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決して嘘はついていない

 月とすっぽんって言葉がある。

 月もすっぽんの甲羅も両方とも円いのに美しさは雲泥の差、比べ様がないって意味で使われる。

 でも、すっぽんにしてみれば余計なお世話だ。

 すっぽんに月と勝負なんてする気がある訳ないと思う。

 月もすっぽんなんかに興味はないだろうし。

 

「なあ、何でゼーロは俺達のパーティーに入ったと思う?」

  ゼーロ《つき》のパーティーに俺達(すっぽん)が入ったんじゃなく、俺達(すっぽん)のパーティーにゼーロ《つき》が入ったんだ。


「俺達を引き立て役にでもしたいんじゃねえか?トロイ、キャベツを切ったぞー」

 フォルテが呆れた様な口調で返してくる。

 ちなみにただいま、野郎三人で調理中。

 俺達が作るカツサンドはボリュームもあり携帯に便利だから、先輩方に人気でかなりの数を作らなきゃいけない。


「コルノク君、ありがとう。モノリス君が分からないのに、僕達に分かる筈がないよ。だってゼーロ様はモノリス君のお友達なんでしょ?」


「トンカツも揚がり…まっ、いれば助かるから良しとするか。よっし、これで完成だな」

 でも、イケメンの友達はクラフト君だけで充分だ。


「しかし、カツサンドなんか作っていてサマオーレに勝てるのか?しかも注文を増やしてるし」


「フォルテ、俺は勝つために注文を増やしたんだぜ」

 言っておくが、勝つとカツをかけた駄洒落ではない。


「だって子爵の四男だと装備で差が出るだろ?カツサンドを作るよりも連携とかを強化した方が良いんじゃねえのか?」


「俺が何時依頼の稼ぎだけで勝負するって言った?このカツサンドの売り上げもきちんとカウントをする。それに隊列はもう考えてあるから大丈夫だよ」

 ちなみに依頼を受けれる様になったら猪を倒して経費節減に努める。


「はっ?いや、確かに稼いだ金で勝負って言ったけど…それで隊列はどうするだ?」


「先頭はスカウトの俺、次がフォルテで真ん中にトロイ君、次がゼーロで最後尾はラフィンヌさんにお願いをする。スカウトが前後にいれば不意討ちや背後からの攻撃を防げるからな。とりあえずゼーロと話をしにいくぞ」

 そしてこの隊列には狙いが他かにもある。

 先ずは俺が先頭を歩く事でペース配分を決める事が出来るし、魔物を先に見つけれるから自然な形で指示を出す事が出来る。

 つまり強い魔物との戦いを避ける事が出来るんだ。

 そして何よりも…



 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


 イケメン滅べ!!そんな呪文を唱えたくなる光景だ。 

 ピッカピッカに輝く鎧に身を包んだゼーロが剣を振る度に、周りのギャラリーから黄色い声援が飛ぶ。

 俺達が練習をしている時はシカトする癖に。


「やあ、コウゼン君。僕の剣捌きはどうだった?」


「うーん、模範的な騎士の剣捌きっすね。とりあえず、隊列の報告を聞いて欲しいっす」

 つまりは模擬戦と一対一の対人戦にのみ特化された剣。

 きっとゼーロは複数の敵と戦ったり、倒れた敵に攻撃をするのは苦手だろう。


「僕は別にそれで構わない。ラシーヌはどう思う?」

 ラフィンヌさんから受け取った布で汗を拭くゼーロ。

 それを見て溜め息を洩らすギャラリー。

 俺なんて汗を拭いた瞬間に隙ありって、ガーグ王子様に頭を叩かれたんだぞ。


「良いと思いますよ。でもモノリスさんは随分と友達思いなんですね」

 そう言って穏やかな笑みを浮かべるラフィンヌさん…でも、何かを見透かした様な目が怖い。

 あれは俺と同じ腹黒の目だ。


「そうっすか?ちなみにゼーロさんとラフィンヌさんの得意な得物はなんすか?」


「僕は剣だよ。王宮騎士である父からは剣の手解きを受けたからね」


「私は短剣と鞭を使います。モノリスさん達は何を使われるんですか?」

 鞭を使う腹黒メイドって…ラフィンヌさんとは距離を取る様にしよう。


「俺は槍と弓を使うっすよ。それと初級魔法を幾つか使うっす。そういや、トロイ君は何系の魔法が得意なの?」


「僕は水系ならウォーターボールとウォーターカッター、中級はウォーターサイクロンを一回しか使えないんだ。後は空系のサンダーかな」

 水と空か…確かにトロイ君は火や土のイメージじゃないからな。


「俺は斧かハンマーを使おうと思っている」

 牛人のフォルテは力が強いから大抵の武器を使えるだろう。


「フォルテは棍棒は使えるのか?」

 斧やハンマーは防御に向かないんだよな。


「棍棒も使えるぞ。モノリスが買ってくれるのか?」


「ああ、中古で良いならな。その代わり、盾も持ってもらうぞ」

 盾で攻撃を防いでもらえるなら初期投資と考えても損はない。

 何故かゼーロが俺達の会話をじっと見ていた。


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 ラシーヌのローゼお嬢様観察日記


 ローゼお嬢様、モノリスから連絡がきたのが嬉しいらしく香水をつけまくる。


 でもモノリスに良い所を見せようとして、汗だくに…ローゼ残念だったねー。

 モノリスの隊列が魔法使いのトロイを目立たせる為だと教えたら関心しきり。

 しかし、恋愛未経験のローゼには、それがトロイさんの幼馴染みに良い所を見せる為だって事は分からないかもしれない。

 ローゼお嬢様、モノリスの言葉遣いが他人行儀な事に気付き不満気な様子。

 モノリスに女をあてがったら、ローゼはどんな反応をするんだろうか?

 恋心になりそうなら諦めさせる事も考えなきゃいけない。

カタカナにルビをふるにはどうしたら良いんだろうか?

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