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恐怖のニジーヌイ?

クリスマスプレゼント?更新三作目です

 明日はいよいよ野外遠足。

 色々と動いたから細工は隆々だ…でも、仕上げは御覧じたくない。

 失敗したら爆死って酷くね?

 あれだ、インフルエンザが流行って学校休みにならないかな。

 もしくは雨天中止とか。

 神頼みといきたい所だけれども、そんな事をしたら師匠が快晴にしてしまいそうだ。

 そして朝起きたら雲一つないし青空が広がっていた。


「コウゼン君、晴れて良かったね」

 クラフト君か青空の様に爽やかな笑顔で話し掛けてくる。

 ちなみに俺のハートは曇天模様。


「さて、これから校庭に集合っすね」

 晴れたら肉食獣にロックオンされる危険性もたかくなるんだけどね。


「うん、パーティーをグループに分けて、それぞれ違う目的地に行くんだよね。中には難易度が高い目的地もあるみたいだよ」

 俺達のパーティーは確実に最高難易度の目的地になると思う。


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 一年生とは言え装備を身に付けた生徒が一堂に会すると壮観である。

 そして装備だけで言えば、俺達のパーティーが飛び抜けているだろう。


「なあコウゼン、何でわざわざミスリルに色を塗ったんだ?」


「ミスリル製品をそのまま着たら目立って仕方がないだろ?色んな意味で標的になるぜ」

 ミスリルは光を反射しやすいから魔物や肉食獣に狙われやすくなるし、貴族様に因縁をつけられる可能性が高い。

 特に俺の仕込み槍なんてバレたら、かなりヤバイ代物なんだし。

 ちなみに仕込み槍を枕元に置いて寝たら、夢の中で黒い竜と悪魔が延々とパントマイムしてうなされた。


「やあ、コウゼン君。今日はお日柄も良く、正に冒険日和だね」

 爽やかな笑顔で俺に声を掛けてたきた美男子(ゼーロ)は眩しいくらいに輝いていた…主に太陽を反射した鎧が。

 ゼーロはミスリルの軽鎧とミスリル製の大剣、ラフィンヌさんは革鎧に真っ黒な革の鞭。

 良く見るとゼーロの鎧には所々曇っている所がある。

 

(ミスリルに不純物が混ざっているんだな。メントの精製技術はそんなに高くないと)


「そうっすね。それじゃあ、リラ先輩を待ちますか」

 ゼーロの鎧には間違った振りをして泥をかければ目立たなくなるだろう。

 しばらくすると、気の毒なくらいに顔を青くしたリラ先輩がやって来た。


「ずいまぜん、ずいまぜん。私のくじ運が悪いばっがりにー」

 俺達の顔を見るなり、泣きじゃくるリラ先輩。


(これは親しくなるチャンス!!頑張れ、俺。君はやれば出来る子だ、コウゼン)

 俺がナイスな決め台詞を考えていると、脇から太い腕が出て来た。


「先輩、先ずは涙を拭けよ。話はそれからだ」

 ぶっきらぼうにハンカチを差し出すフォルテ。


「フォルテ君ありがとうございますー」

 それを嬉しそうに受け取るリラ先輩…別に悔しいくないんだからね。


「それで目的地はどこになったんすか?」

 どんな所に決まっても平気ですよと、アピールをして見せる。


「ニ、ニジーヌイ平原です…ずいまぜーん」

 ニジーヌイ平原と聞いた瞬間、みんなが固まった。


 データボール参照 ニジーヌイ平原

 ニジーヌイ平原はメントの南部にある広大な平原です。

 広さは東京ドーム二百個分、何時も思うんですが東京ドーム何個分って言われても東京に住んでる人以外はピンとこないと思うんですけどね。

 平原ですから遮蔽物が殆んどなし。

 だから、視力や嗅覚が優れた肉食獣や魔物のパラダイス。

 ゴブリンの巨大な巣もありますし、ジャイアントシープもサーベルレオも住んでいます。

 師匠、コウゼン君にポイントを稼いで欲しくて細工しちゃいました。

 ちなみに後ろから読むと犬死に平原になります。

 コウゼン君、私の仕込んだブラックジョークは笑えましたか?


(師匠、笑えません…犬死に平原って)


「決まっちまったもんは仕方ねえだろ?他にはどのパーティーが参加するんですか?」

 フォルテがまた好感度をゲットしました。


「えっと、皆さんはCグループになります。Cグループに決まったのははこちらの人達です」

 リラ先輩がくれた紙にはクラフト君の名前も書いてあった。


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 クラフト君のパーティーは見事なまでにイケメン、美少女揃い。


「コウゼン君も同じグループなんだね。嬉しいな。何か気を付ける事はあるかな?」


「出来るだけ目立たなくなるするのが一番っすね。野生動物は人間より視力も嗅覚も優れているっす。香水はもちろん装備のツヤも目立たなくしなきゃ駄目っすね。後は結界を張れる人がパーティーにいないんなら、火を焚き続けなきゃいけなくなるから燃やす物を確保しておく必要があるっす」

 平原に住んでる生き物は何キロも先から獲物を見つける事が出来る。


「コ、コウゼン君、僕の鎧はどうしたら良いんだい?」

 自分の事を言われているのが分かったらしく、ゼーロが会話に割り込んできた。


「ニジーヌイ平原の泥を薄く塗れば問題ないっすよ。匂いも消せますし」


「僕は香水なんて着けてないよ」


「あのな自然の中じゃ人間の臭いは浮くんだよ。手練れの狩人は臭い消す為に、動物の皮を被るんだぜ。一番の忠告は俺達は平原じゃ狩りをする悪魔であり、狩られる餌でもあるんだぜ」

 早い話が一瞬の油断が死に繋がるって事。


「そう言えばコウゼン君のパーティーは随分と荷物が多いよね」


「夜営を想定しているっすからね。うちには力自慢の牛人がいるんすっから」

 キャンプセットはフォルテに担いでもらう予定だ。

 ちなみに時空リュックの中には対サーベルレオの秘策を仕込んでいる。


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