家長男(一般市民)

職種 初級魔法使い

使用可能魔法


光ライト(照明)

闇ダークミスト(視力封印)

命ヒール(小回復)

時フォーメット(発酵促進)

火ファイヤーボール(攻撃)

水ウォータボール(攻撃)

地ストーンバレット(攻撃)

空フライ(ジャンプ補助)

風スピード(速度補助)

魔マジックドレイン(魔力吸収)

シールドボール

ライトウェポン

グラビティウェポン

マジックキャンセル

絶対結界


 俺は魔法使いって言って良いんだろうか?

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