第7章 :いったん、ここで切ります。
【男子寮の相部屋にて、仲良く床の布団で寝ながら、天井を見て】
クーパー:「ジャス・・・」
ジャスティン:「あ・・・?」
クーパー:「あいつ、どうするつもりかな。」
ジャスティン:「俺たちをか? あの『浮気の相手』をか??」
クーパー:「両方さ。」
ジャスティン:「・・・わからん。
現在のあいつは『予測不能』なんだ。身の回りにやっかいなことが起きて、渦を巻いてるからな・・・。」
クーパー:「知ってるのか・・・?」
ジャスティン:「知ってる。」
クーパー:「どんなこと?」
ジャスティン:「ふー・・・『いろいろ』さ。
たしかなのも・・・あるし、『小耳にはさんだ程度』のもある。」
クーパー:「どうやって・・・誰からの情報?」
ジャスティン:「親父の電話からの情報にきまってるじゃないか。」
クーパー:「おまえ、盗聴してるのかよ??」
ジャスティン:「そうさ。・・・『手紙』も読んでるぜ。
それ以外に、知りようないだろう。」
クーパー:「ああ・・・。で、『やっかいなこと』っていうのは・・・?」
ジャスティン:「『敵がいる』ってこと。
・・・それも『大物』だ。
いま、彼の葬式が出れば大喜びの連中さ。」
クーパー:「(半身を起こしてジャスティンを見ながら)それ、どういうことだ。」
ジャスティン:「(こちらも半身を起こしてクーパーをじっと見ながら)あいつが今度出した本・・・あいつは『実名』をあげて、その本の中で、有名人を暴いてるんだ。
大物で・・・危険な連中をだ。そいつらは、あいつがいなくなればと思ってる。
『軍需産業のトップ』『信託会社の重役』『上院議員』『下院議員』・・・。」
クーパー:「するとその『誰か』が・・・抹殺をたくらむ、ってわけだな・・・?」
ジャスティン:「実際に『殺してやる』っていう脅迫まであがったんだ。親父のところに、その報告がきた。
やるときゃ・・・ヤツら、本当にやるぜ。」
クーパー:「おもしろいな・・・おもしろい。
それに、ゆうべの彼女、ジューン・クラーク・・・『(ラスク教授を)殺しかねない顔つき』だった。」
ジャスティン:「・・・そういうことさ。」
クーパー:「ジャス・・・教授が学長にしゃべったら、俺は『おわり』なんだ。」
ジャスティン:「わかってるよ、クープ。
おまえだけじゃない、俺だって、ひでぇことになるさ。
・・・ハーバードのロースクール(= 法科大学院)にはいれなかったら、親父に『生皮』はがされっちまうんだ。
つまり、俺たちの将来は、あと一週間・・・いまや、『風前の灯』ってわけだな。」
クーパー:「『選択肢』は限られてきた、ってことだな。」
ジャスティン:「・・・選択の余地はまったくナシ。
生き残るのはあいつか・・・俺たちか。」
クーパー:「俺たち。」
ジャスティン:「・・・そうだ。」




