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ザコ対サーベルレオ

 俺達が岩陰で待機しているとも知らずに、ゴブリン達は宴会を始めた。

 ゴブリンは酒好きだが、酒にありつける機会は多くはない。

 その所為か開始と同時にゴブリンのテンションはマックス。

 奇声をあげながら踊り出す奴までいる。

 

「おーおー、これが最後の宴会になるとも知らずにはしゃいじゃって」

 一応、岩陰にはみんなに内緒で絶対結界を作っておいた。

 何しろ、ゴブリンの宴会には特別ゲストが来る予定。


「モノリス君、あのお酒なんか変わった匂いがするね」

 俺が待機場所に選んだ岩陰はゴブリンの巣の風下。


「おっ、流石はトロイ君。あれは俺特製のマタタビ酒なんだよ。しかもアルコール度数が九十九度の強力なやつ」


 作り方は至って簡単。

 先ずはドワーフの国ヘイムランド製のネガティブワン(アルコール度数が九十九、百には一つ足りないって意味らしい)にマタタビをぶちこむ。

 そしてそこに俺の時魔法フォーメットを掛ける。

 フォーメットの効果は発酵促進、ちなみに食物限定の魔法だ。

 元々は爺ちゃんが故郷の納豆を食べたくて師匠にお願いして作られた魔法らしい。

 ちなみに俺は醤油のみで食べるのが好き。

 

「ゴブリンを酔わせた隙に巣を壊滅するのかよ…相変わらず卑怯な作戦を思い付くよな」

 フォルテがジト目で俺を見ている、リラ先輩に至っては目が点になっていた。

 

「俺が狙っているのはゴブリンの巣だけじゃないぜ。ほら、特別ゲストのお出ましだ」

 現れたのは体長三メートルはあるライオン。

 立派なタテガミを持った雄が一匹に雌が五匹。


「サ、サーベルレオ!!皆さん、逃げて下さい。ここは私がなんとかします」

 震えながらも必死の形相で叫ぶリラ先輩。

 でも俺は先輩がフォルテの袖を摘まんでいるのを見逃さなかった…ちくしょう、悔しくなんてないやい。


「先輩。大丈夫ですよ。コウゼン、そうなんだろ?」

 フォルテは俺の方を見ながらも、優しくリラ先輩の手を握った。

 悔しくなんて…流石にこれは悔しいですっ。


「まぁな、見てれば分かるさ」

 いきなり現れた捕食者(サーベルレオ)にゴブリンはパニック状態。

 酔っぱらったゴブリンも素面のゴブリンもサーベルレオに立ち向かっていく。

 

「ゴブリンとサーベルレオじゃお話にならないだろ…なんかサーベルレオの様子がおかしくないか?」

 フォルテの言う通り、サーベルレオがフラフラし始めた。


「ライオンも猫科だからマタタビは効果があるんだよ。直接、触れてないからふらつくだけだけどな」

 当然、そんな状態でもサーベルレオはゴブリンより強い。

 一匹のサーベルレオがゴブリンの喉を食い千切りお食事タイムに入った。


「流石にグロいな…サーベルレオが倒れた?」


「ライオンだけじゃなく猫科の動物はアルコールを分解できないんだよ。早い話がサーベルレオにとって強い酒は毒。ましてやマタタビ入りだから効果はバッチリさ」

 流石にこの短時間では死なないかも知れないけど倒すのは容易になる。

 五分もするとサーベルレオは六匹ともダウン、ゴブリンもかなりの数が倒されていた。


「それじゃ、そろそろ行くのか?」


「まだだよ。トロイ君、サーベルレオに攻撃魔法をお願い」


「分かったよ、任せて」

 トロイ君が詠唱を始めたから次の指示に移る。


「俺は弓矢で攻撃するからラシーヌさんは周りの警戒をお願い。少し時間を置いてからフォルテとゼーロはサーベルレオを確実に仕留めてくれ」


「コウゼン君、トロイ君の魔法と君の弓矢で充分じゃないのか?」

 騎士道を重んじているゼーロにしてみれば納得しかねる作戦なのかも知れない。


「野性動物の生命力は侮らない方が良いんだよ。二人がサーベルレオを仕留めたら、全員で残っているゴブリンを倒す」

 倒したら明日からの動きを考えよう。 

 うん、これでとりあえず爆死は免れた。


―――――――――――――――

 

 サーベルレオの死体は時空リュックに納めて、三匹分のゴブリンの討伐証明部位である右耳を手持ちの袋に入れておく。

 夜が明ける前に町に戻った俺達は宿屋で就寝。

 朝飯を食べた俺はゴブリンの耳が入った袋を持って町に出た。

 ゴブリンの耳は餌、お馬鹿を釣り上げる為の餌である。 


「そこにいるのはモノリス君じゃないか?昨日一晩いなかったみたいけどポイントは稼げたの?」

 宿屋を出るなり餌は食いついてきた。

 俺に話し掛けてきたのは赤い髪のイケメンライトである。


「これから先生の所に提出に行くんすよ。昨日は小手調べって感じっすね」


「提出?その小さい袋を?…見せてもらって良いかな?」

(やっぱり食いついてきたか。まっ、俺達が昨日帰って来なかったのを知っている時点で食いつくのは分かっていたけどね) 

 俺が袋の中を見せると、ライトは一瞬だけ笑顔になった。


「凄い、三匹も倒したんだ。僕達はまだ二匹だよ。負けてられないな」

 ライトが爽やかな笑顔を見せる。

 あれで俺を騙したつもりなんだろうか?

 上機嫌で去っていくライトを見送っていると、ゼーロが近づいて来た。


「コウゼン君。何で本当の事を言わないんだ?方法はともかく僕達はサーベルレオを倒しだんだぞ」


「あの手の馬鹿は自分達が負けているなると邪魔してくるっすからね。勝ったと思わせておいた方が良いんすよ」

 俺は袋の中を見せただけで、全成果だとは言ってないんだから。


感想お待ちしています

次回、悪魔に続いて鬼まで来た?

誰の事か分かった人はいますか?

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